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【マセマ数学 キャンパス・ゼミ】院試対策に使えるのか?王道の1冊

~この記事の対象者~
・大学院試験を控えている大学4年生(工学部、情報学部、理学部など)
・院試に向けて、早めに対策を始めたい大学1~3年生

「マセマ数学」「キャンパス・ゼミ」

この表紙をどこかで見かけた記憶がある人は多いでしょう。

学校の生協であったり、授業中に他の学生が開いていたり。

大学生向けの参考書というのはとても少ないので、必然とこのシリーズを皆手に取ります。

さて、今回は大学院試験対策において、このマセマ数学(微分積分・線形代数)の使用を検討している方に向けて記事を書いていきます。

マセマ数学、院試でも使えるのか?

よく見るだけに、「とりあえず自分もこれを手に取ってみよう」と思った人もいるでしょう。

中にはワラにもすがる気持ちで、マセマ数学を買ったという人もいるかもしれません。

確かに、パラパラとめくってみれば、明らかに大学の講義で使っているような教科書とは毛色が違います。

教科書に比べて、明らかに文字の量も少なく、スッキリとしています。

「これで本当に大丈夫なのか?」そう思う方もいるでしょう。

果たして、マセマ数学は院試対策に使えるのでしょうか。

もちろん使えます

結論、十分院試対策で役に立ちます

とはいえ、これだけでどの大学院の院試にも対応できるかというとそうとは言い切れません。

以下で、この参考書の弱みだと思うことを解説します。

内容が少ないのがデメリット

マセマシリーズは、「分かりやすく」というのを最優先に作られているので、講義で使用している教科書のようにマニアックな内容や複雑な計算が絡む問題は載っていません。

大学の講義というのは高校の授業とは異なり、使う教材や教える人によって内容が全く違うということもありえますので、マセマだけですべての大学院の試験範囲を網羅するのはやはり難しいです。

教科書に出てくるような細かい定義や原理を省いている箇所もあり、大学の先生の中には、あまりマセマをおすすめしない人も一定数存在するようです。

それでも、多くの人にはメリットのほうが大きい

とはいえ、基本的な内容やオーソドックスな問題はしっかりと取り上げられています。
以下に、マセマ数学より引用してきた、目次を一部載せています。

~目次(微分積分)~
1.数列と関数の極限
2.微分法とその応用
3.積分法とその応用
4.2変数関数の微分
5.2変数関数の重積分

"微分積分 キャンパス・ゼミ” マセマ出版社

~目次(線形代数)~
1.ベクトルと空間座標の基本
2.行列
3.行列式
4.連立1次方程式
5.線形空間(ベクトル空間)
6.線形写像
7.行列の対角化
8.ジョルダン標準形

"線形代数 キャンパス・ゼミ” マセマ出版社

微分積分・線形代数ともに、多くの試験で頻出の単元が盛り込んであります。

内容が少ないのがデメリットだと先ほど言いましたが、逆にこれはメリットでもあります。
なぜなら、もし試験範囲の内容がちんぷんかんぷんの状態で、いきなり教科書を読んだり、過去問に取り組んだところで、毎回知らないことが出てきて混乱してしまいます。

そこで、まずはじめにマセマ数学を一通り取り組んでおくことで、その教科の全体像が分かるので、より細かな試験対策に集中できるのは間違いないでしょう。

もともと講義で完全に理解していたという人以外は、まずマセマ数学で基本的な考え方を習得しておくのが近道です。

もしかしたら、講義では聞き逃していた重要なポイントに気付けるかもしれません。
また、「試験日ギリギリで出題範囲を終えられず残りの単元は捨てる」なんていう最悪の事態を防ぐことができるでしょう。

次に、実際にマセマ数学をどのように使って、院試対策をすればよいかを紹介します。

マセマ数学の使い方

マセマ数学の使い方について、試験日までに時間的な余裕がない人とある人の2パターンに分けて、それぞれ解説します。

時間に余裕がない人

・試験日まで残り1ヶ月を切っている
・数学以外の教科の対策がなかなかできていない

こんな状況の方たちは、なるべく効率重視で取り組む必要があります。

本書の「はじめに」では、まず1度通し読みをした後に、次は精読をし、各問題に取り組むことがすすめられていますが、試験までに残り時間が少ない人は、とりあえず「演習問題」「実践問題」に目を通してください。

これらの問題は基本的にその単元の最後に載っているので解説を読みながら、解き方を理解するために必要な知識を前のページから探すようにして、まずは全ての問題が解ける状態を作りましょう。

「演習問題」「実践問題」合わせて30問ちょっとなので、これだけなら1週間もかからないと思います。

すべての問題が一応解ける状態になったら、他の教科の対策をしつつ、実際に自身の受ける大学院の過去問を解いてみてください。

そして、そこで出題されていた問題でマセマにも載っている単元のところを、都度読み込んで理解を深めるという使い方がおすすめです。

時間に余裕がある人

まだ試験までにある程度の時間がある人や、既に過去問に取り組んでいるが抜けている知識がないか心配だという人は、本書の推奨する方法で取り組んでみるとよいでしょう。

1.明らかに試験範囲ではない部分を除いて、まずは一通り読んでみる。
2.次に、各テーマを精読しながら、途中で出てきた例題、演習問題、実践問題に取り組む。
3.間違った問題は解けるようになるまで繰り返し反復する。

各テーマの中には、問題にはなっていないけれど、解法として使える知識がたくさん載っています。
それらも、自分なりに「問題」として解けるようにしておくとさらに深い理解が得られるでしょう。

もちろん、すべての内容を完璧にする必要はありません

何度も言いますが、マセマシリーズのよいところは、全体像を素早く理解できるところなので、ある程度理解したら、より試験に出やすい範囲を教科書で勉強したり、過去問に取り組むことにしっかりと時間を使いましょう。

院試対策にマセマ数学を使用するときの注意点

マセマ数学を活用するうえでの注意点を書きます。

試験の出題傾向を分析する

マセマ数学に取り組む前にまず、自身が受ける大学院の出題範囲を把握することを忘れないようにしてください。

無駄な努力を省くためにも、「ここは絶対に出る!」「ここは例年出題されないな」という目星をつけて、効率よく取り組むことが大切です。

固執しすぎない

解法を完璧に丸暗記しても、全く同じ問題が出る確率は少ないです。

解き方の基本的な考えを理解しておけば、もし試験で見たことがない問題が出たときでも、落ち着いて問題に立ち向かえるはずです。

マセマ以外でおすすめの参考書

他にも、実際に自分が使用してみた経験のあるものを紹介します。

各マセマ数学の演習

こちらもマセマシリーズですが、各教科には演習バージョンが存在します。

演習が物足りないと感じたら、これらも活用すると、より多くの解法パターンをおさえることができます。

弱点克服シリーズ

例題ベースで解法を網羅的に身につけたい人におすすめです。

各問題ごとに、その単元で必要な知識の解説がされているので、効率よく、理解と演習に取り組むことができます。

筆者も、このシリーズを大学1年生の頃から愛用していました。

最後に

今回は、大学院試験の数学対策におすすめな参考書であるマセマ数学について書きました。

大学院合格に向けてより効果的に活用していただければ幸いです!


※当コンテンツには個人的な主観や意見が含まれていますので、最終的な判断は自己責任でお願いします。


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