触っていると、楽しいことをする。

脚本を書き始めて、1年半くらいが経ちました。
最初は書き方も一切分からない中で、シナリオの形をした、今思えば、とんでもなく(本当にとんでもなく笑)つまらないものを書いたときの楽しさ・歓びが忘れられなくて、今は脚本家として生きていこうと真剣に日々、あがいています。

今までも好きなものは沢山あって、その都度、ハマったり飽きたりを繰り返して色々やってきたのですが、長続きしているもの、あるいは真剣にやりたくなるほど、好きになるものって、もう、

触ってるだけで楽しい

ということに気づきました。

今の僕で言えば、まさに脚本はそういうものだと言えます。
好きなドラマを観て、気に入った台詞や面白い展開をメモするのだって、尊敬する脚本家の書いた脚本集を読むことだって、脚本家のインタビューを読んだり、日常を真似したりであったり。
脚本にまつわることに触れると、途端に楽しくなってきます。
心が少しウキウキしているのを感じて、それはちょうど、幼い頃に公園に行くと否が応でもテンションが上がってしまう、あの感じに似ています。あるいは、自家製の泥団子を命がけで作っていた、あの感覚に似ています。
頭で楽しいと理解する以前に、心と五感が喜んでしまう感じです。凄く抽象的な言い方で申し訳ないのですが、まさに漠然と、ただ嬉しい・楽しい感覚こそが、ここで言いたい「触っているだけで、楽しい」という感覚です。

もちろん、正直に言えば、今は本気で脚本一本で生きていこうと画策?しているため、辛いこともあります。しんどいなあ、不安だなあとか、色んな感情が自分の心の中に現れることがあります。

だけど、いくらお金や将来の不安が頭をもたげていたって、自分の書いているお話で、良い展開が思いついたり、ちょっとユーモアのある台詞を思いついたりすると、心が沸き立ってしまいます。
そのたびに思います。自分は脚本が好きなのかもしれないなって。

脚本と出会う前まで、

好きなことってなんだろう。

という悩みに悩まされ続けてきました。
きっと、今、そういう悩みを持ってらっしゃる方も多いと思います。
いろんなアプローチがあるとは思うのですが、個人的には、これらの経験から「とにかく触っているだけで、楽しいことをする」というのがいいんじゃないかな、と思ったりします。

そのためには、心をひらいて、風通しを良くして、心の浮き沈みをじっと見つめなければならないと思います。その過程は、ある時期の人にとっては大変かもしれませんが、それができれば、いつかきっと、心がふっと動くものに出会えるんじゃないかと思います。

触っているだけで、楽しくなれる。
そんな好きなものがあるだけで、勝ち負けとか、見栄とか、そういうものから離れられる感覚があります。

これを読んで下さったあなたが、素敵なものに出会えますように。

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