髪を30センチ切った話

こんにちは、浅葱です。

これまでの人生で、髪を30センチ以上切ったことが2度あります。高校入学前と大学入学前。その長さの髪は体感では非常に重く、首は振れないわ肩は凝るわ暑いわで大変なのですが、切ったあとに量った実際の重さは100グラムを多少上回る程度なのが何かだまされているような気がします。

同じ中学から高校に行った人が割と多くいて、そのうちの一人には「失恋したの?」などと言われましたが、いや失恋ちゃうわ!そもそも失恋しないと断髪しちゃいかんのかい!ちなみに髪が伸びてきてからは、「次いつ失恋するの?早く失恋すればいいのに」とも言われましたね…

ヘアドネーション

さて、私は何も、失恋したから髪を切ったわけではありません。

「ヘアドネーション」という取組をご存じでしょうか。伸ばした髪を寄付し、小児ガンなどで闘病している子ども用のウイッグに使ってもらうというものです。JHD&CというNPOのホームページに詳しいですが、髪は自分で切ってもいいし、賛同美容室に行けば送ってもらえる。特に自分の外見にこだわりがあるわけでもなかったので、「髪は黙ってても伸びるし、そんなんあるなら伸ばしてみようか」と、ほんとに軽い気持ちではじめました。

※今は新型コロナウイルスの影響で一時的に髪の受け入れを停止しているようです。

https://www.jhdac.org/index.html

1度目~高校入学前~

1度目は近所に賛同美容室がなかったため親にざっくりと切ってもらったあとに美容室で整えてもらいました。そのときは最初にどうしようもなく不揃いかつ短くされたため美容師さんにはドン引きした目で見られました。何かを察したように無言だったのがまた辛かった。今思えば、「あ、こうなったのはヘアドネーションっていって~」とか言えば良かったのかもしれませんが、もともとの人見知りに加えてドン引きされているのを全身で感じ取っており言えませんでした。それでもその美容師さんはベストを尽くしてくれたのだと思います。ただ最初の髪型がプロの腕をもってしても修復不可能だっただけです。その後に撮った高校の学生証の写真はひどくちんちくりんで、顔の丸さと大きさが余計強調されて、3年間使うんだけどなあ…と少し悲しい気持ちになりました。あのときの美容師さん、その節はお世話になりました。そして申し訳ありませんでした。

2度目~大学入学前~

3年ぶり2度目の断髪時は実家の近所に賛同美容室が出来ていたためそこですべてお願いしました。切った髪束の写真を撮ってもらったり、「また伸ばしたいんです」というこちらの要望をもとに似合う髪型を提案して頂いたり…愛嬌のない種類の丸顔なので短髪はあまり似合わないと思っていたんですが、仕上がりがほんとに綺麗で違和感がなくて、もうなんかさすがプロ、って感じでした。数日後、切りたての髪型を家族以外の誰にも見せることなく(つまり誰にも会うことなく)私は大学がある街へ旅立ちました。あの髪型は新天地で誰を頼ることも出来ず何度も自信を失いかけた私を勇気づけてくれました。

髪を切る、ということについて

このような話を友人にすると「勇気あるね」と言われることが多々ありました。そのたびに「勇気があるからじゃない、単に自分の外見に頓着しないだけだ」と思います。それでも髪を切れば言及されるのがどこか面映ゆく、切るタイミングは2回とも生活ががらりと変わる節目に合わせています。大学で関わっている人たちは誰も高校時代以前の私を知らないので、言わなければ当然髪をばっさり切ったことも知らない。正直かなり気が楽でした。

かつて髪型に制限のあるスポーツや活動を行っていたためヘアドネーションをするまでショートヘアにしたことはなかったのですが、似合わないという点を除けば新鮮で楽しい体験だったなと思います。2回目の断髪では「この世には私にも似合うようなショートヘアもある」と知る事も出来ました。外見を気にしていると思われるのは嫌いでしたが、2回目の断髪でそれがちょっと動いたなと感じます。

今は背中まで髪が伸びてきています。さすがに在学中一度も切らないのは生活に支障が出そうだから来年あたり切ろうかなと考えています。



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