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誰も教えてくれない「セカンドキャリア支援制度」「転身応援制度」の実情

社会的に名の知れた年間売上550~600億強の教育グループ企業で、希望出向を機にキャリアプランなど一切なくなり、部署間のシナジーない異動、最終的に9部門歴任。
もともと会社大好き人間が、危険を感じ妻主体の輸入物販副業を開始、いったん順調に行くも、コロナで破綻状態。同時期、本業で突発したタスクの数々、逆パワハラから鬱になり会社休養。
退社を検討するも人事部から異動確約され慰留、その後最終異動先が本部商品企画部門でさらに謀殺され、疑問を抱くと同時に、事業の将来性の暗さも手伝って鬱再発。
安全義務違反退職を軸に人事部長と協議を重ね、弁護士から一筆入れて公開してない転身応援制度の裏メニューを提起され退職しました。

実は割とわだかまりなく早期退職した私が、ガチでリアルな退職直近の数年を振り返り、出来事・心情と早期退職プロセスを提供していく、会社名は書けない退社エントリになります。

 一つ前に書いた、早期退職前の出来事。このあと、実際に退職するまでのことをできる限り書いて行くが、ある程度時間を空けてアップすることにする。週イチぐらいでゆるゆると書いていくつもり。

 その間、スピンオフ的な形で、早期退職にまつわる情報を一話完結型で書いて行くことにしたいと思う。
 で、今日はなかなか情報が少ない「セカンドキャリア支援制度」「転身応援制度」の実情について、最近のニュースをもとに、話題になった会社の事業規模などをお伝えし、あなたにも身近に迫っている転身応援制度について、リアリティを感じてもらえたら、というお節介な記事。

1.転身応援制度 社会的な動向

 フジテレビの3月末「ネクストキャリア支援希望退職制度」の退職金が、1人1億という噂が駆け巡ったりしてますが、本当だろうか。在京民放4社でメディア事業だけの売上22年3月期第3四半期を見ると、「フジテレビ」だけが売上を落としていたりして、それも背景にあっての制度導入なんだけど、そんな状況で、2千万強の年収の方(業界平均+αで予想)に4年分のプラスはしないだろうな、とワタクシの経験からも思うのだけれど。前年同期比実際に退職した方はこっそり教えて欲しいもんです。お礼に1億差し上げることを検討ます(冗談ですよ、冗談)。

 さて、一昨日、それなりに衝撃的なニュースが二つあった。

 凄いよなーこの数字。あなたはどう思う??
 印象だけでは見誤る可能性あるので、なぜニュース性があるか、どこにインパクトがあるのか見てみよう。

 まずは国内製薬第3位の売上を誇るアステラス製薬。上記記事中では2位の記載があったので少し違和感があって、以前見た記事を再度確認した。↓

 やっぱり3位だね。
 ちょっと脱線するけど、1社で年間売上1兆2400億円、営業利益率10%オーバーは凄い。ただ、利益率前年比-44%が目に付く。これは医療用医薬品の新薬で見送りがあって特損だしたから、とかだそうで、早期退職に伴う特損額は150億程度で売上比率で見たら1%。大きなインパクトにはならない。「医療用(病院相手)医薬品」の主要6品で売上7千億円オーバー(売上シェア6割強)、セグメントで見て「OTC(市販)医薬品」はおまけみたいなもんで、ほぼ法人相手の商売の様相。また、国内売上2千億円(売上シェア2割以下)で以外は海外売上、という典型的なBtoBグローバル企業です。
 ここまで見てると経営的余力はかなりありそうですが、非常に優秀な社長さんのIR見る限り、競争力アップのために一層の経費削減策を約束されてました。おそらくベンチマーク企業として業界トップのファイザーが売上10倍だったりして、経営陣の少しでもそこに近づけたいという意欲を感じます。
 脱線ついでに少し興味あってファイザーさんの売上見てみた。なんとコロナ特需で前年比売上2.4倍増の11兆…って、この記事2月だから為替考えたら4月の今なら13兆円近く。東京都の予算に匹敵する規模だ。大概にして欲しい。↓

 話をもとに戻すけど、アステラス製薬の2021年度社員数は公式サイトで国内(グループ会社込み)でも5,600人。国内社員の11.6%が応募。10人に一人が会社を去ります。中でもMRが500人退社だそうで。ハハ、なかなか凄い話ですねこれ。あなたの会社で、10%が消えたら仕事回りますか?
 で、最初に戻って。それでも再度の募集をしている、というところにインパクトがあったりします。ジリ貧の国内マーケット販管費は大幅に削減し、人口増需要増の海外マーケットに主軸を置くんでしょう。多分そうでしょう。

 一方、富士通の2021年度国内社員数は80,000人。こちらは管理職主体にした希望退職制度で、4%が応募。

 上記記事内の動画抜粋。これを要約すると、「収益改善の主体となる成長事業をスピーディに牽引できる若手人材の登用のため」の人員整理だということがわかります。アップデートの遅い、アナログ人間は去ってくれ、と言うメッセージが伝わってきます。良し悪しは置いておいて、これがグローバルで生き残る視点。できたら政治家にも同様の動きがあると、日本の崩壊は防げると思うんだけど、年功序列、終身雇用的発想がガチガチにある世界だから無理な話ですね。残念だけど。
 さて、富士通はITサービスで国内トップシェアのBoB企業。カメラやPCの知名度が高いため、BtoC企業に見られがちですが、売上8千億円中、シェア83%をBtoBで占めています。国内が強いですが、3割は海外売上です。

 フジテレビも含めて3つほど事例挙げましたが、巨大マーケットの売上低迷企業や、グローバル企業が中心になって転身支援制度による退職者募集を行ってます。また、社名は伏せますが、友人が務めてる名の知られた売上300億の国内アパレルも、20%以上の人数対象にした早期退職募集と同時に、給与10%カット、賞与カットなどがあったと聞いてます。アパレルはコロナで需要低下した筆頭ですから、何気にこのリアリティが一番、インパクトが大きいと感じてます。

 フツーに考えて、4~10%も退社したら結構な痛手が出ると思うけど、友人の会社は20%程度で。それを乗り越える現場っていったいどのぐらいの負荷負担がかかっているのか心配になります。そんなリークやニュースがない以上、もしかしたらそれだけ労働力過剰になっていたということの裏返しだったんだろう、とも考えられるけどね。もしそれら企業の方が個々見ていたら、ぜひ状況をお伝えいただくとありがたいです。友人、また話してくれんかな…

 いかがでしょう。ほんの数例をご紹介しましたが、あなたの会社はどうでしょうか。うちの会社には転身支援制度がないなーと思ったそこのあなた。ご自分が、これらの会社をベンチマーク企業と見てた経営陣になったつもりで考えてみてください。このような人員削減制度を見て、うちはどうしようか、と悩んでいないわけがないってわかるでしょ。 
 安泰、会社が何とかしてくれるなんて思考回路を取っ払い、いつでも本気でセカンドキャリアに向けた成長への投資をお勧めしたいです。

2.転身支援制度の個別実例ってどこにある?

 ただね、言われなくてもそこまでは意識していたよ、という人が大半だと思う。じゃなきゃこんなとこ、見てないだろうしね。で、制度の個別実例がどこかにあるなら調べてみよう!と思い、ググってみたあなた。どうでしたか?信頼できる実例って、ヒットしないですよね?
 おかしな話ですよね。だって1で見たように、少なくとも毎年万単位で対象者が発生しているマーケットだと思います。見落としかな?
 いえいえ。結論言ってしまうと、個別実例なんてほぼ公開されていないのだ。なので、探しても無駄で、探す時間がもったいないと思う。
これ、なんでだと思います?
 ワタクシなりに行き着いていることとして、一つ目は退職契約時の誓約書の縛り。一切の内容について発信することがNGだからだ。これだと発信したくてもできない。ちなみにワタクシも誓約書を書いているが、内容は「制度の条件を発信しない」となっていた。しっかり見極めれば発信できる状況だったりする。
 二つ目は、終身雇用が前提だった時代を知っている40代後半から50代にとって、早期リタイヤは敗北と同様だから積極的に話をしたいと思わないためだろう、と考えられる。
 この考えは、30代以下の高い流動性が当然、の雇用環境の方が見ていたら理解しがたい感覚かもしれない。
 社会人経験の初期に、終身雇用がハッピーという世代を見、そうした教育を受け「一つの会社に奉仕すること」が尊い、と洗脳された最後の世代がアラフィフである。実際にどうかということではもはやない。若年で身についた価値観で、自身に対し「敗北したんだよお前は」と常に語り掛けてきたりするからなかなか変わらぬことと思う。よしんば頑張って変えようと思っても、セカンドキャリアに向けた準備ができていない方が大半だ。リーマン思考が邪魔してなかなかアップデートができないだろうと思う。退職鬱になっている方もいるかもしれない。ってなんか上目線に見えたらワシの文章力のなさです。先に謝っておきます。ごめんなさい。

 加えて、メディアが「実態はリストラではあるが」という記事を流し、再洗脳が蔓延していることも、体験者に気持ちを沈ませ退社事実を隠したがる傾向に拍車をかけるのだと思う。
 例えば1年前の記事でこんなのが。

 この画とタイトルで、実際に早期退職を選択する場合、果たしてポジティブにとらえられる人はどのぐらいいるだろうか。
 こうした記事は、悪意があって作られているのではなく、書き手が本当にそう思い込んでいるところから記事をかいていたりするから始末が悪い。
 この件についてはワタクシ、言い切れるアドバイスがあるので書いておくけど、「事実」は「早期退職を選択した」「終身雇用に見苦しくしがみつくこと捨てた」のですから、素晴らしい選択と集中(=捨てることを決めて行動すること)をしたのですよあなたは。敗北感のようなネガティブな価値観、捨て去るべきですよ。せっかくレールから外れる選択をしたのだから、「リーマン終身雇用が成功」だなんてちっぽけな感覚は今後の人生には絶対に無用です。
 
 

3.実例紹介

 そうは言ってもこれで終わりでは身も蓋もないので、ここでようやくワタクシの実例をお話ししたいと思う。
 かなりレアなケースかもしれない。

  • 会社の転身支援制度は、2015年までの3年間実施。2年分の年収割増制度だった。

  • 今回提示されたのは、人事部長からの一本釣りによる提示。10数人という触れ込みであった。

  • 応募者全員が適用を受けるわけではない、という触れ込みで募集された。←これには疑問があり、制度を聞かせた以上は、応募してきた者にはおそらく全員、承認するものだろうと考えられる。

  • 誓約条件に接触するため具体的な割増額は書けないが、以前より条件が良くなっていた。理由の一つは、私のバヤイ一つ前の部門内で、職場環境による適応障害からうつ病発症・休養した経験があったのと、募集直前に体調不良で残業NGの診断書を医師から発行してもらっていたこともあると思われる。

  • 講師との間で散々痛い目を見た過去から、社の人材管理に関するスキルが上がっており、条件提示を様子見などせず直球で投げてきたことも理由の一つだと思う。

  • 提示は人事部長面談により行われ、応募も人事部長に直接書類提出、という流れで開始された。

  • 退職時の区分は、「会社都合による希望退職」となって、雇用保険失業給付の支給要件中最も円滑に手続きを勧められるものと言われた(実際にそうだった)

  • 制度提示前の約ひと月、勤務意欲低減と多少鬱傾向があることを人事部長に伝えていて残業NGにまでなっていたので、制度を提示する人事部長も相当慎重にことを進めたように思う。

  • リタイヤ後にすぐ転職可能なように動いたり、物販の自営や禁煙紙発行を本職にすることも可能ではあったが、いったん充電のために休養をすることにした。22年4月現在、実際に転職活動、バイト探し等一切おこなっていない。

  • 転職活動をしないのは、9回の異動経験もあっての判断。もう人に仕えて働くというスタイルはこりごりで。

 以上、実例を書いておく。
 お探しになっていた方は、ぜひ参考にして欲しい。
 書き足りない点もあるけど、マガジンにて徐々に公開予定です。登録よろしくです。

4.まとめ

 あなたは20数年間、同一文化で過ごしてきてますか?
 そんな中で、身についた価値観はなかなか変えるのが厳しいことでしょう。
 そこは承知してます。が、持っていた余計な価値観はリセットすること、一つのことだけで定年を迎えたら、リタイヤ後に第二の人生と思って新規に何かをやろうとしても体力、知力、スピードなどが衰えている可能性があるので、早期に第二の人生を開始できる機会だと前向きに考えて、転職支援制度に備えていくことをお勧めします。

 最後にワシのツイートを紹介。

 今のテーマは横浜市小中学校のマスクフリーチョイス。仕事じゃなくボランティアです。PTA会長職とビジネス経験から、教育長・議員・PTA・メディアを全方位同時進行を意識しながら、数名で活動しております。活動に興味ある神奈川県民の方はフォロー歓迎します。
 ツイートは考えを人に押し付けない、個々の考えは尊重のスタンス。コロナ禍で偏重的な思考が多い中、親世代の大人の思考アップデートに寄り添いたいと思って発信しています。
 今後就活控えた学生、新社会人、組織力学や組織文化に疑問を持つ社会人、ベンチャー立ち上げた変態経営者の方とも気が合うと思います。
 よろしくです。

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