いけばなは意外に間口がひろい ー百合の花粉ー
ユリは蕾の数だけ花開くので、
高価なようでコスパのよい花だと思っています。
けれどその際、気を付けたいのが花粉の問題。
「ユリの花粉が衣類につくと落ちない」という定説があって、
みなさん、嫌う方が多いですね。
たしかに、衣類に付着したら落とすのに苦労するので、
花弁が開いた直後に引き抜くのは賢明かも…と思います。
私はそうしています。
ユリの蕾がひらきかけ、
雄しべが確認できるようになったときはまだ、
花粉が飛ぶような状態ではないので、
ゆびで上部に向けてプチっとつまめば、
素手でも花粉は手につくことはありません。
けれど花びらがひらくほどに、
雄しべも成熟して粉っぽい状態に変化。
そうなると、活けたテーブルや接触した衣服などに付着する可能性も。
そういうことから、
花屋さんではまず開いたユリは雄しべを取り去ります。
けれど、私の師匠である刈米義雄は
雄しべの花粉がどんどん成熟してゆくさまを“美しい”と
取り去らずに残して活けることもあるそうです。
たしかに雄しべが膨らんでいく様は
エロティックですね。