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戦国時代じゃなくて良かった

~人の上に立つ対象となるべき人間の一言は、深き思慮をもってなすべきだ。軽率なことは言ってはならぬ。~






こちらは、上杉謙信の名言です。


言葉通り、人の上に立つ場合
いい加減なことを言わず
責任持って深く考えて
言葉を発しなければいけないという意味です。


戦国武将って名言が多いですよね。

未だに現代でも
確かにその通りだと感じるものが
多いです。


今回、上杉謙信の言葉が
身に染みた出来事がありましたので
そちらをお話しさせていただければと
思います。


皆様どうかお付き合いいただけないでしょうか?








私が小学生の頃です。


当時、チャンバラ
私達の間で流行っていました。


それぞれがお気に入りの
オモチャの剣や武器を持ち
ただ戦うのではなく
しっかりルールを持って
チャンバラをしていました。


ルールは
もちろん、親に散々言われて
顔付近へ危ない攻撃は禁止を大前提として。


体に攻撃を3回受けたら脱落
戦場は、それぞれの家の庭
ローテーションで回して決めていました。


田舎なので
みんなの家の庭がとても広いのです。


戦場となった家の子が
親分となり、庭のどこかに
大切にしている物を隠します。


2つのチームに分かれて
大切なものを制限時間までに
親分率いる守りきるチーム
見つけるチームで戦います。


ややこしい説明になってしまいましたが
要するに隠した宝物をチャンバラしながら
見つけるか守りきるかの戦い
となります。







私の家の庭が
チャンバラの戦場となった日のこと
です。


当然、戦場が私の家なので
私が親分となり
大切な物(親戚から貰った元中日ドラゴンズの井端選手のサインボール)を庭に隠しました。


そして、グーパーをして
チームに分かれました。


私のチームには
カズマくんという親友と何名かが
仲間となりました。


カズマくんは
相手を全滅させてやる
鼻息を荒くして
意気込んでいます。


私は、親分ですので
みんなに指示をして
それぞれの配置につかせました。


カズマくんだけ
私の相棒として、そばにいてもらいます。



敵は、全く動きを見せず
しばらく静寂が続きます。



カズマくんと私は
目を閉じて深呼吸をしながら
精神を統一していました。




すると、裏庭のほうで
何か物音が聞こえました。


私はカズマくんに指示をします。

「カズマ殿!急いで裏庭に行くのだ!」


カズマくんは
「はっ!」と言って
裏庭にものすごい勢いで走っていきました。


私は、その間
大きな泥団子を作り
裏庭に向かって投げました。


泥団子が落ちた方向を
敵が見た瞬間にカズマくんが
後ろから敵を斬るという作戦

瞬時に思い付いたからです。


私が投げた泥団子は
見事に崩れることなく
思った通りの方向に飛んで行きました。



私は裏庭に耳を澄まします。





すると、









「ナヴァアア!!」




という叫び声が聞こえました。


私は嫌な予感がして
急いで裏庭に行きます。


案の定、カズマくんが
うずくまりながら顔を抑えて
大泣きしていました。



やってしまった…
カズマくんごめん…
わざとじゃないんだ…


私はカズマくんの前で
膝から崩れ落ちて
カズマくんの手を強く握り
泣きながら謝りました。




すると、
カズマくんの悲鳴を聞いて
味方チームが集まってきました。


みんな、カズマくんと私が
大泣きしているのをみて絶句します。


「酷すぎる…」

「許せねえ!!」

「敵チームの野郎、いくらなんでもやり過ぎだ!!!」

「誰だ、こんなことをした奴は!?」











私です。





味方「みんな見ろ、泥がそこら中に落ちてる。
泥団子を投げた奴がいるんだ!
投げた奴、絶対許さねえ!
どこにいやがる!!」









ここにいます。







味方「くそ!まだ近くにいるはずだ!
隠れてねえで出てきやがれ!!」






犯人は逃げも隠れもしていません。
ずっとここにいます。










「おい!みんな見ろ!」


「カズマのTシャツが
めちゃくちゃ伸びてるぞ!!」


「きっと掴み合いの戦いになったんだ…」









それは、カズマくんが
裏庭に向かう前に気合いを入れて
自分のTシャツを引きちぎろうとしたけど
破けなかったことで伸びたのです。

カズマくんが自らやったものです。






私とカズマくんは
涙が収まって落ち着いてから
全てを話し、みんなの誤解が解けました。


そして、私の大切な宝物は
その間に相手チームに見つけられて
あっけなく負けてしまいました。






私は軽率な作戦や指示をすれば
味方を傷つけたり
混乱を招いたりしてしまうことを知り
今でも教訓にして
慎重に行動するようにしています。



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