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Pokémon GOの韓国のブランドフィルムがエモい

3月25日に韓国で公開したばかりのPokémon GOのブランドフィルムがエモいと現地で話題になっている。YouTubeやX、公式コミュニティなど様々なところから「泣いた」「感動的」などのコメントが相次いでいる。

今回のブランドフィルムは韓国でのリリース7周年を記念に公開された。
約3分程度の映像内容を簡単に説明すると「子どもの成長につれて少し疎遠になった息子と父が、Pokémon GOを媒介として久しぶりに仲良く遊ぶ」というストーリー仕立てになっている。(気になる方は日本語の字幕をONにして見てみてください)

キャッチフレーズも「一緒に過ごした思い出を、再び一緒に過ごす時間に…」で、これは心に響く素材としかいいようがない。後半にはPokémon GOチームプレイを説明する部分も入っていて、これもまた「一緒に」プレイすることを推している。

現代の消費者が企業や商品を支持するにあたり「自分の価値観がフィットしているか」が大きく影響を及ぼしている時代だ。ブランドの哲学やビジョン、目指すべき価値などのメッセージ、つまりブランドマニフェストを表現する映像が注目されているのも必然的な流れとも言える。

今回のPokémon GOが表現したかったメッセージは「家族と一緒にプレイできるゲーム」だ。一緒にゲームを遊べる仲間の中でも「家族」に対象を絞っていて、「子供」だけでなく「親」まで幅広い層が共感できる内容になっている。どちらかというと「親」の立場がよりグッとくるかもしれない。

前述しているとおり、Pokémon GOは韓国で7周年を迎えている。2017年リリース当時のメインユーザー層は20~30代だったが、7年が経った今彼らの多くは親世代になったり、子供が成長するシチューエーションを経験しているはずで、長らくPokémon GOを楽しんでいた彼らにはまさに自分の物語だ。
さらに、親の立場になった今Pokémon GOは、彼らにとって子供に安心して遊ばせる数少ないコンテンツでもある。まさに親が自ら検証した「家族と一緒にプレイできるゲーム」そのものだ。

実際、韓国の各コミュニティの反応を見てみると「息子と一緒にやりたい」「今息子は引退しているけど、いつか戻って来る日まで彼の分もやっている」「娘にもっと優しくしてあげなきゃという気持ちになった」「今度お母さんとやろう」など、まさに意図していたはずの反応で盛り上がりを見せている。
家族との絆は大多数の人々が共感しやすく、心に響く素材で安易に使われることもあるけど、その分かりやすさがちょうどいいかもしれない。


目線は少し違うけれど、Nintendo Switch 2024春のCMもテイストは似ている。ここでは成長に連れて少し気まずくなった兄弟が登場していて、Pokémonを通じて再び一緒に時間を過ごすストーリーになっている。

まるで空気のように、たまにはその存在を思い浮かべないこともあるけれど、ちょっとしたきっかけがあればまた一緒に幸せな時間を過ごせる古くて大切な関係。Pokémonは「ちょっとしたきっかけ」であり「その大切な関係」でもある。
大人から子供に、その子供が大人になったら、また子供に受け継がれるその絆こそ、Pokémonが目指すところだと思う。

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