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どういう研究をしたいか

そもそも、このブログの中の人はどんなことに興味があるのか紹介します。

中身がとっ散らかっていてお見せするのも恥ずかしいのですが、まだまだ未熟者なので、皆様のお知恵をお借りできたら嬉しいです。

研究計画書の焼き直しなので、少々読みづらいかもしれません。

私の研究テーマは・・・

「聴親とろう児で構成される異文化家族間コミュニーケーション」

です。

「異文化家族」というと国際結婚を思い浮かべるケースが多いかと思います。この場合、出身国とか人種にフォーカスが当てられています。要するに、初見で異文化の存在を捉えやすい状態、とでも言いましょうか…

一方で、出身国も人種も同じだけど異文化は存在します。そのうちのひとつが私が研究対象としている聴親とろう児で構成される家族です。

(※ろう者:手話を第一言語として習得する文化的マイノリティ)

私がこの構成の家族のコミュニケーションに興味を持った理由はこちら


1.予期せぬ形で遭遇する異文化状態


いわゆる国際結婚の場合、夫婦双方が自分たちの異文化状態を認識した上で子供を持ち、その子どもたちに双方の文化的側面を教えることが出来ます。一方、ろう児の90%は聴こえる親を持つと言われています。このことから分かるように、ろうの子供が生まれることは聴親にとっては予想外。故に、口話至上主義や聴能主義に縛られ、子どもの成長や家庭環境に支障をきたしている現状があります。


2.スタートラインが対等ではない

学生時代の留学や社会人になってからのビジネスで遭遇する異文化コミュニケーションは基本的にお互いが対等な立場でコミュニケーションを図ることができます。他方、私の研究対象では「親」と「子」というところがスタート地点です。ですから、ろう児を持ったことに対する親の価値観がダイレクトに子どもに伝わります。もし彼らの価値観がろう者を否定するものであったら(手話を教えない、何がなんでも普通校に通わせる等)、それは子どもの生まれ持った特性を否定することにもつながります。


この研究をなぜ異文化コミュニケーションの立場からやろうと思ったかというと、「このような状況はいつでもどこでも起こる」ということを啓発したいからです。

”外国人”と接する人だけが異文化コミュニケーションの当事者ではなく、日常生活の場面で、自分が予期しない形で遭遇する”異文化”に対して寛容な態度を持つ風土を日本社会に根付かせることが大きな目標です。

小さな目標 は以下の2つ。

1.ろう児を持った親の支援


手話教室や同じ境遇の家族とつながる場を作る、といった面ではなく(もちろんこれらは大事です!)、どうすれば「家族」という単位を意識したコミュニケーション環境を整えられるのか、といった部分に焦点を当てて支援をする方法を見つけたいです。いわゆるVertical Identityをどのようにろう児に獲得させていくのか、といった点に着目していきたいと考えています。

2.ろう児への継承語としての日本語教育の方法を考える

継承語というのは、自分の親(もしくはその数世代前)の言語のことです。
世間一般でいう継承語教育(例:在外邦人子女のための日本語教育等)とは違い、日本語と日本手話には音声言語と視覚言語という決定的な違いがあります。なので、現在普及している継承語教育メソッドを当てはめることが難しいです。日本国内ではろう児に生活言語のための日本語教育を行っている場所もありますが、「継承語」としての日本語教育について、聴親を持つろう児のためにできることを検討していきたいと思っています。


興味の範囲が広いため、研究テーマを絞り切れておらず、どのようなアプローチで研究を進めていくのか詰めることができていません。今は様々なフィールドで活躍されている研究者や実務の方々の情報を収集したり、先行論文を読んでいる最中です。


まだまだ何もわからない新米なので、おすすめの本や論文を知っていましたら教えていただけると嬉しいです。


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