自分のために生きている。
ブルーライトカットの眼鏡のように、太陽光を遮る木々に囲まれた峠の道で、所々錆びの付いたガードレールにもたれ休憩していると、大人のふりをしたガキみたいな先輩が僕に「あの犯人、お前でしょ?笑」と唐突に言ってきた。セミの鳴き声が聞こえているが、カフェのBGMよりも風景に馴染んでいるので、特に意識することはない。あの犯人とは、最近ニュースでよく取り上げられる、深夜徘徊をしていた少年少女が連れ去られ殺害された事件の犯人のことだ。これは「確認のためのコミュニケーション」で、その先輩が自分