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“ジェンダー・ギャップ問題”立憲民主党代表選討論会の記録

立憲民主党代表選で、地方党員向けの討論会(北海道・福岡県・神奈川県)、党内自治体議員・女性・青年部向けの討論会、記者クラブ討論会、日テレ主催討論会、記者会見などの内容を書き出して、一本にまとめたものです。自分のメモで取っているので、ご本人の言い方と違う部分もありますが、ご本人の意図が伝わるように表現しています。

討論会発言まとめは→https://lush-kumichannelnews.bitfan.id/contents/40857

●泉健太 新代表

我が党は、枝野元代表が、ジェンダー平等推進担当者を置くことを指示しており、県連の選対委員長、又は副委員長に女性を入れる決まりにしている。現在でもどの党よりもジェンダーに手厚い内容にしてある。また、立憲では「ハラスメントハンドブック」というものも作って啓発に努めている。

バリテは実施して行きたいと考えている。まずは我が党に於いて女性議員の擁立を加速させることを考える。女性議員の比率を考えた時に、総選挙後が一番のスタートラインになる。比例の順位については、代表に就任後、必ず話し合いを行わせる。できないならできないで必ず理由をはっきりさせる。女性議員については、発掘・擁立・支援という段階で気をつけていく。

単身女性に働いて欲しいのであれば、それなりに整備を整えていかなくてはならないのではないか。性によって自然と世の中で分かれている男女の分業、について、固定観念から脱却するためのリーダーシップを、我々が取ろうと思っている。例えば「男性よ!家事をしよう!」とか。政治の側が、機会を捕まえて価値観の発信して行く必要があるかな、と思っている。

学校ではジェンダー平等の教育は既にされている。若い人達は実社会の遅れに対して声をあげている。若手の方が世界の流れに合っていると思うので、年配の人たちを巻き込んでやって行ってほしい。この分野は、大人達が、若い人達のビジョンに追いついていかなくてはならない。若い人と繋がりを深める面でも良い。

県連の中でも女性が少ないと、思うように話しにくいというのはあるのではないか。だから地方自治体にも女性議員を増やす。落選後のフォロー体制に、定期的に連絡を取ったりする慣習があってもいいと思った。

地方組織による、女性議員の皆さんが働きやすい環境であることを整備していく。女性の議員の候補について色々な相談に乗っていく。選挙はお子さんのことがあれば、街宣をするのが決まりということはない。党員の越境協力などで支援して行く。

零細企業であっても、それができるような経営をしていくべき。産休や育休についてについて、考えながらビジネスモデルを組んでいく意識が必要だと思っている。そのような社会を我が党のあり方から示してリードして行く。

女性に限らずだが、孤立対策・孤独対策、は心理的負担を取り除くということではない。低収入で暮らす単身女性が雇用の谷間に落ちた時に、必ず救われるセーフティネットが必要。我々は自民党と違って、世帯主義ではなく個人主義で一人一人に着目して行こうと思う。

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●逢坂誠二 代表代行

女性議員の皆さん、軽々しく言うつもりはないが、それぞれの議場でご苦労があると思う。故郷では昭和30年代の原さんと言う女性議員の活躍で、保育園が初めて作られたのを覚えている。しかし、世間では女性が議員になることは思いの外難しく、彼女が傑出した人だったと知るようになった。

自然科学の研究でも、女性の割合が日本は1割。海外は6割。能力に何の差がありましょうか。これは単に、日本社会がいかに女性の仕事を妨げる観念にあるか、直していくようにしないと発展はない。反対するのはほとんどが家族です。ご両親でもご主人でも。社会全体の理解をどう広げていくか。

男女の差別に限らず、異論や立場の違いを封じ込めるようではダメで、違いを認めてこその議決、それが民主的と言うこと。しかし言葉ほど簡単ではない。多様な人がいた方がいい。それは乱れではなく可能性である。画一的な場所では出てこない案が出る。やはりここでも、小さい頃からのジェンダー平等教育が必要と思う。

民主的であるか否か、と言うのは違いを認められるか否か。そして、この選択肢のみで良いかどうか?と言う段階になってから決議をするのが議会。違った考え方を明らかにし、ちゃんと俎上に上げるプロセスが大事で、そうでなければ民主的ではない。

しかし私的には、比例の順位を女性上位と決めるのは、悩ましい。長く頑張っている男性議員を無視できないから。男女逆不平等になってしまうような見え方は、返って評価制度を問われそうな気がしている。

古代の文明の話ですが、繁栄しても突然に消える文明、後世に何かを残す文明、という差はどこにあるか。硬直した組織というのは、必ず廃れて行く。文明も倒れてしまう。我々は、様々な考え方と交流して発信して行くことで、世の中に多様性を問う。

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●西村ちなみ 幹事長

それぞれの政党の本気度が問われる。目標数値をパリテ、に設定したいと思っています。今頑張っている女性議員を照らし、次に続く世代を励まし元気を分けていくことができる。ジェンダー教育は男性のためにも良いこと。多様性を疎まず解決を試みれば、他の人にも良い社会になる。

比例順位を女性1位にすると言うのは私は気持ち的にはやりたい。特に新人女性候補に対して行いたい。参議院議員選挙には女性を多く擁立していくように努力したいと思っている。また執行役員に女性を多く登用するなどして、目に見えるように設定することで、自治体にもその風潮を広げて行く。

働く女性の活躍を促進するために何をすればいいか。家庭的責任を負っている女性。子供の世話・親の介護など、負担は常に重い。そこで社会にアウトソースした時の費用(ベビーシッター、ヘルパー、など)を後方支援すると言うことは、政治にもできると思う。

また、地方自治体の議員であれば、移動時間などの負担が少なく、生活に密着しているので、女性の方にもどんどん、チャレンジしていただきたい。選挙の時は色々なハラスメントもあって大変。海外はNPOが女性候補者のリストを作って政党に売り込む、と言うこともやっているようだ。仲間を大事にする党として、みんなで女性議員の悩みを共有していくように設定したい。

女性のみならず性的マイノリティの人権法案については、稲田朋美さんと議論させていただいたが、成立させることができなかった。これは人権問題であるので、必ず実現したい。

典型的で問題のないモデル世帯によって制約される生き方、典型想定での政策が現在まで徹底している。がんじがらめになっている社会保障を、全ての人にフェアであるように変えて行く必要がある。個人の人生がどうして自分が選択した覚えのない事で制約されてしまうのか、その能力や意欲のある人の苦しみを解決したいと思っている。

人権を大切に、理不尽を許さない世界。変えるのはそうそう簡単ではない。よくよく観察して、できるところから改善して行く必要がある。女性活躍の土台が出来ていないと言うのは事実だが、その前に、一つ一つ人権問題を解決していくことが先だと考えている。ジェンダーの問題は社会的弱者や先入観全体の問題に作用する。

労働者の4割が非正規。非正規とはいえフルタイムで、副業ではない。ほぼメインの収入源と捉えてほしい。女性の非正規180万人がコロナでシフトが減り、実質的失業しているそうで、由々しき事態。更にこの中で一人暮らしで貯蓄がないというのは20代で5割、30代で3割です。女性の賃金は相対的に低い。男女間の賃金格差はまさにこの場合、「生き死にの問題」であるので、真剣に考えて貰いたい。 

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●小川淳也 政調会長

日本のジェンダー順位の低さは先進国として非常に気になる。高度経済成長期における価値観?生涯勤務で男女差は約一億円の収入差と言われれば、人権の問題・差別の問題と捉えて議論すべきと思う。持続社会のためには構造のことばかり考えていたが、構造の脆弱性に、性質としてのジェンダー問題が含まれると気がついた。

若い方からよく訴えがあり、子供の少ない世代で、現役世代の女性に、介護を含むかなりの負荷がかかっているような気がした。持続可能社会が崩壊しているからこそ、細やかな今日を守りたい、という反動的保守に流れざるを得ない。追い込んでしまっている。

私の妻も、次に生まれ変わるなら男がいいと言ったらしい。それを聞いて愕然とした。今まで自分の妻が女性として抑圧を感じていただなんて知らなかった。元々は得意な分野ではないが無頓着であった。というか、見識や結論が少ないので気がつくことを言って行く。

世界を見渡してコロナ対策を頑張ったのも、女性の首長ばかり。生活実感・生活感情から根の生えたような政治が良い結果を生んでいる。女性の思慮や決断が含まれないと世の中おかしくなるのだ。女性はこの社会のいびつな構造に、直感的に反応しておられる。

「ジェンダー平等はなぜ必要だと思いますか?」と東京新聞の望月記者に問われて答えられなかった。そんな質問が出ない世の中がいいなと思った。今の世界が正常でないことだけは感触からわかる。女性が意思決定の場に数多く居てくれることが大切だ。日本ではまだまだ、全然、女性議員が足りない。

パリテ実施。もしくはクオーター制度導入などへの検討、意思決定の場に女性を半数というメッセージは、とても良いと思う。だから私も西村さん同様、比例名簿、男女交互がいいのではないかと思う。男性から逆差別という言葉が飛ぶと思うが、実質的な差別がなくなるまでは続けてもいいのではないかと思う。

党職員も女性を増やしたらいいでしょう。折角、決意を固めてくれた女性候補については、物心両面の支援を乗せて逆差別してもいいかも。公認料を積み増ししたりする優遇はどうだろうか?

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▼こちらの下部に分厚い164ページに及ぶPDF(A3で84頁)があるのだが、
泉代表が政調会長として編纂されたので泉さんの頭の中はこのようになっている。というか、ヒアリングや各部会で出てきたことが全部書いてある感じです。
https://cdp-japan.jp/news/20211014_2344

ジェンダー平等ついては、冊子「立憲民主党政策集2021」の15- 26頁(掲載のPDFの9-14  頁)に、細かい内容が記されています。

※HP政策集2021ジェンダー平等▶︎https://cdp-japan.jp/visions/policies2021/07

分量が多いので重点政策のみ掲載しますが、細部の方がずっと面白いので、ぜひ全文読んでみてください。

《重点政策》
○個人の尊厳と両性の本質的平等を実現するため、民法を改正し選択的夫婦別姓を導入 します。
○今なお残る、女性にだけある再婚禁止期間を廃止します。 

○個人通報制度や調査制度を定める女性差別撤廃条約の選択議定書を批准し、ジェンダー不平等な法制度を見直し、ジェンダー平等を実現するための法整備を進めます。 

○DVや性犯罪被害、家族破綻、貧困、障がい、社会的孤立など、さまざまな困難を抱えた 若年女性が増えているにもかかわらず、法律の狭間にあって適切な支援を受けにくい状 況が指摘されています。切れ目なく人生のそれぞれの段階で適切な支援が受けられるよう 、包 括 的 な 体 制 を 構 築 し ま す 。 

○売春防止法を根拠とする婦人保護事業を見直し、困難を抱える若年女性の支援を可能とする総合的支援事業が可能となるよう、法整備を進めます。 

○子どもを性暴力から守るため、被害者の同意の有無にかかわらず強制性交等罪等が成立する年齢(いわゆる性交同意年齢)を現行の13歳未満から16歳未満に引き上げる刑法改正を実現します。 

○性犯罪刑法改正について、被害実態を踏まえるとともに、捜査・司法運用の実態を検証した上、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件のあり方、地位・関係性を利用した犯 罪類型のあり方、強制性交等罪の対象となる行為の範囲、法定刑のあり方、配偶者間等 でも強制性交等罪が成立する確認規定のあり方、性的姿態の撮影行為に対する処罰規定のあり方、公訴時効のあり方、いわゆる「レイプシールド」(被害者の性的活動歴 に つ いての証拠又は質問に関する制限)のあり方、司法面接の証拠法上の取り扱いのあり方等について検討を進めます。
○すべての人のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ( 性と生殖に関する健康と権利)の実現を目指します。
○同一価値労働同一賃金を法定化します。
○セクハラ、マタハラ、パワハラ、パタハラ(パタニティ・ハラスメント:育児のために休暇や時短勤務を希望する男性に対する嫌がらせ)などあらゆるハラスメントを禁止するとともに、防止のための職場環境を整備します。 

○政治分野でのジェンダー平等実現にむけて国政選挙においてクオータ制を導入し、男女半々の議会「パリテ」の実現を目指します。人口の半分を占める女性が政策を立案 し、決定する政治の場に参画し、より多様な声が公平に反映され、だれもが生きやすい 社 会 を 実 現 し ま す。

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<縄文時代の王座は一人ではなく夫婦で成り立つ>

縄文時代には既に存在した雛祭り。内裏雛は、ジェンダー包括政治の象徴。縄文時代の皇家(神代)は、夫婦男女一対で政を行った。そのバランスの威力たるや、縄文の文明は平和に1万年以上続き、世界各国から研究の対象となっているのである。

寝所ではなく宮中にて仕事をされた妻は中宮と呼ばれ、のちに正妻の意味になったが、元々は宮中に入られて執政を手伝う事から、そう呼ばれたらしい。





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