5月26日(土)

目がさめない中にラヂヲをかけたので目がさめる。           疲れてゐたので少しでも眠り度いと思つてゐたのに。          「うるさい、人が眠つてゐるか起きてゐるかわからんのか」と言つたら  「お父さんはクラシツクが好きだから静かに聞かせようと思つた」と言ふ。「馬鹿野郎ッ疲れてるのにクラシツクがあるか 眠る事が大事だと思わぬか バカヤロー」と 朝からこれである。               君代も、気のきかない話だし、俺も、大人げない事を 思つたり言つたりしたものだ。                             こんな悪態は、母性をいためる事だ今母にならんとしてゐる君代をブジョクし自信を失わせてしまふ結果でしかない。               それは おそろしい事であり、注意を要する。

娘からの注:                            『感情をあらはにすべからず』という自戒はどこへ行ってしまった…しかし、これは母のやることがトンチンカンすぎる。

父がクラシックが好きだとは知らなかった。私の覚えているかぎりでは民謡のカセットテープを買ったり、ラジカセでTV録音のやり方を兄に教わったりしながら集めて聴いていた。ステレオは私がものごころつく頃には家にあったが、あまり使われていなかった。「定年後にゆっくり音楽を聴く」つもりで使わないでいたようだ。結局それは時代遅れになり捨てられて、72才で完全退職した記念に78回転のレコードも聴けるプレーヤーとWカセットデッキのついた「ミニコンポ」を母と兄がお金を出し合ってプレゼントしたが、そのころにはあまり音楽を自分から選んで聴くようなことはしなくなり、ラジオを小さな音でかけっぱなしにしていた。

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