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親子で台所に立つ、年の始まり

俳句の季語は言わずもがな、季節を表すもの・風景・仕草を短く表現した言葉です。その中に「包丁始(ほうちょうはじめ)」という言葉があるのを下の投稿で知りました。

その年に初めて台所仕事をすることを指すのだとか。毎日のことを、新年に肖って、ひとつ特別なことにするという視点は、気持ちを一新させ、道具への愛着を一層深く感じる瞬間かも知れません。

元日の実家での新年会を終えて帰宅した夕方、台所に立った時に、投稿のことを思い出しました。一年に一度しか経験できない、包丁始でした。

昨日もやっていたことだけれど、まな板を水で濡らして、軽く水を切って、包丁を取り出す・・この一連の動きが、無意識でなくなっただけで、料理をすること、誰かが食べてくれることに、ちょっとした喜びを感じました。

家族で帰宅したものの、下の子が車の中で寝てしまったので、妻が車に残り、僕と上の子が家の中へ。僕が台所に入っていると、手持ち無沙汰になった上の子が台所にやってきました。

いつもなら「なんか食べたい」と言われて、「ご飯前だから!」と押し問答になるのですが、実家でたくさん食べていたので、お腹は空いていない様子。いとこたちと遊んだこともあって、遊び足りない様子もなく、落ち着いていました。

僕は、味噌汁を作ろうかと思っていたところだったので、声をかけました。

「野菜、切ってみようか」

実家にいるときに、自分よりも小さないとこが包丁を握っていると言う話を聞いて、思うところがあったのか、上の子は嬉しそうに頷きました。

そして思い出したのは、色々なことを教えてくださる先輩ママの、カミーノさんの記事でした。

自分がやった方が早いのは分かっているけれど、待つ・・待つ・・

何度も自分に言い聞かせて、人参、玉ねぎ、小松菜、豆腐・・それぞれの素材を包丁で切って鍋に入れる作業を見守っていました。

切り方を簡単に教えて、包丁の向きや力の入れ方などを伝えて、危ないときには声をかける・・ついつい言い過ぎてしまいそうになりつつ、グッと堪えました。


指を切ることもなく、鍋に入れ終えて作業完了。すると、達成感を得られた子は、「ほかにやることないのー?」と一言。洗い終えていた食器を拭いて、片付ける作業もお願いして、一緒に台所に立っていました。

夕食時、誇らしげに「味噌汁を作った」と言っていた子に向けて、妻や下の子は「美味しいねー」と告げました。すると、上の子は嬉しそうな表情を浮かべたので、すかさず「作ったものを食べてもらうの、嬉しいでしょ」と、念押し(笑)

また作ってもらいたいという気持ちと、料理のほとんどが誰かが作ってくれていることを知ってほしい・・そんな複雑な思いを抱えながら、元日の夕食を過ごしました。

これをきっかけに、子と一緒に台所にたつ時間が増えるといいなと思いながら。

今年もいい年になりそうです。

#包丁始 #包丁 #手伝い #切る #見守り  

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