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『グラナダを物語の主役に据える人たちがいる』 -ラ・リーガ第14節 グラナダvsレアル・マドリード

今回のスペイン渡航&リーガ観戦でやりたかったことが1つ、先週末の試合を機に整理されたので、文字に残しておきたい。


日曜日、朝早くから静まり返る街へ繰り出し、片道約3時間をかけてセビージャからグラナダへ移動。旅行者が軒並み訪れるアルハンブラ宮殿を遠目に見つつ、街の南の方に位置するサッカースタジアムへと向かう。グラナダ対レアル・マドリードの“Partidazo (ビッグマッチ) ”を見にきた。


この試合の構図は改めて説明するまでもないかもしれないが、リーガの中でもいわゆるスモールクラブに分類されるグラナダが、世界を代表する超メガクラブを街をあげて迎え撃つ一戦だ。

昼間に市内を歩くと、期待していたような “街をあげて” 感が意外となかったのは、この街が世界中から文化人を呼び寄せる観光地だからかもしれない。しかし、やはりスタジアムに行けばそこには期待していたような景色があった。



この日、こういう写真を撮った。

スタジアムにホームクラブの公式ショップが併設されているのは当たり前。

そこにそのクラブの選手のシャツがあるのも、どこだって同じだ。

家に帰って写真をパソコンに書き出したとき、なんでこんな写真を撮ったんだろう、と少しのあいだその時の気持ちを思い出そうとした。

でもちょっと考えればちゃんと思い当たる節があった。

・ ・ ・

この日は、ベンゼマ、ヴィニシウス、モドリッチ、クロースなど、サッカーファンなら誰もが憧れるスター軍団が目の前に姿を現す日。

2年ほど前からやっているメディア関係のアルバイトでも痛感するが、世界中のメディアはこの試合がどんな試合結果になろうと、アウェイチームの「レアル・マドリード」を主語とした記事のタイトルを世に送り出す。それだけ、両クラブの注目度の差は歴然としたものだ。


それでも、彼らのような世界的スターではなく、アントニオ・プエルタスだったりルイス・スアレス(じゃない方、でお馴染みのコロンビア人)だったりを自身のアイドルとして仰ぎ、彼らを見て目を輝かせる人たちが、確かにそこにはいる。

グラナダを物語の主役に据え、マチスやプエルタスのユニフォームを身に纏い、この日もキレッキレのヴィニシウスに壮絶な罵声を飛ばす人たちが会場の大半を占めている。


こういった景色、日本からは見ることができない景色を見ることこそが、最もやりたかったこと。この景色を少しでも伝えて、みんなにとってのリーガの解像度が少しでも上がれば、もっとリーガが楽しいものになるんじゃないかと感じている。

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