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走馬灯(第3話)
3
ぐらりと重心が傾いた。
私の回りの世界が大きく回転していく。ジェットコースターに乗っているかのような猛烈な無重力感が私の全身を包んだ。全てがスローモーションの中で世界の光景が流れていく。どこまでも落ちていくような感覚があった。
私はどこまで落ちていくのだろう。
きっと、すぐに終わる。私はもうすぐ死ぬのだ。
心の中では、それを事実として冷静に受け止める自分がいた。
だけど、何だろう。この寂しさは。人は死ぬときはこんなにも寂しいものなのだろうか。結局人は一人で死んでいくしかないから、そのような寂しさを誰もが感じるものなのだろうか。
どこまでも落ちていく感覚の中で、私は意識を失った。
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