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『サラダ記念日』に惹かれた短歌ど素人が1時間で作った自己満10首

これだけ内容をタイトルに集約できたことは今までになかっただろう。


元々短歌には興味があり、たった31音で風景や物語を創作できる歌詠みには強い憧れがあった。その一方で、「短歌と俳句の違いって何?」「季語って何で必要なの?」といった超初歩的なことさえ分かっておらず、敷居が高いものとして、自分で作ることは勿論、この世の中に既にある短歌に触れることさえも諦めていた。(ちなみに、今調べたら季語が必要なのは「俳句」だけで、「短歌」には必要ないらしい。)


しかし一昨日、俵万智の『サラダ記念日』を読んで、たくさんの衝撃を受けた。先ほど書いたように、短歌の中での決まり事や常識をそもそも知らないから、良さを語るのは難しいが、ど素人である自分にも良さが感じられた。そして漠然と憧れだけを抱いていた自分にも何処か親近感が感じられた。情景の浮かびやすさ、場面の切り取り方、言葉のチョイスに完全に惹かれた。そして、この作品を読んで、初めて「自分も作ってみようかな」という気持ちになった。


勘違いしてはいけない。自分はど素人だ。恥ずかしい話だが、文章を書くようになって4年半を過ぎた今でも、言葉の正しい使い方、上手な表現の仕方を心得ていない。そんな奴が31音という制約の中で言葉を生かせるなんて思ってもいない。このブログでは、基本的に「自分が書きたいように書く」というのをモットーにしているのだが、そんな自分勝手な心持とノリで短歌を作ることは許されないだろう。せめて最低限のルールを知ってから作りなさいと怒られてしまう。


分かっている。しかし、やはり憧れがあるのだ!下手でもいい、気持ち悪いでもいい、センスないでもいい。何を言われてもいいから、一度は作ってみたかったのだ!短歌愛好家さん、今回ばかりは見逃してくだせぇ。


ということで、シャワーを浴び始めたとこからご飯を食べ終わるまでの1時間で作った自己満の10首。今回は夏っぽいものばっかになりました。次回があるかは分からないけど。1首でも、いや、1語でも、はたまた1音でも何か感じてくれるものがあれば、僕は幸せです。



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さよならも 言わずに駆ける 最後の日
白色のシャツと 夜色の爪


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蝉ほどの 嫌われ者に なれたなら
泣き叫ぶことも 許されるかな


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電話越し 緊張ただよう 君の声
僕の前には 酒とピーナッツ

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りんご飴 焼きとうもろこし わたがしと
夏の色って 結局何色


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逆さまの ベクトル散らばる 朝7時
スーツ姿と エスカレーター


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夜の散歩 1km先の コンビニに
サンダル履いた 踵は4つ


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シャンプーと 線香の匂い 夏の夕
前者は君の 後者は誰の


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「ありがとう」 君に言わせた 僕だから
きっと生きてゆく 価値あるはずさ


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雨弾く ビニール傘に 恋せども
 我の心は いつも混濁


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麦わらの 燥ぐシャボン玉 風吹いて
 独りの私の 目の前にある


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もっと言葉を知りたい。






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