公園と美術と記憶と
ざっと雨が降って、持っていた折り畳み傘を広げて建物に戻ろうとした時、空が晴れて、目の前に虹が架かっていました。
見上げるでもなく遠くでもない、手の届きそうな場所に、虹が見えたのです。
はっきりとした虹の少し上には、上下が反転した虹がうっすら架かっていました。写真では、く背景に山がある画面の左側にちょっと見えるでしょうか。
毎週月曜日は、旅の記録を書いています。
夏休み、家族で旅行の予定でしたが、下の子が体調を崩してしまったので、上の子と僕だけで出かけました。
行き先は、ずっと行きたかった、「箱根彫刻の森美術館」この情報が詰まったネーミングもさることながら、子どもの頃に行ったことがある朧げな記憶が僕にはありました。
子どもには退屈だろうけれど、外で走り回って美術作品を見るというのも結構楽しいかも知れない・・と、淡い期待と共にやってきました。
子どもには退屈かも・・は杞憂に終わり、子どもが入り込める作品や座ったり触ったりできる作品がありました。子どもは、あちこち行きたがって、公園のような楽しみ方をしていました。
僕が子どもの頃に訪れた時にはなかった、子どものための遊具施設(下の写真)は、まさにどこかの公園のような賑わいでした。
どの子も、汗だくになるまで遊んでいて、周囲を待っている大人が取り囲む、いつもの光景は、観光地とはいえ変わらないのだと、微笑ましく思えました。
抽象的な彫刻には「何これ?」と反応し、ガラスでできた部屋のような作品は「アナ雪みたい!」とポーズを取って写真に収まっていました。
彫刻の森の凄さは、屋外に彫刻があるけれども、どれも綺麗に保たれていることです。街の公園にある銅像などは、風化したり汚れたりしているものもあります。でも、同じような環境下であるはずなのに、どの作品も古びていないのは驚きでした。
意欲的なインスタレーションもあり、巨大な猫が芝生の上からこちらを覗いていました。新しい挑戦を応援する場所としても、ここが機能していることを知る良い機会でした。
上の写真でもわかりますが、僕がとても感心したのは、園内のどこも芝が綺麗に刈り取られていることでした。広い平地はもちろん、急な斜面も芝の長さが均一に刈り取られていて、日頃の維持管理の苦労を思い、つい芝を撫でてしまいました(そんな奴いない笑)。
彫刻の森といえば、このステンドグラスの塔のような作品。ぐるぐると階段を上がっていくと、いつまにか結構な高さになっていました。
先程の猫の作品は、塔の上から撮ったもの。高い場所が苦手な人は、降りる階段が怖いのでご注意を。登るまで気が付かなかったのですが、基本的にずっと足元を見るので下りはなかなか怖い景色でした。
はしゃいでいた我が子も、下り階段は手すりをぎゅっと握りしめて、ゆっくりと降りていました。
改めて感じたのは、分かりやすい作品と、なんだか分からない作品がバランスよくあったりとか、屋外ならではの開放感があったり、騒いでも気にならない、公園のような居心地の良さ。
この美術館がいつでも人気があるのは、こういう価値があるからなのか、と納得しました。さらに、子どもが楽しめる施設がきちんとあると、大人は安心して連れてこられますね。
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