ロズウェルの全翼機?
(この記事を書くにあたっては、ツイッターでのゲッター・ショーンさん、蒲田典弘さん、秋月朗芳さん、花田英次郎さんの意見を参考にさせて戴きました)
UFO趣味を結構続けていると、「あれ? この話ってこうだったっけ?」と思う事が時々ある。
その中の一つが有名なロズウェル事件。もともと1947年に起きているのだけれど、その時は一応解決(実は正体不明の物体ではなく、気象観測用の気球であった)となって、以後は忘れ去られていた。
1970年代後半に墜落円盤の話題が盛り上がり、その中で「ロズウェル事件」は発掘される事になる。
そして1980年代後半から1990年代になって、かなり具体的な所のディテールまで(真実かどうかはともかく)語られるようになる。
この過程で「ロズウェルに墜落した宇宙船」の形状のイメージが出来上がってくる。それは1980年代前半ぐらいに「矢追純一スペシャル」を見ていた者には「ええっ?」というカタチの物であった。
いわゆる「空飛ぶ円盤」よりも、三角翼の航空機に近い形状だったのである。
その前段階として1989年10月から1990年4月頃、ベルギー各地で「UFO」が目撃される。特に黒い三角型の写真が話題になっている。
また、三角型と言えば、この頃形状が明らかになって話題になっていたステルス機が思い浮かぶが、これは1980年代中頃には「あるんだけど形状が解らない」という存在であり、1986年にテスター(イタレリ)から、1987年にモノグラムから推測の形状での「ステルス戦闘機F―19」のプラモデルがリリースされていた。
ロズウェル事件での三角翼機は、実際に登場したF―117よりも、どちらかというとこのテスター/イタレリの「F―19」に似ている。
どうもこの三角型がロズウェル事件に結び付けられるようになったのは、ケヴィン・ランドルとドナルド・シュミットの著書によってらしい。
The Truth About the Ufo Crash at Roswell
(ロズウェルに堕ちたUFO 南山宏訳)
これの原著は1994年4月発行となっている。
ゲッター・ショーンさんによると、1993年にジェームズ・ラグズデールが「短い翼を持った航空機が墜落した」と証言しているらしい。
本に出ているイラスト自体はシュミットが描き起こしたようだ(シュミットの創作の可能性も?)。
また、三角型のロズウェルタイプは1997年にテスターがプラモデルを出していて、リンドバーグにより再び発売されているとの事。
シュミットがどう考えていたかは不明だが、話題になっていたステルス航空機を未確認飛行物体からのリバース・エンジニアリングに結び付けるには格好の題材になったのではないだろうか。
また、シュミット説に反対の人もまたいるらしく、普通の円盤型が墜落したような考えの再現イラストもある。
ちなみにロズウェル事件以外の墜落円盤はどうだったかというと、例えばフォート・ライリー事件では垂直尾翼のある円盤型が描かれている。この辺はまだまだ課題かな。
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