池袋を少しだけ考える

 SNSのタイムラインで池袋の話題が流れてきて、もう池袋そのものが無くなるようなイキオイだったので、何の事かと思ったら西武百貨店のストの事であった。

 静岡の田舎出身の私は池袋とはあまり縁がない。東京の親戚が連れて行ってくれた都市部は上野、そして高層ビルが建ち始めた新宿であった。

 鉄道の結接点として可能性を持っている事は上野、新宿と同じだが、今一つ地味な印象だった池袋に私の家族が最初に行ったのは1978年、高さ240m、60階建ての超高層ビル「サンシャイン60」ができた時であった。

 確か、この時、東京の人に「展望台から富士山が見える」と言われたのが印象的だった。「東京まで来て富士山なんて」とも思うのだが、新宿ではスモッグであまり景色が見えなかっただけに、東京も変わりつつあるのかと思ったものだった。

 他に印象に残ったのは、千住のおじさんの家の近くを走っている、床が木で出来ていて、走ると「ンゴー」とか音がするクリーム色の電車が走っていた事、そして、都電がまだ走っていた事だった。

 クリーム色の電車は多分千住の方に繋がってると思ったのだが、どうも違っていたようだ。

 都電ではこの時、赤帯のツーマン車を見たような記憶があるのだが、はっきりしない。TBS系「報道特バン」で花電車が映し出されていたのは、この頃だったろうか。

 サンシャイン60では他の用事のついでに、鉄道用品を扱う店に寄ってもらって複製のサボを買ってもらった事もあった。あと、西武百貨店では「しぐなるはうす」という鉄道模型コーナーで西武のE85という機関車の模型を買ってもらったりした。今では一般流通があるが、当時はここの特注品しかなかったのだ。

 大人になってからも何度か池袋には行っている。マイナーな音楽を歌う人を聴きに行ったり、池袋鉄道模型芸術祭を見に行ったり。

 今回の話題の発端となった西武百貨店というと、「つちのこブーム」とも関わりが深い。その後「不思議、大好き。」というコピーを使用している。
 都会的おしゃれさだけでなく、どこか怪しげな文化、芸術を資本が後押しする時代は終わったのか、怪しげって言っても詐欺っぽいのは沢山いるが。

 

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