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競技: アメフト #1 | NFL 1. -- 茶橙のイデアの犬

毎年 NFLシーズン開始からSuperbowl終了までの秋冬の時期は
NFLに魅入られた人種には不可欠な 至福の期間となります。

そんな人種に属す自分は
Superbowlが日本で地上波録画放送されるその日には
朝から 一切のニュースを遮断し
自宅で深夜にTV放送を観ることが何年もルーティンになっています。

順当な顔合わせだった Superbowl 2023
どちらのQBもすごかった

年によっては、うっかりタブレット等からネットニュースを開いてしまって試合結果を目撃したりだとか
何気なーく映っていたTVから流れるニュースの画面が はたと目に入り
そこに普段は日本で目にする頻度なんか殆ど無い 「アメフト選手」 の画像が大写しになっている -- しかもそれは往々にして勝利チームの画像 -- だとかという災難が起きたりします。

でもそんなときは 「終わった。。。」と、地面にがっくり片膝を付けて、敗北チームの心境を偲びつつも
果たしてどのようなゲーム展開だったのか?に興味を切り替えます。
 *前向きだから、でなく 他に手がないですからね。。。

それでも不思議と アメフトという競技と Superbowlというワンマッチの持つ魅力はさほど毀損されないものです。

因みに 20年?位前までは Superbowl当日の日本時間月曜早朝に
Liveの中継が行われていて、休暇取得してTVで生観戦が楽しめました。

その後は NFL地上波放送の伝統をTBSから引き継いだ日本テレビで 芸人のオードリーが司会するNFL倶楽部の特別枠で月曜深夜の録画中継に切り替わり 冒頭の情報遮断ルーティンが始まった次第です。

Super当日は毎年 オードリー二人の現地観戦を画面越しに羨ましく眺めていましたが 今年は日本のスタジオ観戦でしたね。
これも昨今のテレビメディアの体力低下の証左なのでしょうか。。。

NFLやSuperbowlに言及すると オールドファンならではの断片知識が積もり過ぎててキリがないので
取り急ぎ 旬な話題 = Superbowl2023 の感想を以下の短観で締めくくり:
   /並外れたQBとチーム同士による期待通りの熱闘
   /たまたま敗北したチームは攻撃のリズムがやや不足していたか?
   /勝利チームの裾野の広い攻撃と豊富なオプションプレー習熟に納得
   /ありえないが 万一 即 再戦するなら 再度の伯仲間違いなし 

オールドファンとしての 初NFL関連投稿
Cleveland Browns に関わる 備忘がてらの徒然書きを始めます。


春日氏お気に入りのRB Nick Chubb選手

日本テレビ/オードリーのNFL倶楽部で 春日氏ご贔屓チームとしてシーズン開幕から中盤まで推されていたブラウンズ。

ある放送回で 現地でのブラウンズ取材帰りスタッフからMCのオードリーにお土産が手渡されました。お土産には犬がデザインされたものが多く
コンビのお二人は「なんで犬なんだろう?」と首を傾げていました。

翌週以降の放送で その答え合わせが行われないので 
古い記憶をひっくり返してみようかな と考えました。


本記事の最後にご紹介した NFL関連サイトから引用させていただきました。


 動物、実用品、歴史的意匠などに紐づくチームマスコットを持つのが一般的なNFL全チームの中で マスコット自体が何故か存在しないブラウンズ。

 オレンジ色なのにブラウンズ(=茶色と橙色がチームカラーだそうです)

ということで 謎めいたような ちょっと孤高な印象があるこのチームには
チームマスコットらしき存在が 少なくとも80年代から根を下ろしています。

その名はDawg。


仮装したファンの姿などから想像するに 犬カテゴリに該当するであろう
この Dawg には 明確な実体がありません。

Gettyimagesさんから
「。。。。。。」

応援席のファンは思い思いに犬の耳、鼻、おしゃぶり用の骨、被りもの などなどを着けて大騒ぎしてますが 公式には非認可で 野犬よろしく野放状態、

と思っていたら!
どうも現時点では Dawgはめでたく公式マスコットの地位を得ているように見えます。

検索エンジンの時代に生きていると 謎が謎のままに留まりませんが
(その是非はさておき)  お陰であっさり Dawgの起源について
こんな短文が見つかります:

According to Hanford Dixon, then a cornerback with the Browns, Dixon himself gave his defensive teammates the name "Dawgs" to inspire them before the 1985 season. The Dawg Pound started during the 1985 training camp at Lakeland Community College in Kirtland. Dixon and fellow cornerback Frank Minnifield started the idea of the pound by using the dog-versus-cat relationship between the quarterback and the defense. "We had the idea of the quarterback being the cat, and the defensive line being the dog," Dixon said. "Whenever the defense would get a regular sack or a coverage sack the defensive linemen and linebackers would bark." This attitude carried into the stands at the training camp, where fans started barking along with the players. Dixon and Minnifield then put up the first "Dawg Pound" banner in front of the bleachers before the first preseason game at old Cleveland Stadium. The bleacher section had the cheapest seats in the stadium, and its fans were already known as the most vocal. They adopted their new identity whole-heartedly, wearing dog noses, dog masks, bone-shaped hats and other outlandish costumes.

https://en.wikipedia.org/wiki/Dawg_Pound

当時ブラウンズのコーナーバックだったハンフォード・ディクソンによると、ディクソン自身が守備チームメイトに「ドーグス」という名前を付けて、1985 シーズンの前に彼らを鼓舞しました。ドーグ パウンドは、カートランドのレイクランド コミュニティ カレッジでの 1985 年のトレーニング キャンプ中に始まりました。ディクソンと仲間のコーナーバックであるフランク・ミニフィールドは、クォーターバックとディフェンスの間の犬対猫の関係を利用して、ポンドのアイデアを始めました。
「クォーターバックは猫、ディフェンシブ ラインは犬というアイデアがあった」とディクソンは語った。 「ディフェンスがレギュラーサックやカバレッジサックを受けるときはいつでも、ディフェンシブラインマンとラインバッカーは吠えます。」この姿勢はトレーニングキャンプのスタンドにも反映され、ファンは選手とともに吠え始めました。その後、ディクソンとミニフィールドは、古いクリーブランド スタジアムでのシーズン前の最初の試合の前に、観覧席の前に最初の「ドーグ パウンド」バナーを掲げました。観覧席セクションはスタジアムで最も安い席で、そのファンはすでに最も声が高いことで知られていました。彼らは、犬の鼻、犬のマスク、骨の形をした帽子、その他の風変わりな衣装を身に着けて、心を込めて新しいアイデンティティを採用しました.

by Google翻訳さん

猫ちゃんQBに飛びかかる犬、に自分たちディフェンスラインを見立て、
熱心なファンたちは自分たちの応援エリアを Dog Pound: 野犬収容所  と自嘲したわけですね。。。

下記 Brownsコミュニティの記事には 更に詳細なDawgの生い立ち解説があります。
dog から d-a-w-g への綴り変更は 語呂合わせで決まったようですね。
*生みの親のディフェンス陣と練習したQBは 懐かしや Bernie Kosar。。。


オーナーの意向とか ファンへの浸透度とか 事情は色々あったのかもしれませんが
この Dawgが 犬のロゴマークなどの意匠に転化されないまま 且つ 非公認のまま 相当な期間ファンに支持されていたところがユニークです。
でも それは何故か?

養老孟司さん的に語れば 「これは 『犬のイデア』、
つまり  the dog でなく a dog  なんですよ」 と なるでしょう。

養老さんの口上を 著書『遺言。』からお借りすれば 後者は
「どこの誰かは知らないけれど 誰もがみんな知っている」犬。

アングロサクソンさんお得意のジョークに 「エレファント・ジョーク」というカテゴリがあったり、
口語表現に 「会議室のゾウ」 というものがあるように
見えていないものを意識の中に形作り 面白がる気持ちが
英米文化を構成するひとつの要素だと感じます。

わかっちゃいるけど 言えないんだよねぇー

ゾウではなく 犬 にしても 同じ塩梅で
ブラウンズファンの夫々は  ”Dawg” という守護聖人ならぬ守護犬?の姿を
それぞれ自分の脳に描き ご贔屓チームの同胞と連帯し アメリカンジョークを解する感性に裏打ちされた 『共同幻想』 を構築していたわけでしょう。
”The dog” ではなく 想像の世界での共通項  ”a dog”  であるがゆえに 身内間の心的結合は強くなったのかもしれません。

反例として、たとえば、現在のBrowns公式マスコットらしき以下の意匠は
雑な漫画のようで洗練が足りず 自分的には いまいちです。。。。

2015時点の公式ロゴだそうで

同じように このロゴを支持できないファンも多いのではないでしょうか。であれば
ファンそれぞれが 犬のイデアのもとに自分自身のDawgを実体化すれば
カスタマイズされるが故に満足度の総和が高くなるかもしれません。
*例えが悪いですが 偶像崇拝を禁止するイスラム教は それ故に 強い信仰を維持できたりする、のかなあ。。。

長々と書いてしまいましたが 元に戻って

実体を持たないDawgのエピソードは 「やわらかな洒落っ気」を存在させてしまえる鷹揚な一面を持つアメリカ社会ならではの
阿吽の呼吸を共有する楽しさの具体例かな と感じます。


[おまけ 1]

自分個人としては 最大公約数で満足の行く意匠を公式が用意してくれる方が納得感高いんですけどね。
アメリカンロゴデザインの華とも言えるNFL各チームのロゴを眺めているだけで 妄想逞しい子供のように 幸せな気分になれますから。

*数年前に大いに盛り上がり始めた ”Black Lives Matter” 運動の余波から Native Indianの意匠とチーム名を破棄し ロゴが W だけになったWashington Commandersのロゴ開発は まだこれからですね。。。。

なかには古いロゴのままの方がいいものも。。。
ここにもDawgの姿はなく 伝統のヘルメットが登場。

[おまけ 2]

ブラウンズが80年代に絶不調だったころ Clevelandから移転するゴタゴタがあったことをおぼろに記憶してました。

当時のNFL紹介深夜番組で 普段はファンで寿司詰めのスタジアムがガラ空きになっている映像が流れていたのを鮮明に憶えています。
ブラウン管TVの画面には ”Dawg has gone…."  のような横断幕も映っていたような?
「熱狂的で知られるブラウンズファンはこの後の楽しみを何に求めて生きていくんだろう?」 と 当時 どうでもいい心配をしてたなぁ。。

以下も 文末の紹介記事からの転用ですが
その当時の状況がまた新たに把握できました。
ブラウンズはレイブンズとして新たに転生するかと思いきや、
引っ越しせずにチームが存続できた というわけですね:

その後一度レイブンズとなりますが、ブラウンズはクリーブランドに残り、今のチームとなったとさ。

チームは元々同地区のクリーブランド・ブラウンズでしたが、オーナーと市民とでごたごたがありボルチモアに新たなチームを作ることに。
なのでブラウンズとはライバル関係にあります。

これら2チームの関係をJリーグで喩えると
横浜マリノスと統合した横浜フリューゲルス および
それに納得できないサポーターの声を燃料に誕生した? FC横浜
との関係に似てる、のかな、、、?


[おまけ 3]

Dawgより古い Brownsロゴ/マスコットの紹介を見つけましたが
NFLから転載許可されていないようです。。。。

ブラウンズにもマスコットあり

[おまけ 4]
ブラウンズファンの方の 熱いNFL関連サイトを見つけたので引用:


note内だけでも ブラウンズに限らずNY Jets等 さまざまなチームの信奉者が見掛けられ それぞれのファンサイトが多々あることを発見しました。
80-90年代とは違い NFLは 日本でも愛好家が更に増えたカテゴリになっているようで 感慨深いです。

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