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カラオケ店でうっかり落武者生首を見た話


以前、知り合いの風子さんの
「スクーターの上のちっさいおじさんを見た話」を紹介させていただきました。
↓こちら

このエピソード、何度読んでも、
彼女の妄想?やはりジョークだったのでは?
てな方向で着地したい気分になりますね。

彼女によると、こんな説明のつかない出来事に
遭遇するのは、よくある事だそうです。

「他にも何か見たことある?そんな時困らない?」
と聞いたなら
「そういえば、学生の頃…」と話してくれたのが…

風子さんが学校の友人達とカラオケに行った時の事です。
皆で楽しく盛り上がり、ごきげんで歌う友人横のモニターに
ふと目をやると、画面の上方に何か違和感を感じました。

小声で隣の友人に、
「ねぇ、画面の左上に何かみえない?」と
聞いてみるも
「え?なにも?」とのこと。

そうですか。と静かに返事を返し、
「きっと気のせい」と思おうとしましたが、
いつまでも続く違和感を無視し続ける訳にもいかず
仕方なく焦点を合わせた先に確認したのは…

落武者風の生首!


その時点でぎゃー!と悲鳴を上げ、腰を抜かし、
卓上のポップコーンをひっくり返してしまいそうなもんですが、
そこは不思議体質の風子さん。
うーん、これはヤバいかも、と冷静に思いながら再度確認。

よくよくみたら、落ち武者生首は
ダダダっと画面の周りを取り囲むように
複数個あって…

落武者生首のエグザイル状態!


カラオケでうっかり落武者生首



普通の人なら気絶もんの恐ろしい光景に、
さすがの風子さんもウッと気分が悪くなります。

でもでも、
友人達が楽しく盛り上がってるカラオケで
自分一人しか見えていないであろう落ち武者を
志村!後ろ後ろ!的に指さして(昭和)
雰囲気をぶち壊していいものでしょうか。

かといって、
背後に落ち武者を従え、
武将のように堂々と歌う気にもなれず、

自分だけ早抜けすべきなのか
いや、そもそもこんな場所に友人達だけを
残してもいいものか…悩める。

すると、
様子のおかしい風子さんに気付いた一人が
「え?何?なんか見える?」と
彼女の特異体質を知っているのもあり察知してくれます。

「うーん…早めに出たほうがいいかも」と
告げたら、なんとなく察知してくれて
その日は早めにお開きとなったそうです。

「ほんと、ああいう時って困りますよね〜。
どうするのが正解だったのかなあ。」

いやいやいや、
正解云々レベルのお話ではないですからね、風子さん。
シレッと恐ろしいもんが見えちゃう特異体質、
ほんとご苦労様です。

後に確認したところ、やはりその地域は
戦場になった歴史があったそうです。
落ち武者の皆様も若者に混ざってカラオケを
楽しみたかったんでしょうかね。

それにしても、なぜこんな不思議な物が
彼女にだけ見えてしまうのでしょうか?

本人はこんな能力なんて望んでいないのに
気付けば勝手に寄ってくる寄ってくるアレコレ。
だから、なるべくチャンネルが合わないように、
チューニングをずらしてずらして逃げていたそうです。

だって、こんな乙女の楽しい時間に
生首放り込んでくる能力なんてマジいらんし。

避けて避けて気のせい、気のせいと続けていると
大人になるにつれて見える機会は減ってきます。
チューニングが合わなくなり、
見えなくていいものは見えないようになってきました。

よかった。一安心。
そう思った風子さん。
それから数年は普通に会社員として生活し
職場で出会った人と結婚もし、静かに平和に暮らしていました。

でも、平穏な日々はそう長くは続かなかったのです。

ある時期、そのずらしたはずのチューニングが、
ゆっくりと動きだし、ピタリとまた合わせてしまったのです。
もちろん、あっち側の世界に。

数年分避け続けていた、見えないはずのアレコレ。
それがピタリとまた合わさってしまうとは。
なんだかヤバイ気がしますね…
どうなる風子さん?

その先の話はいずれまた。


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