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過去の経験を掘り下げて再現性を探る「構造化面接」とは?

お疲れ様です。もなきです。
転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTubeをしたりしています。

お盆休みも明け、気付けば8月も終わりに近づいていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

なんだか今年は夏らしいことをせずにあっという間に夏が終わっちゃって寂しいですね。本当だったら今頃オリンピックのフィナーレへ向けて日本中が大熱気だったんだろうな。。

さて今日はあのGoogle社も使っていることで有名な「構造化面接」について書きたいと思います。

構造化面接って何?

「構造化面接」は、すごい簡単に言うと

構造化面接とは
採用したい人の要件を明確にし、質問項目や評価基準を決めておいて、それ通りに面接をしていく手法

のことです。
採用したい人の要件は決めている会社はもちろん多いと思いますが
・面接でどんな質問をするか
・質問への回答をどう評価するか
までを明確に決めている会社はそんなに多くないです。

一般的に、面接は面接官ごとの「主観」が入ります。皆さんの勤務先でも聞いたことないでしょうか?

「山田部長はガッツがあって行動力がある人をやたらと評価するよな」
「役員の鈴木さんはすごい学歴を気にして面接するよね」
とかね。

別に学歴の話が好き、ガッツと行動力が好きなのは個人の自由なんですが、面接の場面で主観や趣味嗜好で判断しても、会社として必要な人材は採れないです。入社したら活躍してハイパフォーマーになった可能性がある人材を、面接官の主観でお見送りにしてしまうことは大きな機会損失を生んでしまいます。

今のご時世、より一層採用に慎重になり、構造化面接の考え方を導入する会社は増えています。

先ほど触れたように「面接官の主観による判断を少なくできる」というのも背景の一つですが、他のメリットとして、質問項目や評価基準を決めると言うことは「面接時間の短縮化」にもつながります。人ごとにカスタマイズして質問を考えたり、どう評価するかを都度都で考える必要がないからです。1人当たり毎回1時間の面接時間を設けている会社が、半分の時間で面接を完結できるようになったらとても生産性は上がりますよね。

で、ここからが本題です。

このnoteはあくまで「転職活動中もしくはこれから転職を考えている人」へ向けた発信です。なので、先ほどから説明している「構造化面接」に出会った時へ向けて、どんな対策・準備をすればいいのでしょうか?

構造化面接と気付くには

まず「あ、これは構造化面接やってるぞ」と気付くことは可能でしょうか?

結論から言うと、可能です。

構造化面接って何なのか、もう一度定義から思い出してみましょう。

構造化面接とは
採用したい人の要件を明確にし、質問項目や評価基準を決めておいて、それ通りに面接をしていく手法

です。つまり、採用したい人の要件に繋がりそうな話がきたら「ほいきた!」とばかりに、決められている質問をスタートしてくるのです。なので「あ、なんか急にスイッチ入って掘り下げてきたぞ」という場合、その一連の質問を通じて焦点が当てられているポイントが、その募集ポジションの採用要件の重要指標です。

もう一つの気付くポイント、それは「STAR面接」と気付けるかどうかです。

STAR面接とは

STAR面接というのは、今回の「構造化面接」と、抱き合わせ的に取り上げられることも多い質問技法です。STARというのは星じゃなくで

Situation:その時の状況について
Task:その時の課題について
Action:その時とった行動について
Result:その結果について

の頭文字をとった言葉です。

「構造化面接」は採用したい要件を設定して、それを確認するために決められた質問をします。では、その採用したい要件に合わせた質問はどうすればいいのか、という際に用いられることが多いのがこのSTAR面接です。

例えば、採用したい要件の一つに「主体性」というのがあったとします。これに合わせた質問を考えた際に「あなたは主体性がありますか?」なんて質問しても「はい、あります」って言われるに決まっています。

では、主体性が本当にあるかどうかを見極めるためにはどうすればいいかというと、それはその人の「過去の行動」を探ることです。過去にとった行動を具体的に質問することで、求める採用要件を、その人が備えているかを見極めることができます。それに有効なのが先ほどのSTAR面接です。

STAR面接の質問例

分かりやすく、具体例でSTAR面接の質問を考えてみましょう。

◆Situation:状況について
・その時はどんな部署の体制でしたか
・あなたのその組織の中での役割は何でしたか
・どんな責任や権限をもってましかた

◆Task:課題について
・どのような目標へ向けて動いていましたか
・その時に生じたトラブルはどんなことでしたか
・なぜそれを問題と考えたんですか

◆Action:その時とった行動について
・その問題に気付いた時に最初になにをしましたか
・解決のためにどんな手順で進めましたか
・チームに対してどう関わりましたか

◆Result:その結果について
・問題は解決しましたか
・計画通りに解決へ向けて進められましたか
・足りなかった部分は何ですか

どうでしょうか。1つ1つの質問はスラスラと答えられるものです。あくまであなたの過去の行動を思い出しながら話しているだけなので、テンポ良く進むと思います。

だから、STAR面接って怖いんです。

面接中はうまく話せなかった感触はあまりないのです。皆さん面接後には「いや~面接官の人がとても質問が上手で、スラスラよどみなく回答できましたし、盛り上がりました」なんて言うんですが、面接後の結果連絡で
・論理的に説明する力が欠けていた
・自ら自発的に課題解決に向けて取り組むタイプではない
とかがメールで来ちゃうのです。で、何か思い当たる面接中のやり取りありましたか?って聞くと、このSTAR面接でのやり取りだったりするんです。

構造化面接やSTAR面接の対策

この対策ですが
「自分の過去の行動について、STARの順で整理して説明できるようにしておく」がオススメです。

どの行動について掘り下げられるか分からないから全部整理しておくのなんて無理だよって思うかもですが、面接では基本的に職務経歴書に書いてあることのどこかについてを、STAR面接で掘り下げます。なので、少なくても職務経歴書に記載している過去のエピソードについては、今回のSTAR面接に沿って説明できるようにしておきましょう。

そして、面接の当日のワンポイントアドバイスとしては、さも「準備してきました」という雰囲気で回答しないで下さい。構造化面接をしている面接官としては、STAR面接の技法を活用して掘り下げることで、あなたの本音を引き出しているんだ、という気持ちにさせておくことが大切です。

よくありがちな想定質問をしているんじゃなく、掘り下げた質問をしてるんだぜ、という気分に浸らせて上げてください。時には「う~ん」なんて思い出しているそぶりをすると尚いいかもしれません。心の中では「あ、今はSTAR面接のTの部分を聞いちゃってるのね」と想ったとしても、そして、話す内容はばっちり準備しているものだとしても、思い出しながら考えながら話している雰囲気を出すことによって、面接官がより前のめりに気持ちよく掘り下げた質問をしている感触を与えることができます。

また、もう一つ個人的にアドバイスするとしたら、このSTARって、T(課題)とA(行動)が結局大事だと思うんですね。もちろん最後のR(成果)が高いに越したことはないと思うんですが、成果だけなら職務経歴書を見ればいいわけで、その前の課題設定と、その上での行動がどうだったのか、ということが、新しい会社でも同じように困難にぶつかったときに乗り越えられるかの「再現性」太字を赤文字で記載に繋がるんです。

「構造化面接」を実施してくる企業の多くはこの「STAR面接」を使ってくるので、ぜひこれまでのあなたの行動を整理しておくようにしましょう。

事前に身構えておくことが大事

はい、ということで今日は「構造化面接」についての話を書きしました

「構造化面接」をすることで、面接官の主観的な評価をなくし、採用したい要件に合致した人材をきちんと見極められるので今後活用する会社はより一層増えてくるかと思います。

なので、面接を受ける側の皆さんは「構造化面接きたぞ」「STAR面接の順で聞かれてるぞ」っていうのをあらかじめ分かっていたら、焦って変な回答をしてしまって、チャンスロスとなることも減るのかなと思います。一見、コミュニケーション力は高めと言われるんだけど、話しているとたまにボロが出るそこのあなたは、特に意識してみてください。


最後にお知らせです。

僕は普段、知人からの紹介やこのnoteやYouTubeやTwitterを見て個別にご連絡をしてくれた方のみ、月に新規で5名限定で転職エージェントとして転職のお手伝いをしています。1人1人のキャリアに向き合って、丁寧に支援しているので、もし一度話してみたい方はお気軽に以下のフォームまたはTwitterのDMなどでお気軽にご連絡いただけると幸いです。

また、ベンチャーやスタートアップ企業の採用を中の人として手伝うこともしています。今回みたいな構造化面接を実施する上での採用要件の定義やそのための面接質問の設計だけでなく、人材紹介会社やスカウトなどを活用して、短期間で必要な人材を採用することをご支援しています。こちらもTwitterDMなどでお気軽にご相談ください。

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※以前↓のnoteでも書きました。

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今後もこのnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。尚、このnoteで配信している情報は、YouTubeで先んじて配信しています。週に2回くらいの更新ですが、ぜひそちらもチャンネル登録いただけると嬉しいです。

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、よい一日を!


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