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癸卯文月 小暑 鷹乃学習の間

十八日
 久しぶりに三連休を堪能したせいか、昨夜は勤め人時代のような「連休最終日ブルー」に陥る。なにやら懐かしい心地がした。
 払暁、蝉の鳴き声で目覚め、そのまま起床。午前の涼しいうちに今日のノルマを片付けるつもりが、7時になる頃の室温がすでに30度。これでは仕事にならぬとエアコンをつける。

十九日
 午前はあいかわらずの気温。だが、午後になって風が強くなり、少し暑気が払われた。こんな夕べは海辺に出ると夏の良さを思い出せるのだろう。

城ヶ島

二十日
 ここのところどうも夢見が悪い。
 原稿を書いたり、取材をしたり、とにかく仕事をしている夢ばかり見る。
この手の夢のなにが腹立つって、どれだけやっても成果物は残らないところだ。その癖、疲労感だけはばっちりあるんだから、文字通り骨折り損のくたびれ儲けである。
 泥のように眠る、は若さの特権だったらしい。知っていれば、もっとたっぷり寝ておいたのに。

ヒュプノスの加護も遠のく五十路かな

廿一日
猛暑落ち着き朝は涼風が。

朝露

 今日は久しぶりのストリップ鑑賞。花房観音さんに誘ってもらい、川崎ロック座に行ってきた。ここは二度目である。お目当ては推しダンサーの若林美保さん。今回の演目は夏の夕べに汗をかいて……という設定で、肩肌脱いで身を拭うシーンなど島成園の「化粧」を彷彿させる艶姿。そして、鍛えられた筋肉美。いつ見ても惚れ惚れする。ボディビルなどのムキムキとは違い、しなやかな牝鹿のようなお体だ。あと、登場時のお出かけ浴衣と水浴シーンでの湯帷子ゆかたびらをきちんと着分けることで場面を切り替えておられるのがさすがだなと思った。しかも柄の渋いこと。かっこいい。細部まで行き届いた舞台は実に楽しい。

 また、今回初めて見た桜庭うれあさんの舞台も素晴らしかった。アクション映画にインスパイアされた内容で、洗練されたコリオグラフィーとそれをバシッと決める身体能力の高さに目を見張った。本気のストリート系ダンスである。ちょっと平手友梨奈さんを思い出したものだった。そして、小道具の使い方が抜群にうまい。「あ、それはあのシーンの!」みたいなのが随所にあり、しかもその映画に通底するギリギリの世界で生きるものたちの焦燥感や切なさが動きや表情で表現されていて、気付けば身を乗り出して舞台を凝視していた。桜庭さんの舞台、またいずれ見てみたい。

 花房さん、お声がけありがとうございました。

廿二日
 家事日。朝五時から始めると昼前にはすべて終わる。一週間の終わり、家がすっきりするとやれやれ、といった心持ちに。
 夕方、少し暑さが和らいだのを見計らってお買い物に。近所のスーパーでゴーヤもズッキーニも売っていなくて衝撃を受ける。
 やはりすかなごっそに行かねばならぬか。夏野菜、出ざかりだろうな。

 明日から大暑、と思ったら梅雨も明けたそうな。いよいよ夏本番って話なのだろうが、リハーサル期間だけでもう十分本番感ありありだったので、ここから先はそれほど本気出さなくていいんじゃないかな、今夏の神様。


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