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肉を食べるために資格取得をする?

こんなテーマ、「は?」って感じですよね。
実際にはありえない話で、法律の中にもそんなルールはないわけです。オーストラリアで生活をしていると、ワーホリビザが使える中でもで人気の国。そして多種多様な文化を持つ人間が多いなって感じるんですね。
だから、宗教によって食べれる肉が決まっていると言った国を連想するとおもうのですが、少しそれとは違ったお話です。
はじめてのオーストラリアのエッグファーム(卵農場)で働いて、ワーホリの良さは、人によって紙一重だなって思ったことを書き残しました。

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じつは、この題はわたしとポールが仕事の話をしてる間にお互い感じたこと。

西オーストラリアの首都パース(Perth)から車で6時間ほど北に上がったカルバリ(Kalbarri)という海の綺麗な田舎町に住み始めました。
スーパーは一つかな。郵便局だったり、パブやパン屋さんもあるけど一つずつのお店すべて一箇所に固まっている町のイメージです。
町から出れば荒野が広がります。ど田舎なんて言葉じゃ表せないぐらい。笑
この写真の左奥に見えるのが街でここに家も店もぜんぶ集まっている。この街を一歩出ると荒野が広がってるのね。


オーストラリア三年目、エッグファーム(Egg farm)で働き出す

(エッグファームでは写真を撮影してネットにあげることが禁止されているので、似ている画像を拾ってきました。)


一年目も二年目も年のはじまりはいつもファーム仕事。(そんなはずじゃなかったのに…)

仕事内容はスーパー簡単!
コンテナーみたいな流れ作業台に流れる卵の割れや殻の汚れをチェックしたり、パッケージに詰められた卵を一つにまとめたり。(パッキングも機械がやってくれます。)
スーパー簡単だし、疲れないし、鶏とも出くわさず綺麗なお仕事でもあります。

ところがどっこい!
それはシェッド(shed)と言って、卵を保管しといたり、オフィスがある場所であり鶏がいるファーム(Farm)で働くと、そんな簡単な仕事のイメージがすべて吹っ飛びます。
仕事はまったく同じです。ようは、卵の検品作業をしているわけです。
そして卵が流れてきて、終わりを教えてくれる合図がプラスチックの白い卵型のケースが卵と一緒に流れてきます。このプラスチック卵が出てきたときと、ミュージックボックスでテクノが流れてきて、もう止まらぬ高揚感がたまらない!
と、仕事が終わると思っていたら。

鶏がいるケージの簡単なお掃除が待っていたんです。
メンズがメインに担当するのが、フリーケージ鶏(ケージなしの鶏)
レディスが担当するのが、ケージに入ったケージ入りの鶏。こんな画像のような場所です。

一つ一つのケージはとても高く、その長く高いケージは六階建てになっており鶏がぎゅうぎゅう詰で入っているのです。それが一つの工場のようなSHEDに四列、五列ほど。
高く長くそびえ立つケージ、1万匹以上は余裕にいる鶏の鳴き声、吐き気をもよおすような匂いと汚さ。ホラー映画なんか比ではない恐怖です。

産んだ卵は細いコンテナーに運ばれ、私たちが作業していた場所にたどり着くわけなのですが、ゴミが溜まりやすい場所、卵が落ちやすい場所にはケースを置いているのでそのケースのゴミ捨て、ケース洗いを行います。
どれくらい汚いかと言うと、ホコリ、蜘蛛の巣、ネズミの糞、餌、卵、あらゆるものが混ざり、死んだネズミの匂いは嗚咽をさそいます。
ちなみにわたし達が簡単な仕事をしていたっていう部屋にもネズミの死骸が数匹、生きてるネズミも数百匹って感じですね。

まぁ、言いたいことは「ディスカスティング(discussting!)」。
本当に英語でこんなに意味を感じて使えるのはじめてで、そんな気持ちにさせるぐらいな場所です。
臭くて、汚くて(毎日掃除はしてます)こんなとこで毎日仕事したら早死にする、健康でも病気になる、人間が感染る病原は鶏からくることがあるのに納得!しか思えないんです。あそこにいると。ほんっとに、ありえない!

何回、カラゲボ(嗚咽)をしたことか。卵ですら食べる気が失せるんですよ。ネズミの死骸を見るたびに「オエっ、オエ」って。

でも、じつは食べる牛のキャトルファームにもいたことあるんですが一日で80匹の牛に注射を打ったりした日でも、もりもりステーキ食べてましたわたし。笑

食物が作られる工程を想像したことありますか?



そんな初日の仕事を終えて思うのが、食が作られる過程って想像ができないほど壮絶で自分が知らないことばかり。でも食材ってお金すらあれば当たり前に買えるんですよ。コロナによって食材が届かない問題はオーストラリアでちらほらありましたが、食べ物って人間の絶対条件で崩せないんですよ。
だから簡単で当たり前に手に入る。
こうやって言葉にするのも簡単。

だからこそ、車を乗るには車の勉強をして練習して乗れる資格をとるように
小学生の頃にサツマイモを育てて、汗水流して引っこ抜いて、食べた感覚と同じように、肉を食べる、チキンを食べる、卵を食べるのに実際に育てたりしている場所での実施訓練みたいなのがあってもいいんじゃないかな〜って。
ポールと話したんです。
想像をはるかに超えた感謝もこみ上げるんですよ。だってわたしここで一生働けないですもん!でもいるんですよ実際にたくさん関わっている人が。


ケージフリーの卵は安全で清潔なのか?

衝撃はとてつもないものですが、ケージフリーの卵がどうとか、ケージで暮らす卵はどうとか、美味しさ、安全性も大切だけど。どの卵も汚いし、良い悪いって両方どちらもあるんですよ。(あとちなみにケージフリーの清潔とか、狭さ広さとか思っている以上にたいして変わりもないです。笑)所詮、鶏は鶏。ケージにいますよなんだかんだ。外に話したら狐にウサギにっていろんな動物にやられますからね。
どちらをとっても、鶏はストレスをもって生活してます。
ネットで調べることが、情報提供者の気持ちが偏って表現されていることって多いんではないかなって感じました。わたし自身も働き出して、知らないことは多いですが同僚から聞いたことや、自分で経験したことをもとに考えてみると、どちらの卵も大きく変わりはないかなって。

卵を買うときに気をつけることは?

オーストラリアのスーパーで売られている卵って家で確認してみると、普通に割れてることって多いんです。だから、買う前にパッケージ開けて確認するっていうのが基本です。

実際に働いてみて気をつけるべきポイントを少しでも共有できればと。

買うべきではない6つの卵の種類

  1. 表面にざらつきがある(ヤスリのようなざらつき)

  2. 表面が平らではなく、デコボコ隆起のあるもの

  3. 卵の表面にデキモノのようなポツポツがあるもの

  4. 卵の殻の内面から透けてうつっているように見えるまだらな模様があるもの

  5. 血がついたステインの残る卵

  6. 吹いても消えない白や透明の汚れ(ネズミのオシッコ)

なかなか、こういった卵も見ることが少ないのが市場に出ないように仕分けをしているからです。それでも人間が行う作業で仕分けきれなかったり、そこまで酷くないものはそのまま売りますからね。

オーストラリアで生卵は食べれるか、食べれないか

サルモネラ菌が付いているかもしれないとのことで、生卵を食べることに躊躇する方はたくさんいますね。でも生卵としても食べれるんです。

そして、わたしからのアドバイスは生卵で食べる以前に調理で使う前に

  • 卵を70度以上のお湯でサッと洗って使う。

  • 卵を触った手で他の食材を触らない!

オーストラリアでは日本と違いすべての卵を洗浄していません。
本当に汚い鶏小屋から取り出してそのままです。糞がこびり付いて取れないものなどは機械に入れていますが。
ネズミが触ってる、ネズミの糞に触れていた以前に鶏がいる小屋全体には羽や目に見えない粉末になったものでいっぱいなんです。
こんな話を聞いて過剰に気にしてもらいたくはないですが、さすがにわたしでも耐えられない汚さなんです。


ワーホリで得られるものとは?


30歳を超えて、一生続けたくもない仕事をしてみるってマイナスに感じますよね。日本人であれば目標に近づく、次に繋がる、「なにか、意味がある仕事がしたい!」が、だいたいです。
でも、ワーホリだからこそオーストラリアだからこそできるし、他じゃできない、一生やりたくないから一瞬だけ!みたいな感覚の仕事ができるんです。
仕事大好きで生きてきた20代前半からでガムシャラで、役職があってなんぼでしょって、お金があってなんぼでしょって強く生きていたからこそ、
自分の感覚が変わる瞬間だったり、思考が変わる瞬間を掴めるってのがワーホリの良いところだなって。

今まで生きてきて、お肉を食べること、卵を食べることについて考えるのって値段が高いか、安いか。どこの生産地かなんてたまに見る。
自分の当たり前が覆されるような世界に足を踏み込むってすごくすごく楽しいんです。それで給料が10万円月にアップされる仕事に就けるとか、夢が叶うわけではないんです。
でも経験って、人生で大事なことっていうのをひしひし感じれるんです。

そんな日記でした。ナゲー

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