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【アレ編】「地味な人生だったな、もう一回やるか?」 #週刊MONDAYS #映画MONDAYS

※週刊MONDAYSは、映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』を観てくださった皆さんに贈る、特別連載……と銘打った、制作スタッフたちの思いの丈です。毎週月曜日にお届けいたします。

映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』をご覧いただき、誠にありがとうございました。

ブランニュー月曜日がまたやってきました。でも今までの月曜日とは違って、

なんと週刊MONDAYSの最終回を迎える月曜日となります….(涙)。

10/28の全国公開を記念して始まった、この週刊MONDAYS。パンフレットという形でみなさんに情報をお届けできなかったぶん、noteでたっぷり!と意気込んで連載をはじめました。映画だけでなく、このnoteもたくさんの方にご覧いただきまして本当にありがとうございました。

最終回は、例のアレ編。
アレのお話をしちゃいますよ。アレです。後半に出てくる、部長のアレです。


まだ映画を観ていらっしゃらない方は、
この先はネタバレとなりますので、どうか鑑賞後にお読みくださいませ。


……いいですか?
まだ観ていない方、ちゃんと「戻る」を押しましたか?
さて、最終回は……




まだ映画を観ていらっしゃらない方は、
この先はネタバレとなりますので、どうか鑑賞後にお読みくださいませ。


……いいですか?
まだ観ていない方、ちゃんと「戻る」を押しましたか?
さて、最終回は……




まだ映画を観ていらっしゃらない方は、
この先はネタバレとなりますので、どうか鑑賞後にお読みくださいませ。

……いいですか?
まだ観ていない方、ちゃんと「戻る」を押しましたか?
さて、最終回は…… 


はい、「漫画編」です!
漫画の作画を担当したやじまりのインタビューと併せて、禁断の漫画についてのエピソードをお届けします!

(文・制作担当/ 福田文香 編集/夏生さえり)


※本記事は盛大なネタバレを含みます。

作品をご覧になった後に、お読みください。





後半の展開案

作品後半で明らかになる、部長の夢。この展開は、映画『MONDAYS』が、実話から始まったことに起因したアイディアでした。

企画編でもお話しましたが、MONDAYSのストーリーの発端は、私たちの上司である栗林が、同じようなツイートを何度も何度もしていたことがきっかけ。その内容は「つくるぞ」「めちゃくちゃつくるぞ」というものでした(このツイートは、渋谷駅の田園都市線内にも掲載いたしました)。

マネージメント業務で忙しく、つくりたいものをつくる時間がなかなか取れていなかった栗林のそのツイートを見ながら、「栗林さん、荷を少し下ろして、つくりたいものをつくってほしいよね」と、私たち部下はよく思っていました。

その後、栗林のツイートをきっかけにしてMONDAYSのあらすじができた後、「もしも本当に、栗林さんが原因でタイムループしていたら、どうすれはタイムループが終わるか?」と具体的に考えていくと、「とにかく、"めちゃくちゃつくって"、やりたいことをやってもらうのが1番だ」という結論に辿り着き、後半の展開案の参考にしたという……、私たちの個人的な気持ちが基となった展開だったのです(実はこの話、栗林には、公開後にはじめて伝えました笑)。

漫画という選択肢については、監督の竹林曰く「広告代理店という設定にまだ決まっていないころは、部長の好きなことを詰め込んだ雑誌を作るとか、部長の実家の家業を継ぐために協力するとか、どうしようか悩んだ時期もあったものの、身近な人からヒントを得て、漫画という選択肢が浮上した」とのこと。また、脚本の夏生は、「やります! と言ったきり、やらなかったことはずっと胸に残る。それが、本当に叶えたい夢なのか?よりも、そういう小さな後悔が、だんだんと心の中で存在感を増して、やがて大きな後悔になってしまう状況に心当たりがあるし、そういうものを”やりきった”と思うだけで、自信に変わり、人生が前に進み出すような感覚もある」と言っており、ふたりの「夢」や「後悔」の捉え方が、マキタスポーツさん演じる永久部長にはたっぷりと詰まっています。

漫画担当・やじまりインタビュー

そんな本作の最大のキーアイテムと言っても過言ではない、部長の漫画。実はこちらもチョコレイトに所属している、イラストレーター/漫画家のやじまりに描いていただきました。

漫画の作り方は、監督・竹林が、登場人物と構成、ざっくりとしたあらすじを作り、やじまりに依頼。その後、 やりとりを重ねながら、今の形に着地しました。

漫画制作を振り返るにあたり、やじまりさんに当時のことをインタビューしたので、その一部をご紹介します。

やじまり
1995 年生まれ。チーズと料理と映画が何よりも好き。 学生時代はグラフィックデザインを専攻。「絵」という「糸」で人と人を合わせるをモットーにイラストレーター、漫画家として活動中。twitter で自身の体験漫画を公開している。「TOKYO NEWGAME HOUSE」のキャラクターデザイン、 「石油王と結婚したい!」、「40キロ痩せても幸せになれなかった話」等手がけている。


ーどのように漫画制作を進めたのでしょうか。

やじまり:監督から構成をもらい、ストーリーのディティールやセリフを私が詰めていきました。『お、おい!人間起きろ!』『もう一回やるか?』など映画の中で繰り返し使用するキーとなるセリフは自身で考えました。

ー描くときに大事にしていたことはありますか?

やじまり:ちょうどこの作品を描いていた時は個人の単行本漫画の作業をしている時期と被っており、その漫画が一年くらい何度も何度も没になっていて……。それで、私はもう一生漫画を出版できないのでは?と苦しんでいる時期でした。今読んでみるとその葛藤が、すごく反映されていますね。苦しかったけれど、感情がノるいい時期にこの漫画を描けたんじゃないかと今は思っています。

ー絵柄にはこだわりはありますか?

やじまり:監督と話して、部長の世代が憧れた漫画をイメージして、水木しげるの『ゲゲゲ鬼太郎』やジョージ秋山の『銭ゲバ』を参考にしました。私は小さいころ、父が持っていた漫画しか読めない家庭で育ち、自分が手に取る漫画もその世代の漫画が多かったのでラッキーでした。親しみがあるぶん描きやすく、自分の記憶から思い起こして描くのが楽しかったです。

ー特にこだわったコマや悩んだコマはありましたか?

やじまり:この一連の流れは、自分で自分に問いかけ続けている内容だったので、鏡に話しかけてる気持ちになって苦しかったです。自分を傷つけているみたいで。でもこの流れがどうしてもよかったんです。

ーお気に入りのモブキャラはいますか?
やじまり:
バンドメンバーのこの子(下記参照)は、描いてて気持ちよかったです。

度々出てくる彼、ぜひどこにいるかチェックしてみてください!

ー観ていただいた方にメッセージをお願いします。

やじまり:私自信まだまだ夢を探してる人生の途中ですが、MONDAYSを見てドキドキしました!私も夢を追いかけたい!と見てくださった方々と気持ちを共有できたら嬉しいです。


以上、インタビューでした。

監督・竹林は、「漫画は、劇中では語られない部長の内面や背景を漫画から読み解くという想像を膨らませる要素となっただけではなくて、主人公や部長など、夢を抱いて働き続けながら生活する人たちの魂の叫びのような側面を表す必要不可欠な要素になったと思いました。

また、実際の漫画現場については、チョコレイトに所属しながら漫画編集の仕事もしている外川敬太にヒアリングしながら進めました。スクリーントーンなんかもう使わないんじゃないか、いや、部長の少年時代はアナログだったはずだから大丈夫だとか、共同作業で背景と人物の描き方で吉川たちが上達していることを表現したいので、背景は複雑なものにしたほうがいいかなとか。そんなことを擦り合わせながら進めました。やじまり、外川という漫画に詳しい人たちが身近なチョコレイト社内にいたというのも本当に救われました」と語っていました。

多くの人の力を借りて仕上がったこの漫画……、上映後に「漫画全編を読みたい!」と多くのご感想をいただきました。私たちも、やじまりが心を込めて作ったために読んでほしい気持ちでいっぱいなのですが、これから本作を初めて見る方々のために、拡散性のあるnoteのような場ではなく、別の場でしっかりと紙で(!)、欲しいと思ってくださる方の元にお届けできればと目論んでおります。どうか続報をお待ちいただけたら嬉しいです。

以上、漫画編&最終回でした!

企画編から始まり、脚本編、撮影編、美術編、音楽&編集編、宣伝編……そして最終回と、ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。週刊MONDAYSはこれにて終了となりますが、引き続き、劇場では上映しているので、もし週刊MONDAYSを読んで気になったあれやこれがありましたら、ぜひ劇場で確認してみてください。

この先もいろんな映画が生まれるので、みなさんはMONDAYSよりも、もっともっと面白い作品に出会うこともあるでしょう。

でも、私たちのことも、どうか忘れないでください! 
鳩です!! 
それでは、またいつか👐




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