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"Cross"ー詩



私の両足が絶壁を離れる

望遠の視界の中 背中から
十字になった私の肢体が宙をいく

美しい落下線を描く
自らの姿が映る

この浮遊感
覚えがある

幾度となく経験したものだ

強い圧力に身体は怯え
不快感を訴えているけれど
私の心は覚えている

だから怖くはない

すべてから解放された私は
あと少しで短い旅を終える

無事に着地を遂げるかどうかは
誰も知らない




読んでくださってありがとうございます!