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アイロン日和と赤トンボ愛の舞

8月15日は、イタリアではフェラゴストFerragostoという祝日で、カレンダー通りに休日になる職場・仕事の人は休みだ。
その前後や土日と合わせて少し連休を長くする人も多い。

二日前に、コーヒーブレイクにバールでクレーマ・カフェ(冷たいコーヒークリーム)をご馳走になりながら、それぞれのフェラゴストの過ごし方などに耳を傾ける。
今さらながら、「イタリア人はフェラゴストに何をするの?家族で集まって食事をする機会?遠方に住んでいる人は、実家に帰省する機会なの?」と、普段、直接話をしない人もいたので、質問を投げかけてみた。
「実家に帰る人もいるけれど、どちらかと言うと、それはクリスマスの方ね」とのこと。
「食べるか海に行くかだね」と言う人も。
トスカーナの親戚のところに行くと言う人、どこか田舎に行くと言う人、海かプールに行くかもと言う人。

さて、フェラゴスト当日の朝。
辺りがいつもより暗い。
風の音がヒューヒュー言っている。
窓を開けて少しだけ涼しくなった空気を家中に取り込み、天然エアコン効果を狙う。



そのうち、空でゴロゴロ言い出した。
時折、ピカッと光る。
雷雨の予報は週末に出ているものの、どうやらフライング。

そして、大粒の雨が降りだした。
風と共に雨が降り込みそうな窓は大急ぎで閉め、それ以外の窓からは引き続き少し涼しい空気を取り込み続ける。

さて、この機会に持ってこいなのはアイロンがけだ!

家にエアコンがないので、ただでさえ暑い時にはアイロンがけはかなり危険な行為であるため、山のようなアイロンがけ待ちアイテムが溜まっているのだ。
早速、仕事を先に進めるために喜々としてアイロンがけに取り組む。
アイロンがけをしているにも関わらず、32度から30、29、28度とデジタル気温計の温度が下がっていくのを目にするのはなんとも爽快!

この天気では、海やバーベキューは難しいね……と、典型的フェラゴストの過ごし方を予定していた人たちについて思いを馳せる。

ところが、悪天候は幸か不幸か、昼過ぎには通り抜け、青空と共に蝉の鳴き声も戻って来る。
部屋の気温も31度に戻る。

外に出たら、赤トンボが飛んで来た。
今夏、二匹目。
と思ったら、もう一匹。
一緒に飛び始めたところを見るに、これは愛の舞かしら?と目で追いながら、写真か動画でもと思うものの、速過ぎて無理。動画を撮ろうとしてもすぐにフレームアウトしそう。
そこへ、もう一匹の赤トンボが加わり三匹になる!
うーん、これは、♂♀♂なのか、♂♀♀なのか、はたまた、♂♂♂とか♀♀♀の可能性もあるのか?
まあ、見た目では判別できないものの、♂♀で飛んでいるところに、他の♂が果敢に奪おうと挑戦してきたのでは?と考えるのが順当だろうか。
結局、途中で速過ぎて分からなくなったが、三匹目を振り切ったのではないかと。横恋慕は上手くいかないものである、と勝手に決めつける。


赤トンボがとまっていたポールをよく見ると、なにやらもう一匹くっついている。
これは、もしかしてトンボの脱け殻だろうか。
蝉の脱け殻を見たいと思っていたのだが、なかなか近いところをいっているではないかと、ほくそえむフェラゴストの午後。


ポールの赤トンボの上の方には


脱け殻!!

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