泡(クレマ)

泡(クレマ)

ぬぐってあげよう
悲しみの泡(クレマ)を
すくってしまおう
赤く滴るラズベリの汁(ジュウ)を
僕らはそれさえも賞味していく

意味はあるのと聞かれたら
ないのかもしれない
どうなるのかと問われても
そんなこと分からない

淡々と積木を積んで
顔色一つ変えない僕らに
先にしびれをきらすのは
彼らの方だ

こちらに向かって 
次々と投げかける
哀れみのパイを
苛立ちの皿を

ぬぐってあげよう
悲しみの泡(クレマ)を
すくってしまおう
赤く滴るラズベリの汁(ジュウ)を
僕らはそれさえも賞味していく

僕らはもう大分ドロドロで
浴びせられるモノの全てには
呼びかける名前がない

誕生日 記念日
何一つ持たないで
橋を渡ったまま
戻らない僕らに
先にしびれをきらすのは
彼らの方だ

あちら側から
次々に投げかける
焦りのパイを
自意識のカップを

君はそこから目を逸らさない
僕らはどこまでいっても
とてつもなく孤独で
時折、どうしようもなく幸せだ
誰だってそうだろう?
誰も君を傷つけることはできない

ぬぐってあげよう
悲しみの泡(クレマ)を
なめてしまおう
赤く滴るラズベリの汁(ジュウ)を
僕らはそれさえも賞味していく

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