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【東京】パークハイアット東京 宿泊記

2024年5月7日を以て、一時休業となったパークハイアット東京。
1994年の開業から30周年という節目を迎え、これから全面改修に入るのだそう。再オープンは2025年10月となる見込みでそれまではしばしのお別れとなります。

パークハイアット東京は私たち夫婦にとってハイアットグループとの最初の出会いでもありました。
その後は京都や北海道、果てはカンボジアなど、複数のパークハイアットに宿泊してきましたが、東京は私にとって"元祖パークハイアット"のような存在。
生まれ変わるのが楽しみな反面、少し寂しくもあります。

そこで全面改修に向けて一時休業を迎えたこのホテルでの思い出を少し振り返ってみたいと思います。


新宿パークタワー

西新宿の高層ビル群からは少しだけ離れた一角。
三角屋根が3つ連なる特徴的なデザインが目を引く新宿パークタワー。世界的建築家、丹下健三が手掛けた複合ビルです。
その上層階にパークハイアット東京はあります。

築30年のオフィスビルとは思えないほどHPに所有者のビルに対する愛着が滲み出ていますので、是非皆さんも目を通してみてください。
※ちなみに所有者は東京ガスです。意外ですよね。

西新宿の新宿パークタワー
ここの39階〜52階にパークハイアットは入居している

チェックイン

ホテルへ向かうエレベーター前のエントランス。
シンボリックなオブジェが出迎えてくれます。

やや怖めの笑みを浮かべています

首尾よくお迎えしてくれたベルの方と一緒にエレベーターに乗りレセプションのある41階へ。
燦々と日が降り注ぐガラス張りの三角屋根。
そして中央にはここが41階とは思えないほど鮮やかな緑。ピークラウンジやピークバーもこの階にあり、宿泊以外のゲストも多く訪れるフロアです。

手入れの行き届いたロビー階
階段さえも絵になる造り

サクッとチェックインの手続きを済ませて、早速お部屋へ向かいます。道中ではいくつかのアート作品がお出迎え。ユニークなグラフィックやオブジェなど多くのアートと出会えるのがこのホテルの特徴。

やや前衛的なアート

また物だけでなく空間にも細かく拘りを感じられるのがパークハイアット東京。同じロビー階にあるライブラリーはライティングの妙が感じられるアート空間です。

左右対称の美しいライブラリー
パークハイアット東京の代名詞の一つ

パークデラックスルーム

お部屋は50階のパークデラックスルームをアサインされました。再びエレベーターに乗り込みます。

客室階
グリーン基調でシックな廊下

55平米のゆったりとした空間。
入室すると左手にはクローゼット。
そこから地続きにバスルームへ繋がっており、奥にベッドルームが広がるオーソドックスな間取り。
まずはベッドルームをご紹介。

ベッドルーム全景

ベッドルームは真四角で一見独自性や面白みは感じられません。しかし一つ一つ見てみると細部への拘りを発見することができます。

TV回りにミニバー等が集約

TVボードやミニバーはシックな黒で統一。ちょっとした小物やアートがアクセントになっていて、まるでボード全体が額縁のよう。

本は一番美しく見えるよう全て並び順が
決まっているのだそう…
バックライトに照らされたミニバーのお酒たち

ベッドの頭上には葉っぱのオブジェが3つ並んでいて、部屋のノイズにならないさりげなさがちょうどいい。
ベッド自体は言うまでもなく最高の寝心地なのですが、私たちは基本的にどこのベッドて爆睡できるタイプなのであまり当てになりません。

キングベッドと葉っぱのオブジェ

窓際に置かれたガラステーブルは脚の部分がハープを演奏する手になっています。これは夜にふと気付いたら一瞬背筋が凍りそう。

ある意味これも代名詞の一つとなっているテーブルの脚(手)
怖い人には怖いであろう絶妙なグラフィックも

お部屋からの眺めは西側のビューでした。ポツンと建っている高層ビルはオペラシティ。
もし夜景や眺めに拘りたい場合は西向き以外を指定すれば何某かの夜景を楽しめるかと思います。

西側で目立つビルはオペラシティくらい
その先は世田谷区などの住宅街

続いてはバスルーム。
デザインはやや90年代調な印象かも?
とは言っても造りは贅沢そのもので不満を抱くような手抜きや汚れは一切ありません。

バスルームはシングルベイシン
奥にはクローゼット
アメニティはイソップで統一されています

面白いのはバスタブ。
左右をトイレとシャワールームに挟まれているのは珍しくありませんが、壁に対してバスタブが縦に配置されているユニークな造りです。

長辺ではなく短辺が壁と接するバスタブ
ここの頭上にもアート

プール

お部屋紹介は以上。
45階〜47階にあるスパエリアを覗いてみましょう。
スパエリアは正式には「クラブ オン ザ パーク」と呼ばれています。

ドレッシングルーム

まず45階にはスパ施設が集約されています。
ジャグジーやサウナ、マッサージルームはこの階。上の写真はドレッシングルームです。
ライトがオシャレで映画のセットみたい。

20m×8mのプール

何面彩光か分からないくらいに解放的なプール。
タイミングが悪いとスパ会員のアクアエクササイズとバッティングするので若干の混雑に注意が必要です。
ちなみにスパ会員になるには

  • 入会金200万円

  • 会員資格保証金300万円

  • 年会費36.3万円

がかかります。イニシャルコストだけで500万超え…それでも会員の方は結構いました(驚愕)

夕食

パークハイアット東京には素晴らしいダイニングがあるのですが…この時はインルームダイニングを選択。

フレッシュリングイネ 渡り蟹のソース
国産牛のすき焼き丼

味は言うまでもなく美味だったのですが、インルームダイニングと一緒に「明日のお天気情報」まで運ばれてきました。
ぶっちゃけ今どきTV付ければ天気予報が表示されるようなシステムはビジネスホテルにもたくさんあります。
が、情報提供の形を少し変えるだけで気配りや心遣いをより感じられますよね。
多分こういった一工夫がゲストのロイヤリティを上げているのだと思います。

明日のお天気が書かれたレター
何気ない心遣いを感じられるのが高級ホテル宿泊の醍醐味

バー

夕食ではダイニングを利用しませんでしたが、せっかくなのでバーへ行ってみることに。

再び夜のライブラリーを抜けていく

やってきたのは"ニューヨークバー"
51階から新宿の夜景を眺められ、ジャズの生演奏を楽しめます。欧米系の方が多い印象。

ニューヨークバー
程よい賑わいがこれまた良い雰囲気

例によって下戸な私たちですが、この時飲んだカクテルは一応アルコールだったと思います…笑

ニューヨークパンチ(左)とシープメドウ(右)
下戸でも飲めるやつ
ついでに頼んだアップルパイ

しばしバーでまったりと過ごした後、お部屋へ戻りました。
アップルパイで血糖値上がった影響か気持ちよく就寝。

ターンダウン済みのベッド
お部屋からの夜景

朝食

翌朝。朝食は41階の"ジランドール"で頂きます。
ここのダイニングには多くのファンがいるようで、特にディナーは大人気なのだそう。
結局今回の宿泊記では夕食利用しませんでしたが、是非リニューアル後にお邪魔したいですね。

ジランドール

ジランドールの朝食は基本ビュッフェ&卵料理のみオーダーという定番システム。
和朝食のオプションがあるのですが、こちらのみ事前予約制になっています。

バリエーション豊かなビュッフェ
ペストリーが美味しい
サーモンエッグベネディクト
シンプルな見た目の通り分かりやすい美味しさ
事前予約制の和朝食

和朝食は味は最高なのですが、提供までに少し時間がかかりました。この写真のほか焼き魚、湯豆腐までセットになっていてボリュームもあります。
もし朝食後に予定が詰まっている場合は提供時間も合わせて事前リクエストしたほうが良さそうです。

チェックアウト&あとがき

ホテルのチェックアウトタイムは12時。
ギリギリまで寛いでチェックアウトをしました。

今でこそ外資のホテルが乱立するようになった東京(日本)ですが、このホテルが進出した当時はほんの一部を除いてまだまだ高級ホテル不毛の国。

他の外資系高級ホテルに先駆けて日本に進出してきた言わばベテラン選手のパークハイアット東京は、その後の新興外資勢力の進出ラッシュにも負けることなく、30年間そのブランド価値を維持し続けました。
もちろん「昔に比べてサービスの質が」とか「設備が古くなってきた」と言った声も全く無いわけではありません。
しかし、西新宿という土地は未だに高級な外資ホテルが少ないんですよね。
もちろん土地の問題や投資の優先順位、エリアの需要など色々な要素はあると思いますが、間違いなくパークハイアット東京がこの地に君臨している影響も一因としてあるのではと思っています。
※少し前、近所にキンプトンが出来たけど、宿泊単価はまあまあ下がるのであまり競合しなさそう

2025年、間違いなく今よりも魅力的になって帰ってきてくれるであろうパークハイアット東京。
果たしてどんなホテルになるのか今から楽しみです。

映画「ロスト・イン・トランスレーション」

最後に余談ですが、実はこのホテルを主な舞台として撮影された映画があります。(2004年公開)
主演はビル・マーレイとスカーレット・ヨハンソンという超豪華キャスト。

映画の内容自体もエモーショナルで面白くおすすめです。
いくつかのサブスクでも視聴できるみたいなのでご興味ある方は是非!

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