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BCP不備にみられた経営陣の油断。退社決意の背景。

社会的に名の知れた年間売上550~600億強の教育グループ企業で、希望出向を機にキャリアプランなど一切なくなり、部署間のシナジーない異動、最終的に9部門歴任。
もともと会社大好き人間が、危険を感じ妻主体の輸入物販副業を開始、いったん順調に行くも、コロナで破綻状態。同時期、本業で突発したタスクの数々、逆パワハラから鬱になり会社休養。
退社を検討するも人事部から異動確約され慰留、その後最終異動先が本部商品企画部門でさらに謀殺され、疑問を抱くと同時に、事業の将来性の暗さも手伝って鬱再発。
安全義務違反退職を軸に人事部長と協議を重ね、弁護士から一筆入れて公開してない転身応援制度の裏メニューを提起され退職しました。

実は割とわだかまりなく早期退職した私が、ガチでリアルな退職直近の数年を振り返り、出来事・心情と早期退職プロセスを提供していく、会社名は書けない退社エントリになります。

 今夜も一話完結のお話です。

 早期退職メニューを提示されなければ、ハラスメントによる鬱病発症で会社と争って退職するまで準備していた私。
 ただ、退職を迷っていた→決意した要因の一つには、コロナ禍でのBCP不備に関して全く向き合っていない「経営陣の自責不足、甘え、不誠実」がありました。
 いやー厳しいこと書いてますね私。
 続けますが。

 「こんなのうちの会社だけ?」と感じてましたが、退社後、調査、確認した結果、そうでないことがわかりエントリします。

 ニホンの経営者層の自己評価の甘さをぐっさり突き刺すエントリ。
 他国は承知してませんが。
 
 閲覧注意です。

1.コロナ禍BCP策定 経営陣の「あるべき」水準とは

 2020年春~夏のコロナ禍初期。
 多くの会社で見られた傾向として、コロナ対応(実際はコロナを必要以上に警戒したりコロナ恐怖心を利用した政治対応)のために、多数の突発タスクが次々と多発、対応に時間と労力をかけてようやく乗り切った、みたいなことがありました。

 社員の頑張りに対し、経営陣から「誰も予想できなかったことだった」が、「急な対応への取り組みに感謝する」「よくやってくれた」など、現場に対する労いの言葉を数多く見聞きしました。

 この発言にあなたは違和感を感じますか?
 この中に潜む、経営陣の「自責不足、甘え」、あなたはわかりますか?

 「あーそういう発言、うちもあったなー。仕方なかったんじゃないの?」とだけ、思う方も多いはず。

 でもね、その感覚は組織の洗脳に染まってしまったものと思っていい。

 経験上、組織に染まってしまったら、部門のトップが(一部サークル的ノリで)、「今をみんなで一緒に乗り越えよう」という同調圧力が発せられるのを違和感なく受け入れてしまいます。
 実は私が最もそのタイプで、会社には全身全霊を捧げていた時期が長かったから、無茶苦茶理解できます。
  
 突発対応のもとを正せば、「BCPで感染症対策を策定しておくこと」があるべき姿な中、やってなかったためですね。

 そう考えると、経営陣は、本来自分達に課せられた責務を果たしていなかった。
 その責任欠如を認め、「やってなくて申し訳ない」「考えが甘かった。お詫びしたい」と、労うより先に発信するのが必要だったと確信して止みません。
 ※「あ、うち、そうした謝罪最初にありましたよ」という社員500人以上の会社にいる方がいらしたら、ぜひぜひ教えてください。

 そのうえで今できることをする、事業継続のために全力で取り組もう、と経営陣から発せられるなら筋は通っており、フェアですね。

 急発生したパンデミックにあるべき準備と、フェアな姿勢どちらもなく、感染症拡大の対応を決め現場に下ろすことだけが自分の仕事、と勘違いしている経営陣がいたら、その組織は不幸でしかないですね。
 我ながら書き方が厳しい…(汗)

 必要以上に手厳しい話してるように見えるかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
 
 続けます。
 
 コロナからいったん離れて、御社の人事評価の評価軸について考えてください。
 通常、「結果が[目標=あるべき姿]に どれだけ肉薄できているか」をあなたや他の社員の評価軸にしているはずです。

 これは経営陣、役員においても全く同様のはずですね。

 経営陣が策定すべきBCP内容が甘かったなら、それはあるべき姿ではなかった、とシビアに評価されて(自己評価して)然るべきです。

 
 では、コロナ禍のBCPとしてあるべき姿はどのような水準だったのでしょうか。

 帝国データバンクの調査結果で、面白いデータがあります。
 「BCPに対する企業の意識調査」です。
 この調査結果の、2019年6月版と、コロナ禍を経た2021年6月版とを比較してみましょう。

 時間がない方に。


事業の継続が困難になると想定しているリスク(複数回答) 左:2019年 右:2021年

 これでわかりますが、左、2019年6月版(2018年調査のまとめ)では、国内企業のうち、感染症対策のプライオリティは低く、10位になってました。  
 複数回答の中で約25%、「全体」を累計した中でのシェアは6%になります。
 BCP予算に占める、感染症対策シェア配分がこのぐらい、の意識だったと言えますね。
 それが右を見ると、2位の約60%、全体累計内のシェアは14.1%にまで高まっています。
 これが本来あるべき姿だったと言えますね。
 
 ところが。
 10位にもなると、費用対効果が低く、プライオリティ低めと判断して、BCPから除外した企業が多かった。
 自社もそうだったんです。

 何言ってるんだよ、こんなパンデミックなんて100年に一度あるかないかだよ。
 そんな理想論振り回すな。
 経営資源をそんな理想論で振り分けられる訳ないだろう!
 という反論が想定されますが、ちょっと待ってください。
 どの会社の経営陣も、事業部ごとの目標設定を定めさせ、あるべき水準なのかチェックし、予実管理をしてくたでしょう。
 事業部トップの評価時には、予期せぬ出来事、という観点は埋没しているはずです。
 結果に対し、事前予測不可能な理由で目標達成できなかった場合でも、それを汲み入れた甘めな評価はしてなかったでしょう。
 そのシビアさを部下には強いてきてながら、自分にはOKは許容範囲とは言えませんね。
 
 個人的には、この辺りが大変残念な出来事でした。
 誤った判断の反省が正しく行われ、経営陣から適切な反省の言葉が聞けていたら、経営陣の能力と人間性を尊敬し、組織に対して未来を感じ、先行き不安からの退社などスッパリ頭から離れたことと思います。
 うーん、どう書いても上目線からのエントリに見えてしまいますね。
 文章力のなさを痛感しながら、続けます。

 最後の異動先で、唯一尊敬できる役員(直属)と、退社を迷っているときに飲んだことがあります。
 そのとき、コロナ禍BCP策定の「あるべき」対応と、自社の状況のギャップについて思っていることをぶつけてみました。
 帰ってきた言葉は、、「キミはそんなこと考えているの?」「会社のために何ができるか、が一番考えなくちゃいけないことでしょう」でした。
 そのあと、しばらく雑談したのちに発せられたひと言。
 「まあ良く考えるとキミの言うことは確かに正しくて、理屈はそうなんだけど、うちの経営陣にそんな反省は望めないだろうな」でした。
 このひと言が、私に退社を意識させました。 
 「それは能力的に、厳しいことなのか、それとも『あるべき』は分かってながら立場的に認めないようにしているのか」も聞いてみましたが、そこはうまくはぐらかされ、明確な回答は得られませんでした。
 ※ちなみにこの話をした役員は私と同じタイミングで退社してたのを先週知りました。
 ここに書けないこともその時に聞いていて、それから想像すると、色々先行きが見えていたものと考えられます。なんだよ。

2.業界で異なっていたBCP

 厳しいこと書いてますが、ほとんどの会社で、経営陣も手探りでBCPを策定していた状況でしたし、まさかの新型コロナ。
 まあ非常事態なんてそうそう起きないからこんなもんでいいよね、という会社が大半だっただろうと思われます。
 ただ、この感覚は間違いでした。
 実際、目立ちませんが、社会インフラ関連企業を中心に、コロナのような感染症発生時をBCPに策定していた会社は多数ありました。

ガスや電力、鉄道、金融機関など社会インフラ関連企業の多くは、今回の新型コロナウイルスの感染拡大のようなパンデミックも想定したBCPを策定していました。

https://consult.nikkeibp.co.jp/ccl/atcl/20201116_2/
「経営者による『重要業務の絞り込み』が不可欠」より抜粋

 そりゃ未曽有の感染症発生です。
 誰も想定できなかった、というのは心情的には理解できますね。
 それでも、対応していた企業はありました。
 一体どうやればできたのか。
 例えば、幸いなことに、日本ではほとんど蔓延がなかったSARS-CoV-1。
 蔓延国の状況を見ていたら、感染症蔓延時の社会的影響や、準備しておく「あるべき」体制はある程度わかったはずです。

 以上のような背景があった中、あるべき姿に気づいてなかったとしたら、経営陣として問題です。
 アップデート力が低すぎます。
 ↑だから書き方が…

3.退社後に振り返って

 1,2で書いたことはほぼ毎日、どこかで振り返っています。
 私の場合は、本業でも9つの部門を渡り歩いたこと、妻の手伝いから副業で自営業・経営者発想を得られたことから、「会社大好き人間」だった感覚からアップデートができ、行き着いた考えだと思ってます。 
 これを見たあなたは、社内キャリア構築に疑問を持っていたり、退職を意識されている方、迷っている方だと思います。
 会社に対して違和感を感じたことがあれば、自分が身銭を切って企業し経営者になったつもりで、自分なら限られた予算をどう配分するか、何を捨てるか、万一捨てたものが捨ててはいけなかった場合どうリカバリするかの観点で自社をチェックしてみてくださいね。
 X世代の方、状況お聞きして役に立てるようならば(←重要)、今なら無償での進退巡るご相談に乗ります。
 ※22年4月~5月末
 変なものは売りつけませんのでご安心くださいね。
 なんとなくわかる私のキャリアはこちら↓。


最後にワタシのツイートを紹介。

 メインテーマは横浜市小中学校のマスクフリーチョイス。PTA会長職とビジネス経験から、教育長・議員・PTA・メディアを全方位同時進行を意識しながら、数名で活動しており、その中で自分の領域をテキトーにつぶやいてます。
 ツイートは考えを人に押し付けない、個々の考えは尊重のスタンス。ただ経験談から、これがベターでは?ということを語ります。
 コロナ禍で偏重的な思考が多い中、親世代の大人の思考アップデートに寄り添いたいと思って発信しています。
 今後就活控えた学生、新社会人、組織力学や組織文化に疑問を持つ社会人、ベンチャー立ち上げた経営者の方とも気が合うと思います。
 よろしくです。

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