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ドラえもん「超リアル・ジオラマ作戦」から考える

 スネ吉兄さん(スネ夫の従兄)にF先生が乗り移ったかのように暴走する回の1つ、「ドラえもん」の「超リアル・ジオラマ作戦」だが、他の人の指摘している部分以外にもすごい部分があるんじゃないかと思うのだ。そこで、スネ吉暴走以外の点で、この作品のすごさを挙げていきたい。

1.のび太もすごい

 スネ吉兄さんの講義をドラえもんの道具で見て、のび太は「質感」が大事であると知る。
 巨大ロボットの場合、土埃で汚れる事もあるだろうし、関節の部分からオイルが染み出して来たりする事もあるだろう。戦闘で塗装が剥げたり色が褪せる事もあるかも知れない。
 影になる部分は黒っぽくしたり、光が当たる部分は少し明るめの色にするのも手だ。
 総合的に考えると結構難しい。しかし、のび太はこの一言で済ませる。

なんだかわかんないけど、よごしてみよう

 いや、「なんだかわかんないけど、よごしてみよう」だけでリアルなウェザリングが出来るって、あんたも天才だよ。
 一応塗料が4色ある所にも着目、錆び、土埃、オイルなど、それぞれ「汚れ」と言っても色が違う。

2.F先生もアシスタントもやっぱりすごい

言われてみれば「近くより遠くのビルの窓が大きい」スネ夫のジオラマ

 スネ夫のジオラマスタジオの描写が実にリアルである。背景は空の色の紙なんだろう。照明も複数配置されている。立ち上る煙は綿かな? そして、スネ吉兄さんから「なさけない」と言われたポイントの1つ、遠近法を無視して近くのビルの窓より遠くのビルの窓を大きくしてしまった所もはっきり描かれている。

壁面にまで遠近を付ける徹底ぶり

 これがスネ吉による改善方法、いやあ、「これ常識」って「ジャングル黒べえ」じゃないんだから。
 ジオラマやっている人に聞いた事があるが、手前と奥で置いてあるミニカーのスケールを変える事はやっても、カメラ位置の視点に合わせて壁面に遠近を付けるまでの事はあまりしないそうであるが、スネ吉兄さんは容赦しない。

のび太作品もしっかり描写

 のび太作品の描写もすごい。スネ夫作品では廃墟となった後のビルの壁面が背景にあったが、のび太作品では(まあ、本人はあまり考えてないのだが)「つい今さっき破壊されたビル」として、ロボットアニメの劇中のイメージを再現している。
 ビルの断面には各階の床があり、破壊された後にむき出しになった鉄筋も描写されている。大きな瓦礫も片付けられずに残っている。背景には小さく、まだ破壊されていないビルも見える。
 そしてカメラの視点は低い。見上げるイメージである。

 ドラえもんの道具のおかげで再現されているのだが、実際の作品を作る際の参考にもなるだろう。

画力あってこその説得力だ


3.ドラえもんも良いことを言う

 話の最初の方で、ドラえもんが実に良いことを言っている。多分、プラモデルを続ける上で忘れてはいけない事だろう。

すきなように楽しむのが一番!

 そう、プラモデルは「すきなように楽しんでつくる」これが一番重要な事だ。

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