若者の_SNS疲れ

地方に移住した若者の「SNS疲れ」はさらに増える


「あのSNSは、やめたんです。」

ニコニコよく笑うその女の子は瞳の奥に、すこしばかりの影をひそめていた。

「あぁ、わかるなぁ」

わたしも当時すごくSNSに疲れていた。

信念をもって発信している内容に対して「自分の意見は正論だ」と主張してくる人。誰でも書き込めるコメント欄を超えてご丁寧にメッセージまで添えてくる人。

若者移住者はSNSに少し疲れている。

SNSの投稿は「主観」の集まり


主観だから誰しも意見が違って当然で、価値観の違いにおもしろさを感じるから意義があります。意見が食い違ったとしても、意見交換をすればいい。違いを感じたらいい。それだけの話です。

けれど「自分の正しさ」をわかってもらいたいがために、投稿主がどんな気持ちかも知らぬまま、心ないコメントやメッセージを送ってくることがあります。違いを「間違い」だと指摘してくる。

きっとここまではよくある話ですね。どんな人でも一度は経験したことがある定番の話なのだと思います。

地域おこし界隈(?)は主観のぶつかり合いが多い

「移住してきた人間」というのは、だいたいアクが強いです(笑)

信念を貫くために新たな環境で、自分の哲学に一本の筋を通すために来た人が多く、四苦八苦しながらも「SNS」を通して自分の意見を広めたり、考えを深めたりしている。

しかし、水をさすように「それは違う」という「何者か」がいかに「違うか」を聞いてもいないのに、説明してきたりします。その人なりの親切なのかもしれない。世の中ではそういったことを「クソバイス」と揶揄する言葉もありますね。

移住してきた若者は、年上の人や地域に長年住んでいた人には意見をしづらいもの。どんなにサイコパスな人間でも地域の人と接するというのはかなり気を使います。東京では職場の人にさえ嫌われなければそれなりうまくやっていけますが、地域の人に嫌われるとなると話は変わります。

わたしは地域の人とのぶつかり合いに消耗するのが精神的にキツイので、自分の意見とちがう人にはあまり近づかないようにしてます。

地域社会は「噂」が風のように広まり、事実無根が流れたりします。地域単位でみると「発言する」というのはかなりこわいことであるという認識は未だ強いです。

地域おこし系イベントは顔見知りしかいない

「地域の魅力再発見系」の移住イベントもよく見かけます。だいたい行政かNPOが主催です。(マネタイズのポイントがほとんどないという点から...)

移住1年目は知り合い、友達、仲間、を増やすためによく参加していましたしSNSのつながりも増えました。

ただ最近その手のイベントに思うのは「もうその話題はいいかな〜」なんて思ったりしています。「地域づくりがんばろう」と滾る人びと。何ができるか考える人びと。名刺だけ交換して終わりな関係。

「地域のいいところワークショップ」をやって登壇者が好きなように「与えて」参加する人は当たり前に「受け取るだけ」で終わったりもしますね。

登壇者そのものは魅力あるのに、イベントの方向性が登壇者と参加者とに上下な関係性のあるものばかりで、地域にまだ馴染んでない人が人脈を作るという点においては有用なイベントかもしれない。けれどある程度、町規模レベルの知り合いが増えると同じ顔ぶれしか集まらなくなるなぁと感じていました。

移住当初燃くなっていた「地域を良くするぞ」的な想いにマンネリ化が見えはじめたとき、自分のほんとうの役割が見えてくる気がしています。住人目線に変わってきているから。

それゆえにSNSで地域起こそうぜ系の投稿をみるとギラギラして疲れてしまったりしますね。「宣伝ばかり」な投稿内容もスルーしてしまいます。

「それほんと?」まがい物の想いが飛び交うSNS

何者でもなかった若者が、移住して何者かになりえる手段であるSNS。

若者にとって自分の意見を広められるすばらしいツールであることには間違いないです。とはいえわたしの体感として実際地域に3年以上も住むと「あの人外向けにはああいったこと発信してるけど実際違くない?」という違和感が見えてくることがある。それでSNSをそっと閉じたりもする。

「発信内容と現実に乖離のある違和感」や「自分は正しい」という意見を述べてくる人びとへの対応。それらの「疲れ」がすこしずつすこしずつ増えていっているのを感じます。

その疲れがたどる先は、あるときを境に発信をパタリとやめて、家庭だけに専念してひっそり暮らすことを望むようになっていきます。

それでいいのかもしれない。それがいいのかもしれない。本人が心のそこからしあわせなのが一番だ。

SNSは今日も何者かが何者かと争っている。承認欲求や信念をもってSNSを利用するか、はたまたパタリとやめて心の安寧を手に入れるか。

SNSとの距離感。それぞれ適度に保っていきたいものですね。


ちなみにわたしのtwitterアカウントです。フォローしてくださると喜びます〜。twitter全然やってなかったのですが、最近再びやり始めました〜!!


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