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あさんぽ

朝早く起きて、近所を散歩してみると、色々な発見があります。日頃暮らしている地域でも、知らない道、知らない場所はたくさんあるのです。そういう発見という価値があるのは、もはや僕が書かなくても知られている効用なのです。

でも、この記事で書こうとしているのは、まもなく5歳の娘と過ごした、朝の散歩(あさんぽ)のことです。
日頃、寝られるだけ寝ている娘が、ある土曜日の朝5時に目を覚ましたのです。5月に入って、朝の早い時間帯でも明るく、そして空気も清々しい日でした。ふだん早く起きている僕にとって5時はふつうですが、娘はあまり経験のない時間に起きたこともあり興奮気味でした。

M「なにかしたい」
僕「じゃ、散歩いこうか」
M「えー、やったー!」

いつもなら寝起きのけだるさを引きずるように動く娘が、さっさと立ち上がり、階段を降りて、身支度を始めました。新しいこと、出かけること、見たことのない場所、お母さんは寝てる(笑)・・「あさんぽ」は彼女にとって、キラキラした未知の世界だったのです。

住宅街を歩いていると、手の入った立派な庭や、同じように散歩をしている地域の方を見かけました。目が合った時、あいさつをすると、向こうからも返ってきて、それを見た娘も勇気を出してあいさつをしていました。にこやかに返事がくると、恥ずかしいような嬉しいような気持になるのか、握っていた手に力がこもることがありました。

河川敷に着きました。川面の近くまで下りたいという娘。コンクリートで固められた土手を、ゆるゆると下り、水面に手が届きそうなくらい近い場所に来ると、「わー、ここはすごいね!ママにも見せてあげたいね!」と言ったのです。外で遊ぶことも減り、歩くことも嫌がっていた娘が、ウキウキと歩いてきた時間を思うと、散歩に誘って良かった・・と浸っていた僕の袖を引っ張って、「写真撮って!」とひと言。スマホで写真を撮り、妻に送信しました。

ひとりで黙々と歩く散歩も好きですが、こんな楽しみ方もあるんだなぁと、気付いた朝でした。ゆっくりと進むには、朝の時間帯は焦らなくてすむ気がします。一日が、まだまだ残っているからでしょうか。

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