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mono-lessの「スタPよこせ、早く!」 #2【2020年プレイまとめ(その2)】

 こんにちは。mono-lessです。
 今回も前回に引き続き、友人のK君との対談形式で今年プレイしたボードゲームを振り返ります。

閑話 ~ ワードスナイパー (2017)

モノ「今年のボードゲームで一番笑ったのがさ、正月に俺の実家に集まった時があったじゃない」
K「うんうん」
モノ「うちの姪っ子とかもいてさ。そこでお前が持ってきたワードスナイパーで遊んだときのこと覚えてる?」
K「なんだっけ」
モノ
『む』ではじまる学校に使うもの、っていうお題が出たんだけど」
K
「うん」

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▲問題のシーン。お題と頭文字が提示されるので、その二つに合致する言葉をいちはやく答えた人にポイントが入るカルタ形式のゲーム。

モノ「それをうちの祖母ちゃんが遠くで聞いててさ、ゲームに参加もしてないのに急にデカい声で『ムチ!』だって(笑)」
二人
「ゲラゲラ(笑)」
K
「ねぇよ!日本の学校に鞭(笑)」
モノ「お正月の楽しい団らんの時間で、急に無邪気な『ムチ!』(笑)」
K「雑煮食って、初詣行って、ゲームして『ムチ!』(笑)」
モノ「ひ孫にお年玉あげて、遊んで、仕上げに『ムチ!』(笑)みんな大笑いしたけどさ、落ち着いて考えると昔の人からナチュラルな発想として鞭が飛び出すのはなかなか恐ろしいよね」
K
「体罰だもんなぁ。絶対イカンわ。おばあちゃんの少女時代に何があったのか想像すると地獄すぎる」
モノ「やっぱりボードゲームって、どこかしら多少は地獄みがあるもんなのよ(笑)」

6.The Fox In The Forest Duet (2020)

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モノ「二人用のトリックテイキングゲーム(カードゲームの一種。トランプでは"ハーツ"、"ブリッジ"などが有名)。ツイッター相互の方とFRIENDS(札幌のボードゲームスペース)に行ったときに見つけて、翌日には全部翻訳して遊べるようにした」
K「これ、確か前作 (The Fox In The Forest, 2017)も遊んでるよね」
モノ「そうそう。前作も同じようなルールの二人用トリックテイキングなんだけど、Duetは協力ゲームだというのが大きな違い」

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▲付属のマップにコマと宝石タイルを配置して、二人でトリックテイキングをプレイする(マストフォロー、切り札あり)。順番にカードを出して強さを比べてトリックの勝ち負けを判定。勝ったプレイヤーの方向へ進むコマを動かして宝石タイルを全て回収することが目的。動く歩数はカードによって変わり、行き止まりをオーバーする歩数が出るとペナルティ。

K「難易度としてはそこまで難しすぎず、ノーマルでもちょっと簡単かなってくらい。同じ協力系のカードゲームでも、"花火 (Hanabi, 2010)"とかと違って本腰入れて立ち向かう強敵っていう印象じゃないよね」
モノ「もちろん手札の内容を相談するのは禁止なんだけど、奇数のカードにだけ書かれている特殊能力を活用することによって相手に意思を伝達できるのが面白い」
K「『相手がこの能力を使ってきたってことは、これを出せってことかな?』みたいなね」
モノ「でも察せないからおかしなカード出して宝石横目に素通りっていう(笑)」
K「『ふーん、そうくるのね~』って思うけど一番わかってない(笑)」
モノ「悪いゲームじゃないんだけど、このすぐあとに同様の協力型トリックテイキングゲーム、"ザ・クルー (The Clue, 2020)"が出ちゃって、そっちに持っていかれた感はある。あっちは大人気ゲームだから」
K「ちょこっと遊ぶのには面白いゲームなんだけどね」

7.テラフォーミング・マーズ (Terraforming Mars, 2016)

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K「御存知、テラフォーミング・マーズ」
モノ
「ボドゲの中でもトップクラスに好きなゲームだったけど、これもソロプレイの経験が無かったのでやってみた」

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▲各プレイヤーは様々な特徴を持った地球の企業主となり、火星を生物の棲める星にするために何世代にも渡って開発を進めていく。アクションを支える大量のユニークカードがゲーム展開を毎度違ったものにする。酸素、気温、海洋面積の三つが規定値を超えたらゲームセット。いまでも拡張がリリースされ続けている、ここ数年ずっと人気のゲーム。

「ソロも面白いんだけど、個人的にはやっぱりちょっと物足りない印象があったかな。なんだか地味な雰囲気が漂ってた」
モノ
「アグリコラやワイナリーの四季は個人ボードを各自で発展させていくからソロでもあまり変わらないんだけど、テラフォはみんなで一つのボードを発展させていくゲームだから、ソロプレイは一人孤独に火星開拓している寂しさがあるかも」
「んだね。正直プレイ感はさほど変わらないから、本当に漂うムードだけの話。毎ラウンド明確に成長し続けていく気持ちよさは変わらないし」
モノ「テラフォはジレンマがそこまで強くなくて見通しがいい。毎ラウンド、そのとき出来ることをイケイケドンドンで全部やりきっていくシステムだから、『あの行動は要らなかった』『ああした方が良かった』はあっても『あそこはやりたいことが出来なかった』は少ない。このゲームが人気なのはそういうわかりやすい気持ちよさが大きい気がするんだよね」

8.バラージ (Barrage, 2019)

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モノ「バラージ、テーマや雰囲気は今年イチ好き」
「水力発電とダムの建設合戦っていう設定はユニークだよね。扱う資源が水だから、流れをせき止めて他人に回さないようにしたり、溢れて下流に流れて行ったりっていう動きが面白い」
モノ「面白いけど苦しい。テラフォとは真逆のジレンマ地獄」
「ただ、いろんな準備が整って、ようやく発電するって瞬間は嬉しいよね」
モノ「『ずっと息止めてるから水面に顔出したときは気持ちいい』みたいなマゾヒスティックな快感がある気がする。あと契約タイルを取っておくと発電したときにボーナスがもらえるのも嬉しい。ボーナスって好きなんだよね」

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▲アルプスを舞台にした水力エネルギー生産競争。各プレイヤーは国営企業のCEOとなり、発電所やダムを建設したり、構築した発電システムでエネルギーを生産していく。上流から下流に流れる水を制御する絡み合いや、建物を建てる際の資源は使い捨てではなく時間が経つと戻ってくるというシステムがユニーク。

モノ「そうそう。これもオートマがあって遊んでみたんだよね。けど、それが微妙で」
「まあ、ぶっちゃけ弱すぎるよね(笑)」
モノ「あまりに弱すぎて『こんなに弱いってことあるのか?ルール間違ってるんじゃないか?』って、俺、いろんな情報集めたのよ。なんなら海外の掲示板でも情報漁って。で、二か所くらい『間違ってたかな?』ってところを見つけたから再プレイしたけど……」
「やっぱり全然弱かった。そのあとに上級ルールでやったけどそれでも弱い。素人目に見ても『ここでその手を打つかね』っていうことばかりする。無駄に買い物しまくって最終的には重機余らせたり」
モノ「ひとつフォローしておくと、オートマの行動はタイルをめくって決めるから、そこのめくり運は絶対あるとは思う。たまたま引きが良すぎるのかもしれないな、と。あまりに酷くて毎回途中から『オートマ頑張れ!』って応援しちゃうもんな(笑)」
「まともな手を打ったら『やった!邪魔してくれた!』ってな(笑)」
モノ「『いいぞ!もっとちょうだい!』って(笑)でも俺、いまだに何かおかしいんじゃないかとちょっと思ってるのよね。弱すぎて」
「いや、あれだけ説明書やらなんやら確認してそれは無いって!」
モノ「あとは超上級モードにしたり拡張入れたりしたらどうなるかかな。まあ、来年はオートマにリベンジさせてあげようよ」
「ゲームそのものは面白いからね」

9.ブラス:ランカシャー (Brass: Lancashire, 2007)

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モノ「今年のソロプレイブームの到達点。ソロルールの無いゲームでさえソロで遊ぶっていう」
K
「『こうなったら、いま俺らの手元にあるゲーム、全部ソロルールがないか確認しよう』ってなったんだよね。どっかのハウスルールなんだっけ?」
モノ
「BGG(世界最大のボードゲームデータサイト、BoardGameGeekのこと)のフォーラムで見つけた。BGGで独自のソロルールを開発して紹介する人って結構いるんだけど、そういうハウスルールはどこまで出来がいいのか確認してみたくなったんだよね」

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▲産業革命時代のイングランドが舞台。プレイヤーは事業主となって、マップ上の町に鉄工所や港などの建物を建てたり、町と町をつなぐ販路を開拓したりして得点や収入を得ていく。ゲームは「運河の時代」と「鉄道の時代」の二部構成となっており、この切り替わりで大きく盤面が変わるのが特徴。資金繰りが苦しく、借金が必要になることもある。

K「まず準備が大変だったんでしょ?」
モノ「ルール作ったのは海外の人だから翻訳は当たり前として、このルールがオートマ方式(#1を参照)だから、オートマの動きを制御するカードを手作りしなきゃならなくて大変だったんだよね。全カード印刷してデッキ(山札)を作って。両面印刷のカード五十枚くらい?」
K「作ったな~!おうち時間のヒマに飽かせて!(笑)」
モノ「唸りをあげるインクジェットプリンター!『これが俺の自粛生活だ!』っていう(笑)」
二人「ゲラゲラ(笑)」
K「ここまでしてブラスのソロやった人、日本で俺らの他にいないんじゃないの?」
モノ「これが本邦初でしょ!ここで紹介しても他にマネする人いない気がするけど(笑)」
K「結果的にはまあまあ遊べたよね。バラージと同じく標準レベルは簡単すぎたけど、それでもよくシステム構築したなぁって感心したな」

10.ヌースフィヨルド (Nusfjord, 2017)

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モノ「アグリコラ、パッチワーク、オーディンの祝祭に続く、ウヴェ・ローゼンベルクゲーム第四弾」
「二人用アグリコラも入れたら第五弾。もう完全にデザイナー買い」
モノ「今年、カレイデッキ拡張 (Nusfjord: Plaice Deck, 2018)の日本語版が出るって知って、『こんなのがあるらしいけど、また拡張発売したら入手難になるのかな』って話したら……」
「『ヨ○バシで見つけた』って俺が即買ってった」
モノ「貸してあげるって言ってくれた優しい人もいたのよ。でもお前が買うならいいかって(笑)」
K「知らんかった(笑)まあ、いいけど」

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▲漁業会社のオーナーとなりノルウェーの漁村・ヌースフィヨルドを発展させていく、ウヴェお得意のワーカープレイスメントゲーム。「アグリコラ」や「オーディンの祝祭」と比較すると、資源やアクションの種類も少なく、プレイ感も中量級程度の軽さ。魚の収入システムが独特。毎回建てられる建物も変わるため、リプレイ性も十分。

モノ「個人的には長老カードの取りまわしが面白いかなぁと思ったな」
K「自分だけのアクションとして使えるんだけど、そのためには魚を長老に捧げないといけない。だから誰かが魚を場に売って供給してないと役に立たないんだよね」
モノ「逆にいうと、お金欲しさに魚を売ると、相手に固有のアクションを使われてしまうかもしれないっていうジレンマがある」
K「ただよくわかんないのがさ、長老は魚を三つ食わせたら一つ戻してくるんだよね。どういう理屈なんだっていう」
モノ「『あ!このじいさん、これで三つ目だ!吐くぞー!』って(笑)」
K「『こっちももうダメだ!吐く!』(笑)」
モノ「老体にどんな無茶させるんだっていう。老後の移住先にヌースフィヨルドは選ばないほうがいい(笑)」
K「禍々しい村ですわ」
モノ「『こんな村は無くなった方がいいな。じゃあ俺はナイトクラブを建てる!』だって(笑)」
二人「ゲラゲラ(笑)」

おわりに

K「こう振り返ってみると、なんだかんだで結構遊んだよね。ほとんど二人だけだったけど」
モノ「去年の暮れくらいから、流れがグッと重量級指向になって『重たいゲームでたくさん遊ぼう!』って買い込んだら、コロナが流行ってほとんど集まれなくなっちゃった。来年はせめて三人で遊んだりしたいなぁ」
K「状況見ると、まだしばらくはこんな感じかもしれないけどね。でも、まだまだ遊びつくしてないゲームは多いし、2021年もしばらくはこのままで楽しめると思うけど」
モノ「ああ、でもウヴェの新作”ハラータウ (Hallertau, 2020)”がそろそろ着弾しますんで……(笑)」
K「あ、ウヴェ先生がまた来ますか……(笑)」
モノ「いらっしゃいます……(笑)」
K「では魚を三匹用意してお待ちしています……(笑)」
二人「ゲラゲラ(笑)」

 以上、K君との今年の振り返り対談でした。次回は今年よく遊んだもう一人のプレイヤー、間宮豪気氏との対談で2020年を振り返る予定です(登場予定ゲームはグルームヘイヴン、アマルフィ、ルート……and more!!)。

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