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モンゴル発・観光スタートアップ「iHotel」はコロナ禍で苦しむホテル業界特化SaaS「ホテルイノベーションプラットフォーム」を展開!

モンゴル注目のスタートアップを発信するこのnote。
第2弾は、ホテル業界向けSaaSなど、観光関連サービスを複数展開するiHotelのCEOであるゾルコさんにインタビューしました。

【会社概要】
 社名  :iHotel LLC
 分野  :観光関連サービス(ホテル業界向けSaaS等)
 HP     :https://ihotel.mn/
 Facebook:https://www.facebook.com/ihotel.mn
 設立年月 :2018年
 従業員数 :10名

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■ ZOLKO Batmunkh(ゾルコ・バットムンフ) CEO & Co-founder
学生時代はIT Manegementを専攻。2014年まで郵便会社に勤務後、2014年にホテル経営コンサルティング会社創業。その後、同社を2018年にiHotel LLCとして再創業。
個人としては、2014年にForbes Mongolia Under 30の30人のうちの一人として選出され、2020年にはウランバートル市のMost Outstanding Youthとして表彰されている。また、2020年にはモンゴル青年会議所の代表も勤められていた。
iHotel LLC は2019年にスタートアップ・グルーバルコンペティション「Seedstars」のモンゴル予選で優勝しており、成長著しいスタートアップの一つである。

・起業のきっかけ

大草原が広がり、今も遊牧民が暮らす国モンゴル。ゴビ砂漠や世界で2番目に透明度の高いフブスグル湖など、観光産業のポテンシャルも高いと言われていますが、なぜゾルコさんは観光分野で起業を決意したのか聞いてみました。

ゾルコ「私の祖母はモンゴルの首都ウランバートル市内でホテル経営を行っていたのですが、中々収益が上がらず経営に困っていました。祖母のホテルを救うため、2014年にホテル業界向け経営コンサルティング事業を始めました。事業開始後に、祖母のホテルがBooking.comなどの大手ホテル予約サイトに掲載していないこと(ホテル予約がオンライン化されていないこと)が経営難の原因だと気付きました。その後、モンゴルのホテル業界を調べていると、モンゴルにおける旅行者の8割はオンラインでホテル予約をしているにも関わらず、ホテル・ツーリストキャンプの1割しかオンライン予約に対応していないという課題があることに気付きました。この課題を解決すべく、ホテル業界向けのSaaSビジネス(オンライン予約チャンネルとの接続、予約マネジメント効率化)を開始することにしました。」

ゾルコCEOによる事業紹介(1分間ピッチ)はこちら。

・事業概要

iHotel LLCでは、主に3つの事業を展開しています。
①ホテル業界向けSaaS事業
②旅行者向けオンラインホテル予約サービス事業
③旅行者向けモンゴル観光案内サービス事業
以下、それぞれの事業について、詳細を聞いてみました。

①ホテル業界向けSaaS事業
ゾルコ「モンゴルのホテル・ツーリストキャンプ業界では、オンライン化が進んでいない、日常業務が全て手動でミスが多く効率的でない、などの課題があります。我々の開発した、ホテルイノベーションプラットフォームを活用いただく事で、クライアント様は売上向上、経営効率化の2つを同時に達成することが出来ます。我々のサービスでは、一つのプラットフォームを通じて下記の機能を活用することが出来ます。
・外部の予約チャネルとの連結
・予約の一元管理システム
・会計・経理システム
・チャットメッセージサービス
我々のサービスの強みは、シンプルであり、誰でも簡単に使いこなすことが出来る点です。本サービスは既に470以上のクライアント様に活用頂いております。なお、本サービスはサブスクリプションモデルで販売しており、部屋数、機能数に応じた金額設定を行っています(1部屋ごとに月額約40円)。今年は、コロナ禍で苦しむホテル・ツーリスト業界向けに、本サービスを無料で提供しています。

ホテル業界向けSaaS事業のイメージ画像↓

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②旅行者向けオンラインホテル予約サービス事業
ゾルコ「本事業は主に、国内外の観光客向けに展開しています。非常にシンプルなUI/UX設計にしており、ユーザーは簡単に予約手続きを行うことが出来ます。なお、新型コロナウイルスの影響で多くのホテル・ツーリストキャンプが日々の資金繰りに苦しんでいることを踏まえ、今年1月から「Cheap&Restキャンペーン(観光客は50%OFFの金額で宿泊数のみ選んで事前予約・決済し、宿泊日は後日決定可能。ホテル側は予約時点で収入確保が可能。)」を開始しました。このキャンペーンはモンゴル自然環境・観光省と連携した取り組みであり、多くのお客様にご利用頂いております。」

旅行者向けオンラインホテル予約サービスのURLとイメージ画像↓

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③旅行者向けモンゴル観光案内サービス事業
ゾルコ「本事業はモンゴル自然環境・観光省から受託しており、モンゴル国内外の観光客に対して、観光名所の紹介を行うモバイルアプリケーションです。今後、観光パンフレットなどとも連携させる予定であり、モンゴルの観光産業の促進に向けた重要な事業の一つです。」

旅行者向けモンゴル観光案内モバイルアプリケーションのStore ページとイメージ画像↓

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・今後の展望

モンゴルのホテル業界にイノベーションを起こしつつあり、スタートアップバトルでも好成績を納めているiHotelですが、最後に今後の展望について伺いしました。

ゾルコ「モンゴルのようにホテルのオンライン予約対応や経営効率化が進んでいない国は世界中に沢山あります。我々は特にベトナムやフィリピンなどの東南アジアでのビジネス展開を検討しており、2019年にはシンガポールに拠点も設立しております。現在は、モンゴル発のフィンテックスタートアップとも連携し、資金面のサポートなども含めたホテル業界向けのサービス展開を進めているところです。」

スイス発のスタートアップ・グルーバルコンペティション「Seedstars」において、2019年にモンゴル予選で優勝し、地域大会に出場した際のピッチ動画はこちら。

・インタビューを終えて

モンゴルの観光産業の発展には、今後同社を中心とした観光スタートアップが政府など関係機関と連携した活動を国内外で行っていくことが非常に重要になるだろうと改めて感じました。iHotelは、同業界のリーダーとしての責任感も強く、無料でホテル業界向けSaaS事業を提供するなど、既に業界全体の成長を考える視座を有していることにも感銘を受けました。また、市場の大きい東南アジア地域での展開にも既に取り組まれており、今後も更なる事業拡大が楽しみです!

同社から提供いただいたモンゴルの雄大な自然、文化を感じることの出来る写真をいくつか最後に貼ります。モンゴル観光に興味の湧いた方は是非コメント・シェアなどお願いします!

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取材・文責:TG@モンゴル


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