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急増する積み立て投資

ここ最近、日本では個人の間で投資信託を定期的に買い続ける「積み立て投資」が急速に広がっています。今回はそんな積み立て投資が急増している背景や、注意点などを解説します。

🔹積み立て投資とは
毎月一定額を特定の金融商品に投資し続ける資産形成の方法です。毎月一定額を投資することで、相場の乱高下による影響を軽減でき、様々なリスクを分散できる運用ができるため、長期の資産形成に向いているとされます。注目のポイントについては後に詳しく解説します。

🔹積み立て投資が増えている理由
現在、日本では積み立て投資により預かり資産が過去最高となっています。その背景には代表的なものとして以下の4つが考えられます。

理由①
最近ではインターネットから口座開設が容易にできるようになり、少額から気軽に投資を始められるようになりました。

理由②
2018年にスタートした、配当や売却益などの利益が非課税となる制度「つみたてNISA」ができたこと。また、これに関連して岸田首相は「資産所得倍増プラン」で、貯蓄から投資への移行を促すためNISAを拡充する計画を掲げています。

理由③
2020年に金融庁が老後資金が不足することで物議を醸した「2000万円問題」です。これにより、特に20〜30代の世代を中心に老後への資産形成の重要性が示唆されるようになりました。

理由④
新型コロナウイルスによる世界的株高も投資を促進する一因となりました。日本でも、新型コロナウイルスが蔓延し始めた2020年3月には、日経平均株価は1万6000円台まで急落しました。しかし、世界経済の混乱が収まると株価は回復を見せ、2021年2月には3万円を超える高値をつけ、現在、2万7000円くらいで推移しています。


🔹積み立て投資のポイント
積み立て投資を行う際の投資方法や投資先のポイントを3つ紹介します。

①長期投資
長期間に渡って投資を続けることで、「複利」の効果が期待できます。複利の効果とは、運用で得た利益を当初の元本にプラスして再び投資することによって、利益が指数関数的に大きくなることを言います。それにより、元本割れするリスクも低減することができます。また、20世紀最大の物理学者であるアインシュタインは、複利について、「人類最大の発明」と評したと言われています。

②時間の分散
投資信託の価格は毎日上下します。一度にまとめて投資をする場合、高い/安いときのタイミングを見極めるのことは難しく、投資した後になってわかることがほとんどです。これに対して、一定金額を定期的に投資すれば、価格が高いときは購入量が少なく、安いときには購入量が多くすることができるので、結果として平均価格になり、高いときに買うリスクを減らすことができます。ご存じの方もおられると思いますが、時間でリスクを分散するこの方法は「ドルコスト平均」と言います。

③投資先の分散
1つの資産だけに投資するより、株式や債券を組み合わせるなど、アセットクラスの異なる複数の資産に分散することで、資産の全体的な価格の変動が小さく抑えることができ、リスクを軽減することができます。さらに、全世界株式、先進国株、新興国株のように投資先の地域を分散することで、どこかの国の経済が低迷してもリスクヘッジすることができます。

※ここで注意点を1つお伝えします。投資信託(NISA含む)で投資していて、リスクが低いから安心している方は要注意です。インデックス投資は世界経済が成長していることが前提です。今回のウクライナ問題のように全世界的に経済が後退すれば、地域分散のリスク軽減が難しくなります。

🔹まとめ
日本では老後への資産形成という形で、若い年代を中心に貯蓄から投資へ少しずつお金が流れ始めています。これからの時代は自分自身で資産を築く時代です。積み立て投資は年齢が若ければ若いほど大きな利益を享受する可能性が高まります。時代に遅れを取らないように、これなら積み立て投資をしようと考えられている方は、適切な方法で投資をしましょう。既にされている方は今の投資が本当に問題ないか、いま一度見直してみましょう。


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