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食べていないもの

食文化は各家庭にあって、結婚したりするとその文化を持ち寄って新たな文化として醸成される・・みたいなことを書いたのは先日のこと。作り置きしておく食生活に変わり、そのきっかけになったのが一冊の本だったことを書きました。

その食文化という暮らしの中の「当たり前」のようなものが、結果としては同じだけれど、理由が反対方向だったという話を。

みなさんは、コーンフレークってよく食べますか?僕はほとんど食べないのです。多分、大人になってからは全く無いかも知れません。深めのさらにフレークをシャラシャラと入れて、牛乳を注いでシャクシャクと食べる。

子どもの頃、このコーンフレークが食べたくて食べたくて。でも、我が実家ではほとんど買ってくれませんでした。トラのキャラクターのCMもよく放送されていて、コーンフレークだけではないシリアル系も、徐々に増えていった覚えがあります。

まれに買ってくれることがあっても、下の兄弟たちに食べさせることが多く、僕は最初の1回を食べると、次の朝食では下の子たちに譲っていました。だから、あまり食べた記憶がないのです。

いつしか、食べたくて仕方なかったコーンフレークは、「牛乳吸ってベチャベチャになる」とか「サクサクした食感が苦手」などと理由をつけて食べたい気持ちを抑え込んでしまったのでした。

そして、いまの話を。

子どもたちが成長してきて、なんでも食べられるようになってきて、店で買い物をしていると、コーンフレークって種類も量もまだまだあるんだな・・なんて棚を眺めることがあります。それにしても、我が家にはなぜコーンフレークが並ばないのだろう、朝食としては準備も楽なのに。

そんな話をしたら、妻はコーンフレークは「もう、たくさん」だと言うのでした。牛乳も苦手だったし、食べさせられすぎて飽きてしまったから、買おうとは思わない・・と。なるほどそういう理由もあるのかと思いました。

妻は、僕の今の食生活や食文化のようなものは、実家で出来なかったことを実現させているようなものかも知れない・・と考察していました。

ふりかけをたくさんかける、海苔の佃煮をたっぷり食べる、納豆1パックをひとりで食べる・・これは結婚してから、僕がご飯を食べるたびに実現させてきた”ささやかな夢”のようなものでした。

我が家におけるコーンフレークと同じような存在として「ミロ」もあります。僕はほとんど飲んだことがなくて、飲みたいと思っていたのですが、妻は「もう、たくさん」だと。

近所のお店で満を持してミロを購入し、袋に書いてある通りに作ってみたら、なかなか溶けずに粉がダマになってしまいました。味は、見た目通りの甘いココア味。

当時はビタミンだカルシウムだと気にした覚えはないのですが、飲みやすいココア味の栄養補助食品のようなものかと、ひとり納得しました。

食べること、料理すること、買い物すること、そんな食文化は深淵なる存在だと改めて思うのでした。


#食文化 #コーンフレーク #ミロ #大人



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