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日本の公鋳貨幣

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日本が発行した「貨幣」の解説や、流通していた「貨幣」の歴史などをまとめた記事です。1から順に時系列順に解説しています。
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#金貨

日本の公鋳貨幣39『慶長一分金』

日本の公鋳貨幣39『慶長一分金』

日本銀行が公開している資料や論文ですと、江戸時代初期の慶長小判1枚(1両)は、現在の貨幣価値でおよそ10万円であったとしています。これは、当時の米価を基準とした計算だと思われ、金1両を米1石(約180kg)として取引していたという、日本の商慣習をベースに導き出した値でしょう。現在の米1kgは、ブランド米で700円程、そんなに知られていない米で400円ほどですので、12万6,000円~7万2000円

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日本の公鋳貨幣36『武蔵墨書小判』

日本の公鋳貨幣36『武蔵墨書小判』

徳川家康の貨幣制度……と前回のラストに宣言をしたわけですが、せっかくですから徳川家康がオリジナルの(まあ、多分に武田家の甲州金制度のパクリではあるのですが)貨幣制度を作る前にどのような動きをしていたかについて、解説を行っておきたいと思います。

前回に引き続き、また一般的な歴史の本には掲載されない貨幣の紹介となります。何故わざわざそんな貨幣を、紹介するのかと思われるかもしれませんが、これらの貨幣に

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