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卯月二十八日 【宣伝】「怪と幽」10号発売です。

 北国をウロウロしている間に「怪と幽」の最新号が発売されていました。
 今回の特集テーマは「呪術」です。

 特集の劈頭を飾る小松和彦先生のインタビュー記事を担当しました。お読みになれば呪術そのものの概略や研究史がざっと理解できるものと思います。
 また、呪術とお国柄の関係をわかりやすくお話くださった加門七海さんと角悠介先生の対談のまとめも担当しています。呪術表現の形態と民間識字率の関係など、非常に興味深いお話が満載ですよ。おすすめです。
 
 特集以外では東雅夫さんの「スポットライトは焼酎火」コーナーのまとめをしました。今回のゲストはイラストレーターの玉川麻依さんです。狼画で知られる玉川さんですが、最初はごく偶然手掛けたとか。ある種シャーマン的な体質を持つ画家が生涯のテーマと出会う過程など、なかなかエキサイティングなお話を聞くことが出来ました。蛇女を描いていたら腕に鱗が生えた話とか(笑)。

 また、編集を担当している巻頭イラストと怪談実話、研究会レポートのラインナップは以下の通りです。

【令和画図百鬼】 すり餌さん「姑獲鳥」
 すり餌さんのイラストはTwitterでもご覧になれます。ぜひフォローしてみください。私は日々楽しんでおります。現代的な日本画の要素が強い作風、眼福です。

【とびきり怪談実話】
雨宮淳司さん「一畳三千円」
城谷歩さん「赤いドレス」
寺崎美紅さん「知らない方が」
 寺崎さんは今回が初めての怪談実話執筆ということで、ご自身が体験した不思議な話を三話ご紹介くださいました。“感じる”といろいろ大変そうです。
 雨宮さんの作品は、地元の薄気味悪い下宿が舞台の話です。偶然が重なり、まるで導かれるように聞くことになった怪談。その裏には昭和の歴史があったようで。さすがの内容でした。
 城谷さんは持ちネタを語るようにお書きになりました。人形系怪談です。人形系がトラウマの私としては「こわいよ~ でも続きも知りたい~」って感じなので、近々ライブに伺いたいと思います。

【研究会レポート最前線】
国際日本文化研究センター 安井眞奈美先生「日本大衆文化研究の最前線 六年間の総括シンポジウム」
東アジア恠異学会 久禮旦雄先生「東アジアの卜占と怪異学の視点」
異類の会 御田鍬氏「未知への様々なアプローチ」
怪異怪談研究会 山川志典先生「怪異怪談研究会、結成十年につき」
怪談文芸研究会 門脇大先生「近世怪談の始原へ」

 研究会レポートはそれぞれの会の個性がよく表れた内容になっています。異類の会と怪談文芸研究会の研究会はオンラインもあるオープンスタイルなので、Twitterなどで情報をチェックの上、参加されてはどうでしょうか。お化けの学問の楽しさ、もっと広まるといいなと思います。


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