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FP(ファイナンシャル・プランナー)は使えない資格なのか?取得する価値なし?

FPの資格をとったら何ができますか?就職、転職に有利ですか?
これはよく聞かれる質問ですが、これは「FPが使えない資格」の代表格として世間で認知されているかなと思ったりもしています。ある有名Youtuberの動画では「FPは民間資格なので金融のプロではない」と断言してました(笑)

FPは国家資格?民間資格?

FPの資格制度は少し複雑です。
いわゆるFPとは日本FP協会が認定するAFP(アフェリエイテッド ファイナンシャルプランナー)と、その上位資格のCFP(サーティファイド ファイナンシャルプランナー)を指します。
日本FP協会はNPO法人なのでFPは民間資格ということになります。ただし、AFPとして認定されるための必須要件として、国家検定であるファイナンシャル・プランニング技能検定の2級合格者でなければなりません。
ですので、FPは民間資格でありつつも国家検定によって一定レベルの知識の習得が裏付けされていると言えます。

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出典:日本FP協会

FPの独占業務は存在しない

FPが使えない資格として語られる要因の1つに独占業務がないということが挙げられると思います。
特定の医療行為は医師免許を持った人でなければできませんし、税務の代理手続きは税理士でなけでばなりません。その点、FPには独占業務がない、すなわち、FPでなければ出来ない業務はないということです。

こちらは2020年1月に実施されたファイナンシャル・プランニング技能検定2級の学科試験の第1問です。

問題 1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。

1.税理士の資格を有しないFPのAさんは、顧客から不動産の贈与契約書に貼付する印紙について相談を受け、印紙税法の課税物件表を示し、印紙税額について説明した。

2.社会保険労務士の資格を有しないFPのBさんは、顧客から老齢厚生年金の繰下げ支給について相談を受け、有償で老齢厚生年金の支給繰下げ請求書を作成し、請求手続きを代行した。

3.司法書士の資格を有しないFPのCさんは、後期高齢者となった顧客から財産の管理について相談を受け、有償で任意後見受任者となることを引き受けた。

4.弁護士の資格を有しないFPのDさんは、顧客から相続開始後の配偶者の住居について相談を受け、民法の改正により2020年4月に新設される配偶者居住権の概要を説明した。

毎回、学科試験の第1問目はFPとしての業務範囲について出題されています。他の仕業の独占業務だからFPがやってはいけないことから学びます。
他の仕業の隙間業務を探しているようで、ちょっと切ないですね(苦笑)

FPの強み

FPはお金に関する知識を広く(浅く)学んでいます。
・ライフプランニングと資金計画(公的年金、社会保険など)
・リスク管理(生命保険、損害保険など)
・金融資産運用
・タックスプランニング(所得税、法人税、消費税など)
・不動産(不動産取引、各種関連法規など)
・相続、事業承継(相続税、贈与税など)
多くの人にとって、とても身近なお金の知識です。お金に関する知識、情報を網羅的に習得していることがFPの最大の強みです。

どのような制度があって、それぞれの制度がどのような仕組みで運用されているのか?自分にとって何が課題なのか?そして、これから何をすべきなのか?まさにプランニングです。

現状分析ができていなけでば、何も始まりません。
まずは課題を明確にすること。改善計画を立案し確実に実行していくこと。
その全体的なマネジメントとサポートを行うことがFPの役割です。
そのうえで、詳細な検討が必要であったり、特別な手続きな必要であれば、その道の専門家に依頼すればいいのです。

就職や転職に有利な資格ではないが・・・

いままで私は面接官として、企業で多くの採用面接に立ち会ってきました。
実体験から言えば、例えば経理部で中途採用の募集をする場合、求人票に推奨資格として公認会計士、税理士、簿記検定などと書いたりしています。
面接を行って候補者が2人に絞られたとします。資格以外での素養がほぼ互角であれば、有資格者を採用するでしょう。でも逆に言えば難易度の高い資格でもその程度、武器のひとつに過ぎません。
FP認定者であればどうかと言うと、あくまでも私の判断基準ですが、資格という意味での加点ポイントはありません。最後の武器にもなりません。ただし、自らがスキルアップの必要性を感じて実行する自己啓発の姿勢は評価すると思います。

専門職でない限り、就職や転職に有利か?いう視点で目指す資格を選ぶことに、意味はないのではないかと思います。

私の結論

FPは使えない資格なのか?

職を得るという目的には全く使えない資格ある。
でも、人生100年時代を賢く生き抜くうえでは、難易度の高い国家資格よりも大いに役立つ資格(知識)とも言える。
なのでFPは取得する価値はある。

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