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温泉と北極星

夕方温泉に行ってきた。露天風呂から見る北極星が綺麗だった。空の青さが減って夜の深い群青色になった。オレンジのライトに照らされた温泉の水面がゆらめいて美しかった。風が吹くと立ち込めていた湯気が散らばって現れた夜空がより澄んで見える。家族も誰もいなくて自分だけで湯に浸かっていると自分が一体いくつなのかわからなくなる。少なくとも今の自分と認識できているのは29歳からなのだけどそこから10年何も変わっていないような錯覚に陥る。冷静に考えてみればパートナーと出会ってからの自分も息子を産んで母親になった自分も足されているわけだから、29歳の頃とは違う自分であるんだけど、確かに今日露天風呂で星を眺めた自分は10代、20代、30代のそれぞれの自分に立ち返った瞬間があったように感じたのだ。人間は過去を知り、未来を想像することはできても今現在しか知覚できない。けれど確かにどの時代とも連綿と続いている。あの北極星が太古から宇宙にいるように。
全然関係ないんだけど温泉のシャワーって個体差大きくてただ頭洗っているだけなのにツボ押されてるくらい水圧強いのあるよね。水圧でどんどん浮いて手から離れていこうとしてて草。きっとどの世代の自分も全員笑っているだろうと思った。

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