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mono-lessの「スタPよこせ、早く!」 #4【2020年プレイまとめ(その4)】

 こんにちは。mono-lessです。
 今回も前回に引き続き、間宮豪気氏との対談形式で昨年プレイしたボードゲームを振り返ります。


6.アマルフィ (2020)

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モノ「ボドゲブログでおなじみのTakewatchさん作のゲーム。これは楽しかったですね」
「面白かったですねぇ。最初はボコボコにされましたけど」
モノ「いやいや。言っても両者初プレイですよ、ほとんどのゲーム(笑)」

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▲ルネサンス期の交易商人となって船を駆り、海運都市アマルフィの復興に尽力する。基本はワーカープレイスメントながら、資源とワーカーの独特なやりくりや、海図カードによる打ち手の拡大、契約ボーナスや人物カードを使ったコンボなど、多くの旨味が詰まっている。ウラベロシナンテさんの綺麗で優しいタッチのボードイラストや、uchibacoya peaceさんの手腕が光る船やパンを模ったカワイイ木駒などアートワーク面の魅力も十分。

モノ「たしか、最初は説明書に書かれていたオススメの初期手札セットで遊んだんですよね。僕が後手番だったんですけど、後手だからなのか、一枚とても便利なカードがあって、それが結果的に火を吹いたっていう」
「うまい具合に噛み合った感じでしたよね。あれにはやられました」
モノ「システムでいうと、資源を得るためにワーカーをアクションスペースに配置すると、残りのワーカーが資源に変換されるっていうメカニズムが新鮮でした。資源として使ったワーカーコマはすぐに手元に戻ってきて、再びワーカーとして利用できるっていう」
「あれは初めてのプレイ感覚でしたね」
モノ「だから、資源とワーカーの行ったり来たりを踏まえた上で『どういう順序でプレイすると、最大限に行動できることが出来るのか』っていうやりくりを考えるのがとても面白かった。こういう風に都度都度で『どう動けば、やりたいことがたくさんできるのかな?』って考えるゲームが自分は好きなんだなって再認識しましたね」
「海図カードとか人物カードとか各ボーナスとか、いろんな要素が絡みあって、『じゃあ、どこに船を配置するか』っていうのが、全体的にまとまっててゲームとして完成度が高いなと」
モノ「カードには毎ラウンド一回だけ発動できるものがあったりして、ちょっとテラフォーミング・マーズっぽさを感じたり」
「二人でもしっかり面白いゲームでした」

7.アグリコラ:牧場の動物たち (Agricola: All Creatures Big and Small, 2012)

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モノ「二人用に軽量化したアグリコラ。あと通常のアグリコラと違って、アクションが大まかにいって動物増やすか牧場を広げるかしかないから、動物の繁殖具合が全然違う。牧場が飽和するほど増えていく(笑)」
「『ここで増えるけど、溢れちゃうからもう無理だ』とか結構ありましたね。どんどん増えちゃう動物を、毎ターンいかに無駄なく牧場に収めていくかっていうゲームになってましたね」

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▲自分の農場を作りあげていく重量級ワーカープレイスメントの代表作『アグリコラ』を二人用にアレンジ。畑による農作や食料の調達などの要素をオミットし、動物の繁殖にフォーカスしている。原作にあった大量の能力カード要素も消え、代わりに能力を持った「建物」を建てていくシステムに変化。建物の種類が増える拡張が二作リリースされていたが、それらをひとまとめにしたBIG BOXの日本語版が昨年発売された。

モノ「動物がワンサカ生まれる一方で、原作にあった食料の要素が無いから、足枷のある苦しさみたいのはあまりないんですよね」
「そういった意味では、ずっと嬉しい悲鳴が出てるゲームかもしれないですね(笑)『もう食べれませ~ん!』みたいな。根はストイックですけど」
モノ「運の要素は相変わらずゼロですしね。あと元々のアグリコラと牧場の柵の作り方が結構違う。柵を途中まで建てた状態でアクションを終えてよかったり、建物タイルの辺も柵とみなしてよかったりとか」
「その辺の使い方がモノさんの方が一枚上手でしたね。僕はボコられましたから」
モノ「いや、元々の牧場よりも拡げた牧場を埋めた方が点数入るっていうルールを豪さんが勘違いしてただけだと思いますよ(笑)僕は拡張牧場を四つのうち三つ取っちゃってたんで。僕の勝ちはもうオマケみたいなもんですよ……」
「すいませんね、気を遣ってもらっちゃって……(笑)」

8.Homesteaders (2009)

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モノ「オークションと拡大再生産のゲーム」
「とにかく借金まみれになるゲームでしたね」
モノ「でもここからボコられていた豪さんの快進撃が始まりました(笑)」
「これは割と大差をつけて勝った記憶があります(笑)」

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▲プレイヤーはアメリカ西部の開拓者となり、建物を建て、労働者を雇い、西部の町を発展させていく。建物購入の競りは、誰か一人は必ず買えないという押し出し方式。建物から得られる資源は鉄、木、家畜、食料など多数。様々な能力を持つ建物を集めることで、これら資源をうまく勝利点に変換していくエンジンを構築できるかがポイント。金欠に陥りがちなうえ、いつでもできる借金は150%という鬼金利。手軽に借金地獄を体験できる。

モノ「途中で豪さんが借金を返せる能力を持った建物を取っちゃって、『こりゃどうしようかな』ってなったんですよね。お金をたくさん稼ぐ方向でなんとかならないかと思ったんですが間に合わなかった」
「借用書の失点がめちゃくちゃ大きいんですよね……結構建物によって強弱があったような印象なんですが」
モノ「ラウンドが進むほど強い建物が出てくるんです。あと、どのルートで構築していくかっていうのも思うんですけどね。資源の種類がとても多いから、すべてを自前で生産していくのはムリなので、どこをどう賄うエンジンを作っていくかっていう」
「お互い慣れてないから手探りな感じはありましたよね」
モノ「次遊んだら、借金返す建物の値が確実に高騰すると思う(笑)」
「間違いないですね(笑)」
モノ「ただ、これは”サイズ - 大鎌戦役 -”と一緒で『大人数の方がいいゲームだな』って思いました。三人以上だと絶対に誰か一人はオークションで競り勝てないっていうルールで、結構そこがキモだと思うんですよね。二人だと特殊ルールになっちゃって、両方が買えたりする」
「二人でも楽しいんですけど、たしかにこれは人数が多い方が真価を発揮するゲームだと思います」

9.ルート ~はるけき森の動物戦記~ & ルート拡張:さざめく河のけだもの軍記 (Root & Root: The Riverfolk Expansion, 2018)

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モノ「ここでいよいよ、2020年後半のメイン……(笑)」
「奴かあ……(笑)私達を幾度となく苦しめたゲーム……」
モノ「”ルート”ですね」
「ですよね~!」
二人「ゲラゲラ(笑)」
「今年下半期の我々の話題をかっさらっていったゲームですね。このために集まっていたような日もあったくらい」

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▲森の覇権をめぐり、四種の動物部族が激突するウォーゲーム。「30点先取」という勝利条件こそ全員共通であるものの、行動システムや加点ルールは全部族バラバラという非対称型の対戦ゲーム。まるで全プレイヤーが同じボードで別のゲームを遊んでいるかのようなプレイ感がユニーク。動物コマもかわいい。拡張ではさらに二種類の部族と敵オートマが追加され、ソロプレイや協力プレイにも対応。我々はもっぱら協力モードで遊んでいた。

モノ「ここで遊ぶときは、拡張の《メカ野侯国》っていうオートマを入れて、2対1の協力ゲームとして遊んでたんですよね。ルールの違う動きをする種族が入り乱れるのが面白いんだろうし、二人だけだと微妙かなって思って」
「最初に選んだ種族は、《鷲巣王朝》と《森林連合》でしたっけ」
モノ「そうそう。説明書に書いてある初心者にオススメの組み合わせだったんだけど、そこに同じく初心者向けとして書いてあった両者とも《放浪部族》という組み合わせが……」
「『どこが初心者向けなんだ!!』(笑)」
モノ「めちゃくちゃ辛すぎる(笑)ほぼ運のゲーム」
「勝つことなんて無理だろ!って」
モノ「僕らの中での非対戦激ムズゲームの三巨頭、”アルゴ (2002)”の上級ソロルール、”私の世界の見方 (Wie ich die Welt sehe..., 2004)”の二人用ルール、そして……」
「協力”ルート”の《放浪部族》×2(笑)」
モノ「あまりに難しすぎて海外サイトも調べたんですけど、やっぱり《メカ野侯国》の調整がだいぶ甘かったみたいで、後で改訂版が出てるんですよ。海外の掲示板にも僕らとおんなじ嘆きを書いている人がいて、別な人に『改訂版で遊びな。こっちは時間の無駄』って言われてた(笑)」
「ただ片方だけ《放浪部族》っていうのはめちゃくちゃ面白いですよ。『《放浪部族》ってこんなにいろんなことできるんだ』って思います」
モノ「《放浪部族》同士ってできることがとても制限されますもんね」
「ふたり《放浪部族》では、《放浪部族》の強みが生かせてなかったんだなって思います。完全にリソース食い合うだけだし。ひとり《放浪部族》はモノさんにもぜひ体験してほしいです」
モノ「逆に《蜥蜴教団》と《河民商団》の組み合わせだと簡単すぎて《メカ野侯国》がかわいそうだった」
「《蜥蜴教団》は相手のコマを自分のコマと交換するっていうアクションがめちゃくちゃ強いですしね。組み合わせはあるんでしょうね」
モノ「全員ルールがバラバラな以上、バランスが良くない組み合わせがあって当然なシステムだとは思いますよね。これとこの組み合わせはやめた方がいい、っていうのは明らかにあります」
「その一つが絶対に《放浪部族》×2だと思うんだけどなぁ(笑)」
モノ「そう考えてもやっぱり三人戦以上で遊ぶゲームかな」
「今年印象に残ったゲームの一つですね。面白かったです。今日も遊びましたけど、《放浪部族》×2はいまだにクリアできてません!(笑)」

10.イーオンズ・エンド (Aeon's End, 2016)

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モノ「対して、こっちはいまのメイン」
「今年最後に現れた魔物と言っても過言ではない(笑)」
モノ「周囲で『面白い』って言っている人が多くて気になったんですよね。BGGでベストプレイ人数見たら”二人”って書いてあるし、豪さんはデッキ構築とか協力ゲーム好きだし、これはここで遊ぶにはピッタリかもと思って買ってみた」
「これは大ヒットでした」

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▲攻めてきたボス魔物から町を守るために各人が魔術師となって奮闘する協力型ゲーム。場からカードを購入して自分だけの山札を作り上げていく、所謂「デッキビルディング」と呼ばれるゲームの一種だが、基本的に山札をシャッフルしないため、カードを引く順序を想定して積み込みが出来るのが特徴。しかし味方とボスの手番順はランダム。敵も味方も後半に向けて加速的に強くなっていくのでドラマチックな展開が生まれることも多い。

モノ「いまのところ、収録されているボス四体のうち二体撃破してますね」
「ただ倒したボスの難易度がそれぞれ2と3で、残っているボスが両方5。合計15と考えると、我々が倒したのはたったの5なんですよね(笑)」
モノ「3でも結構強かったですよね(笑)」
「3はあのキャラ以外で勝てるんですかね。回復能力持ってないと相当厳しくないですか?全体的にもうちょっと回復の手段が欲しい……」
モノ「確かに回復手段が乏しくて苦しくなる展開多いですよね。本国ではたくさん拡張がリリースされているみたいだし、そっちにはあるんじゃないかなぁと思うけど」
「あれだけ回復が少ないということは、攻撃をくらわずにやれってことなんですかね……どうなんだろうなぁ」
モノ「チャージ(お金を貯めることで使えるキャラごとの固有能力)が結構大切なのかなぁって気はするけど」
「序盤は難しいんですけどね。なかなか難しい」
モノ「あと、ボスもそれぞれ特色があっていいですよね。最初のボスは単純にパワー系って感じだけど、二体目はザコキャラをわんさか増やしてくるタイプ。三体目はこちらの手札をいじってくるっていう」
「最初の一戦目は様子見ですよね。何やってくるかわからないから基本的に勝てない。何回かやって勝てるものですから」
モノ「そうそう。何回やっても勝てない”ルート”とは違いますからね」
「ソウデスネー(笑)」
二人「ゲラゲラ(笑)」
モノ「これと”ルート”は今後も拡張を追いかけていこうとは思ってます」

さいごに

モノ「やりましたね、今年も。コロナ禍にしては、というよりコロナ禍だからこそなのかもですが」
「なんだかんだで今まで生きてきた中で一番ボードゲームした年だったかもしれない(笑)」
モノ「グルームヘイヴンがありましたからね。定期的に集まる理由ができたから」
「あの時のモノさんの『グルームヘイヴンというゲームが出ます』という一言からこんなことになろうとは(笑)拡張のためのお金貯めておかないとなあ」
モノ「いや、本当におかげさまで充実した一年でした。来年も引き続きグルームヘイヴンと……」
「イーオンズ・エンドと(笑)」
モノ「それが終わったら何が出てくるかはわかりませんが」
「まだしばらくは終わらないような気もしますが(笑)何はともあれ、今年も本当にありがとうございました」
モノ「ありがとうございました。来年もよろしくお願いします」

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