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エッセイ

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#エコ

旅から眺めるエコ④:省パッケージコスメ

2022年の9月にフランス、イタリアを訪れた際、「旅から眺めるエコ」と題して、いくつか環境に関するトピック(ゴミ削減など)をお届けしたが、今回はその2023年版。 私はオーガニックやナチュラルなプロダクト、もしくは環境に配慮したコンセプトを持つお店が好きで、旅先で覗くの楽しみの一つにもなっている。 今回(2023年9月)のフランスとイタリア旅行では、あまりお店を見て回る時間もなかったのだが、その中でも気になって購入したものがあり、紹介したい。 それは省パッケージのプロダ

ボトルと液の濃度でゴミ削減:イタリアの洗剤 solara の場合

前回、ティッシュペーパーの代わりに布ナプキンを使う試みについて書いて、勢いづいたので引続きエコに関して書きたい。 こないだキッチン用品のコーナーでsolaraソラーラというイタリア製の掃除用エコ洗剤をみかけ、海外へのノスタルジーから買ってしまった。 エコ洗剤というのは調べればきちんとしたカテゴリーがあるのかもしれないが、ここでは私が勝手に用いている呼称で、人や自然に対し刺激の少ない成分でできている、排水は生物分解される、香りづけに精油が使われている等、非常にざっくりしている

エコチャレンジ: 布のテーブルナプキン

生活や旅の中で、エコについて考えたことや選択を不定期に文章にしています。今回はティッシュペーパーの代わりに布製ナプキンを用いる試みです。 1. 日本のティッシュペーパーは安すぎる?こないだ、ティッシュペーパーの値上げに関する記事に付随して、そもそも外国ではティッシュが高いというコメントがあった。その人はアメリカを例にとり、箱ティッシュの3個パックが5ドルほどで、日本の倍近くする。日本では高品質なティッシュが安価であるが故にティッシュの消費量が多いとあり、なるほどなと思った。

旅から眺めるエコ③: フランス プラスチック削減年表

今回のイタリア・フランス旅日記では、機内のプラスチックの削減(エールフランス)やパッケージレスの店(イタリア)などに触れつつ、環境へのアクションが加速している様子を紹介しているが、個別の事例だけをあげてもあまり説得力がないようにも感じた。 そこで、今回は自分に一番馴染みのある国フランスを例に、2016年かのプラスチック削減政策を年表形式にまとめつつ、変化の様子を追っていきたい。 *** これ以前もレジ袋は有料だったので、無料配布の禁止でなく、レジで使い捨てプラ袋を渡すこ

旅から眺めるエコ②:詰め替え、量り売りの店

ベルガモの街は、丘のふもとにある駅を中心とした新市街・チッタ・バッサ(低い街の意、ベルガモ・バッサとも)と、世界遺産である丘の上の城壁都市チッタ・アルタ(高い街の意、またはベルガモ・アルタ)とに分かれている。ガイドブックに載り、主に観光客が訪れるのは主に旧市街チッタ・アルタの方であるが、夕方駅についた後、宿泊したホテルのあった新市街を散策してみると、かわいいカフェや、セレクトの本屋、ギャラリー、などこだわりのありそうな、個人の店が点在してなかなか楽しい。(ただし、地方都市なの

旅から眺めるエコ①:リサイクルデニム

前回の記事で、好きな店で期待していたほどのクオリティーではなかったが、急いでいたのでやむなくジーンズを買った、と書いたが、やはり以前購入したモデルが好きすぎて落胆していた。履いては脱いで、首をかしげ、しげしげと観察する。そこのジーンズはディテールの装飾が凝っていてかわいいので気に入っていたが、今回のものは経費削減か、省略されている。そして、何より生地が厚ぼったくなって、いまいちすきっとしない。カットは悪くないが、旅先で判断を誤ったかな、と思いつつ、裏返してタグを見つめる。する

旅のはじまり

いくつもの昼と夜との境を横断していく。 刻々と変わりゆく世界の中を、船は進んでいく。 今回の旅はそんな風に感じながらはじまった。 機内食のフォーク類からプラスチックが一掃されていた。メインの皿など、機能的に必要なものには残されていたが、フォーク類は木製、それらをセットしている袋は紙製になっていた。朝食はマチのある紙袋の中に、紙のランチボックスに入ったホットサンドやフルーツ(こちらはプラ容器)などがセットされており、何だかピクニックのようでかわいらしい。経費節減か、食事の味は

ミラノの市

 土曜の朝、ミラノ市中にたった市で、野菜を買うために並んでいた。  2020年の暮れに京都からパリへ戻り、今年の初めに家族でミラノへ越したばかりの友人のティナは、週に二回立つ市の中に既にお気に入りのスタンドを見つけていた。新鮮ないい野菜が揃うその売り場は、当然ティナ意外もひいきにしている人たちがいるわけで、常時二十人ほどの人が列をなして順番を待っている。  混んでいてもなんのその、店員たちは自分たちのペースで働く。手慣れているし、手際が悪いわけではない。馴染みの顔が現れれば