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絵を描くこと

期待し過ぎてもいけないし、関心がなさそうなのもダメ、褒めればいいのか、励ますのがいいのか。

習い事を続けるのは、基本的には子どもの関心次第みたいなところはあるけど、親がどうやって関わっていけばいいのか、相変わらず模索しながら続いているのが、子の絵画教室だ。

夏休みが始まってすぐの教室で、子が絵を描くための画用紙を取りに行ったら、そばにいた大人たち(生徒の親)が、子に紙を渡していた。急に拍手までしてくださったので、これはなにかいいことがあったのだと思った。

画用紙とともに、A4サイズの紙を持って戻ってきた子は嬉しそうだ。とあるコンテストに向けて描いた絵が、佳作をいただいた知らせだった。

なんと。

嫌々通いながらも、時おりドキッとするような絵を描くから、親としても驚いた。

応募前に撮った写真をカメラロールから呼び起こす。

姉妹が橋の上から、花火大会を眺めている絵だった。暗闇…と言っても、真っ暗ではなく深い藍色で塗られていた画面に、ぼんやりと光の輪が広がっていた。

水彩画なので当たり前だが、暗闇の上に花火を描くことはできない。暗い空を塗るときには花火の場所を空けておかなくてはならないし、全体の暗さを考えて、姉妹の浴衣も塗られていた。

驚いたのは、その景色を想像で描いたということだった。花火を橋の上から眺めたことはあるが、それはもう数年前のことだし、その時には浴衣は着ていなかった。

しかし、絵の中の姉妹はそれぞれお気に入りの浴衣を着ていた。

細かい描き込みがあるとか、場面の構図が斬新とか、そういう絵ではないけれど、とても情緒的で季節感のある絵だった。

先日、その授賞式があった。会場には何枚もの受賞作が飾られている。最優秀賞の絵は、確かに!と思えるものばかりで、絵から熱意が伝わってくるものばかりだった。展示会場の隣に、表彰式の会場があった。

子どもとその家族が集まって、名前を呼ばれたら前に進み、賞状を受け取っていた。部門もいくつかあり、受賞者はかなりの人数だった。

やや待ちくたびれてしまった子が呼ばれ、賞状を受け取りに向かう。人生で、賞状をもらう場面なんて、あまりないことだから、緊張していたかもしれない。

ちゃんとお礼言ってきてね、と告げたのを気にしていたのか、戻ってくると「ありがとう、って言ったよ」と話してくれた。

夏休みの始まりにお知らせの紙を受け取って、終盤に授賞式があった。その間、絵を描いていたかというと、教室以外では描いていなかった。

つい、絵が上手くなりたいとか思わないのかな?なんて聞いてしまいそうになる自分を押し留める。きっと、絵だけじゃない。楽しいことがたくさんあるのだと思う。

技術が上がれば、もっと描きたい絵が描けるようになるのに、なんて思うけれど、子の詩的な感性のある絵がまた見られればいいなと思う。

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