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なんちゃっていねい生活 都会に近い田舎に住もう

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関東の小都市・神奈川県横須賀市在住の文筆家が、なんちゃってな「ていねい生活」の日々を綴ります。スキやシェアしてもらうと面白いことがあるかも!
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#なんちゃっていねい生活

小さな旅行記 2024冬北海道行(6)

 北海道三日目は移動日です。  一気に札幌まで行ってしまいます。  交通手段? もちろん電車に決まっているじゃないですか。  JR石北本線を走るオホーツク2号で5時間ちょっとの鉄旅です。もうワクワクしかない。  5時58分と早朝の出発なので、前日にコンビニで朝食を購入しておきました。さすがに朝っぱらから飲む気はおきず、今回は呑み鉄旅はおあずけ。ちょっと残念。でも、飲むと確実に寝ちゃっただろうから、よしとしましょう。  ここからは車窓からの風景をお楽しみ下さい。  途中、一

小さな旅行記 2024冬北海道行(4)

   北浜駅から網走駅に戻りました。  ここでも本日の重要ミッションが一つあります。  それは駅弁の購入。本日の夕飯は名物駅弁「磯宴」にすると決めていました。北海道の海鮮系駅弁は蟹がメインなのは定番ですが、こちらの蟹弁はちょっと一味違う。  まずは公式サイトに載っている「磯宴」を御覧じろ。  うん、まあおいしそうですよね。  では実物はどうでしょうか?  さあ、ドン!!  実物の方が豪華で美味しそうって、どういうこと???(笑)  さすがに食べずにはおられないでしょう?

小さな旅行記 2024冬北海道行(5)

 二日目午後。いよいよ憧れ(?)の網走監獄に向かいました。  ホテル近くの停留所からバスが出ているのでアクセスも良好です。  さて、網走監獄と聞いて何が思い浮ぶでしょうか?  映画「網走番外地」?  それとも漫画「ゴールデンカムイ」?  世代によって差がありそうですが、私は映画でここを知り、脱獄王のドキュメンタリー番組か何かでずっと興味津々だったのに金カムでとどめを刺された、という感じでした。元々明治時代の洋館建築が好きなのもあり、一度は訪れたい場所だったのです。  幸い

小さな旅行記 2024冬北海道行(3)

初回はこちら↓。  網走二日目は以前から行きたくて仕方なかった場所二箇所へ行きます。  午前はオホーツク海に一番近い駅「北浜駅」へ。   午後は、昭和なら「網走番外地」今なら「ゴールデンカムイ」で有名な網走監獄へ。  北浜駅を知ったのは鉄道雑誌の特集記事かなにかだったように記憶しています。  その昔、伊勢志摩に行った際に海の間際を走る近鉄電車に乗車して以来、海辺を走る電車が大好きになってしまい、すっかり海傍駅が私の乗り鉄テーマの一つになりました。ちなみに昨年は四国の下灘

小さな旅行記 2024冬北海道行(2)

初回はこちら↓。  そういえば昨日は触れていませんでした。  我が旅の標準スペックは以下の通りです。  ・ひとり旅  ・公共交通機関使用(ペーパードライバーなので運転しない)  ・宿は安宿、食事は地元飯、温泉は大きさより掛け流し優先  ・旅行中一度はドカンと贅沢  こんな感じですので、同じようなつつましい旅が好き方なら参考にしてもらえるような情報はあるかもしれません。(2024年3月現在の情報)    というわけで、網走1日目午後。  網走駅前で空港連絡バスを降りたあと、す

小さな旅行記 2024冬北海道行(1)

 2024年最初の旅の舞台は北海道になりました。  この旅を計画したのは去年10月のことです。大変レアなイベントが札幌で行われるのを知り、それに合わせて以前から念願だった北海道乗り鉄旅をすることにしたのです。  とはいえ、今回はどうしても網走スタートにしたかった。そこで最初は釧網線乗りつぶしなども考えましたが、結局は石北線を優先することにしました。どうせ釧網線乗りつぶしをするならそのまま根室線に突入したいのだけれども、そのために必要な日数が取れなかったのです。  とはいえ、網

20分のお花見

近所の公園……といっても小さな児童公園です。 住宅街の隅っこにある、少子化のために誰一人訪れなくなった忘れられた公園です。 でも、そこには毎年律儀に花を咲かせるオオシマザクラがあります。 横須賀に引っ越してきて以来、私は毎年この桜にお世話になっています。 今日はうららかな日和だったので、お弁当をこしらえて、ほんのわずかな時間ですが会いに行ってきました。 20分だけ独占を許された”私だけのさくら”でした。

【告知】「もっと文豪の死に様」新章開始!

2024年の初記事が昨日アップされました。 「もっと文豪の死に様」、新章がスタートします。 今回は文学上「無頼派」とグルーピングされる織田作之助、坂口安吾、石川淳の三人を取り上げたいと思います。 作風や表面的な生活態度で「無頼」とされた人たちですが、人生は三者三様でした。 織田作が30代で早世する一方、石川淳は88歳の天寿を全うしています。 彼らの共通項、そして人生の分岐点とは。 どうぞご期待ください。

2024年になりました

新年を迎えました。 本来であれば賀詞を申し上げるところではございますが、三ヶ日にあまりにも厳しく悲しい出来事が重なり、また個人的にも昨年十月に身内ではないとはいえつらい別れがありましたので、本年は控えたいと存じます。お許しくださいませ。 とはいいつつ、今こうして元気にしている者としては、許されているこの時間をたゆまず歩み続けなければならないのだと改めて心に期しているような次第です。 世界を眺むれば明るい兆しは感じられず、時には終わらぬ暗黒の中をさまよっているような気分にも

【告知】「怪と幽」vol.015(続き)

昨日発売日だった雑誌「怪と幽」vol.015に関するお知らせの続きです。 前回分はこちら↓ 本日は取材/構成を担当した記事について。 まずはレギュラーページ「スポットライトは焼酎火」で東雅夫さんが中国民俗学研究者の大谷亨さんにインタビューされた記事の構成を担当しました。 大谷亨さんといえば、『中国の死神』で一躍脚光を浴びている新進気鋭の研究者です。私も今回の書評で取り上げるつもりだったのですが、こちらでインタビューするとの話でこれ幸いと乗り換えました。 インタビューで

癸卯葉月 処暑 四国行 夏休み編その8

丗日 午後 大歩危駅を出てしばらくは車窓に渓谷美を楽しむ。 見れば見るほど、よくこんなところに鉄道を引いたなと関心しきりだ。同時に維持もさぞ大変だろうと思う。JR四国は経営の厳しさがニュースにもなっているが、やっぱり頑張ってもらいたい。また乗りに来よう。 今回の最終目的地となる徳島駅には、阿波池田駅で特急に乗り換えるとそのまま一本で行ける。乗る時間もさほど長くない。 吉野川の表情も山間とはずいぶん変わる。 もし時間が許せば阿波半田駅に行って偏愛する半田素麺をあれこれ買い込

癸卯葉月 処暑 四国行 夏休み編その6

廿九日 午後 約5時間の列車旅を経て降り立ったのは今やすっかり秘境として有名になった「大歩危」である。 2度目、22年ぶりの訪問だ。 しかし、前回は自動車で入ったので、駅は初訪である。だが、これだけは確実に言える。トップ画像のじいさま、当時は百パーセントいなかった。 なぜ言い切れるのか。 それは、大歩危に置かれた最初の児啼爺の開幕式に出席していたから、である。 思い起こせば2001年、私は当時知り合ってさほど間もない妖怪仲間たちと、藤川谷に建立された児啼爺の像のオープニング

癸卯葉月 処暑 四国行 夏休み編その5

廿九日 午前 朝一番、朝食も取らずに駅に向かう。 今日は土佐を通り抜け、讃岐山中は大歩危まで一気に歩を進める予定なのだ。 駅で待つこと数分、やってきた列車は鉄道ホビートレイン! 嬉しすぎて車体の外観写真を取り逃すという失態を演じる。 天気も下り坂で、四万十川も昨日ほどは美しい川面を見せてくれない。だが違う表情が見れたのがこれもまた旅情、と自分を慰める。 ところが、乗り換えの窪川駅で乗り換え列車を待つ間に雨もあがり、土讃線ではふたたび車窓が楽しくなった。窓際の席ではなかっ

癸卯葉月 処暑 四国行 夏休み編その4

廿八日 午後 予土線で伊予から土佐へ。土佐は20年ぶりぐらい、けれどもこのルートで行くのは始めてである。そのまま高知まで突っ走るという手もあったのだが、今回は途中の江川崎駅で下車し、一泊することにした。 お目当ては四万十川だ。長年、一度は見てみたいと念願していたのだ。 「最後の清流」と名高い四万十川は同時に暴れ川でも有名である。穏やかな流れが一旦ことが起こると橋もなにも破る激流に豹変するという。 よって、上流には「沈下橋」と呼ばれる簡易橋が架けられている。欄干もなにもない