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起業・独立を「しない方がいい」人

お疲れ様です。もなきです。
転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTubeをしたりしています。

今日は「起業や独立をしない方がいい人」という話について書こうと思います。サラリーマンから、起業やフリーランスへの道を考えている方は、是非ご一読いただけたら嬉しいです。

以前のnoteでも何度か触れていますが、僕は2017年にサラリーマンを辞めて、1年間のフリーランスを経て法人化。2020年6月から3期目を迎えました。フルタイム社員は自分一人で、業務委託やインターン生、外部パートナー(アライアンス)の方たちに支えてもらいながら運営しています。

これまでも、転職やキャリアの相談をいただくこととは別に

起業やフリーランスになる、つまり脱サラをすること

についての相談を受けることはたくさんありました。

まず言うと、僕は起業やフリーランス化を推奨はしないです。脱サラを進めているYouTubeやブログやTwitterの一部の人の論調は嫌いです。そのやり方でうまくいくかどうかは、その人のこれまでのスキル、人脈、継続性、そして覚悟によるものなので、誰かに「勧める」類いのものではないと思っているからです。

その前提の上で、今回はあくまで僕の場合はどうだったか、よく聞かれる質問に対してどう答えているか、という話をしたいと思います。

あくまで僕の一例ですが、これらの質問をされた時に、自分なりに回答を持っているかどうかは、脱サラするかいなかの試金石となると思うので、聞いていただければと思います。

よく聞かれる質問TOP3はこちらです。

3位 何でサラリーマンを辞めたの?
2位 家族の反対はなかったの?
1位 独立することの不安はなかったの?

順を追って説明します。

第3位 何でサラリーマンを辞めたの?

僕がサラリーマンとして最後に在籍していたのは、エムスリーキャリアという、医師や薬剤師の転職支援をしている会社でした。上場企業の子会社という安定基盤がありつつも、入社した当時(2013年)は社員数がまだ100人ちょっとのベンチャーで、これから会社をもっと成長させていくぞ!というタイミングでした。採用人事とか、新規事業とか、現場部門の組織長とか、色々な経験を積ませてもらって、途中、同社では男性で初めての育児休暇(2ヶ月間)も取りました。本当にいい会社で、いい経験をできたなと今でも思ってます。

辞めたのは、会社と言うよりも、個人的な理由です。社会人として丸10年が経って、組織人向きじゃないなという自分にようやく気付きました。正確には、もっと前から気付いてはいたのですが、評価を気にしたり、出社時間や休憩時間を気にしたり、誰かと比べたり、比べられたり、スーツ着なきゃいけなかったり、部下のKPIをチェックをしたり、アクション数(行動量)をチェックしたり…etc。

組織で勤める上ではきっと当たり前なことですが、僕の中ではとっても「居心地が悪い要素」になって、辞めることにしました。

自分で思い返してみたのですが、正直けっこう浅い理由だと思います(笑)浅いって言うか、ワガママな人みたいですね。。今のコロナ渦の状況だとしたら、考え直していたかもしれません。

みなさんは「サラリーマンを辞めて個人で働こう」と思うようになるキッカケがあったとしても「それは本当に今じゃなきゃダメなのか、副業や兼業だとだめなのか」などを、慎重に考えてからの方がいいと思います。

「自由に働こう!」「これからは個人の時代だ!」と、フリーランスや起業を推奨する人たちの巧みな誘い文句や情報商材には、踊らされないで下さい。

決めるのも、責任を取るのも、自分自身でしかないです。

第2位 家族の反対はなかったの?

正直に言うと、僕の場合はあまりありませんでした。

妻からは
「何故その道を選びたいの?何をやるの?ちゃんと稼げるの?」
という3点をざっと聞かれたくらいです(投資家の問いかけみたいだなw)

当時は33歳、子ども3人いて、持ち家で住宅ローンもある中にもかかわらず、反対せずに応援してくれた家族には本当に感謝です。

ついでに、自分の親にも辞める前に話しました。僕の父親は起業家で、その時には既にセミリタイアしていたのですが、辞めるにあたって初めて父親とサシ飲みをしました。

父親からも、幸いなことに反対はされませんでした。父親自身も、サラリーマンが性に合わなくて、30代前半で独立した人だったので、自分と重ねた部分もあったのかもしれません。その時のサシ飲みの場で言われたのが

「前方1メートルと、前方10キロを、常に見ながら進みなさい」

という言葉でした

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前方1メートルは、要は直近の売上やキャッシュ状況を見ること。

前方10キロは、数年後に会社として何を目指し、何を成し遂げたいのかの世界観を持つことを指しています。

その時は、さらっと聞き流していたのですが、今考えると、とても深いことを言っていたなと思っています。

話がずれましたが、僕の場合は家族の反対は幸いにもあまりありませんでした。

ですが、ここは普段からの家族とのコミュニケーションや信頼関係が影響すると思います。普段の仕事の様子や周囲との関係性、家事育児への参加状況など、総合的に信頼されている人であれば「たとえ、何があっても、この人とならなんとかなる」と思ってもらえるのではないかと思います。

目の前の家族数人を幸せにできない人に、事業で誰かを幸せにすることなんてできません。

第1位 独立することの不安はなかったの?

これは正直、不安でした。今でも良い意味で、常に危機感を持ち続けて過ごしています。

僕の場合、不安を打ち消すやり方は一つでしかなくて
「数字で可視化する」
ということです。

例えば、日々の生活、住居費や光熱費、食費や教育費、その他諸々で自分の家計はいくら必要なのか。これが自身の給与設定をする上でのベースになってきます。

その上で、会社を運営する上で必要なコスト。オフィス賃料や電話代、パソコンや接待費用など。これらをスプレッドシートシート上で可視化して、どれくらいの売上があれば経営していけるかを考えていきます。

僕は初期投資がほぼいらない、自分の身体があれば成り立つ事業を中心に始めたため、毎月作るべき売上は正直「あ、こんなもんでいいのか」となりました。

ただ、裸一貫の自分になった時に、本当に仕事って来るの?というのが分からなかったので、お金がかかる法人登記をする前に、フリーランスとしての1年間の猶予期間を設けることにして、仕事をもらえる実績と自信を持ってから、法人化しました。

可視化することはできても、必要な売上を作れるかどうかは、これまで培ってきた経験や実績、人脈や知識など、様々なことが影響してきます。

不安の多くを占めるのは、正直なところ、お金です。

まずは、必要なお金をきちんと可視化すること。その上で、必要な売上を作ることができそうかを、色んな人の話を聞いた上で検証すること。

そこを、慎重に計画を作れない人は、独立してもキャッシュアウトしてしまったり、サラリーマンの時以上に搾取された働き方を強いられる実入りの悪い案件に忙殺されてしまうと思います。お金のために働く自転車操業の日々を過ごしてしまっては、何のために脱サラして自由な働き方を手にしたのか分かりません。

脱サラはあくまで手段でしかない

今の世の中、転職も、脱サラして独立するのも、あくまで手段です。

僕は転職エージェントの仕事もしていますが、その人が転職ではなく独立するという選択肢を持つことはアリだと思っています。もちろんその時に自分にはいっさいのフィーも発生しないですが、その人の事業が伸びて、何らかのパートナーシップを結べたら、それは直近の150万のフィーよりも、もっと大きい資産になると思うからです。

今回の話をまとめると、今、脱サラして独立しようか迷っている人は、改めて
☑独立する理由が言語化できている
☑家族からも応援してもらえる
☑必要な売上を可視化できている

これらが最低限そろっているかを、確認してみて下さい。一つでも揃わなかったら、正直、今は脱サラして起業家やフリーランスになることをお薦めしません。

今後もこのnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。尚、今回の内容は動画でも見ることができますので、よろしければぜひ高評価とチャンネル登録お願いしますm(_ _)m

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、お疲れ様でした!


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