見出し画像

「私の全てを理解して欲しい」は無理

お疲れ様です。もなきです。
転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTubeをしたりしています。

今日は「私の全てを理解して欲しい」は無理、という話について書こうと思います。

なんか、恋愛や結婚の話をしそうなタイトルですが、残念ながら転職や採用の話です。ごめんなさい。でも、つきつめていくと恋愛や結婚にも通じる話なので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。


今回のテーマを語るにあたり「コンピテンシー」という話に触れます。採用の仕事に少し関わったことがある人は、もしかしたら名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。

コンピテンシーとは、1970年代にアメリカで生まれた考え方です。超ざっくり意訳すると、

「コンピテンシー」
高い業績を上げる人材(ハイパフォーマー)に共通する行動や思考、態度などの傾向や特性

のことです。

これは「同じ慶應義塾大学の経済学部卒の新卒の人達でも、入社後にそれぞれ差が出るよね」とか「サイバーエージェント出身でもあの2人全く仕事のスタイルが違うよね」ということがあるように、偏差値や出身企業だけをみるのではなく、自社で仕事ができるハイパフォーマーの行動特性や性格を比較分析して、そのデータを基に求める人材を割り出すと言う考え方です。
(たまにその分析がいまいちで「一周回って、結局、学歴じゃね?」という結論になってしまい採用に苦戦したりもする会社がありますが…)

採用活動をしている企業は、採用という大きな「投資」をしようとした時に、失敗をしたくないわけです。なので、活躍できる可能性が高い人の傾向を洗い出して、その傾向と似たパターンの人を採用しようという発想が働くというわけです。

恋愛に例えてみると分かりやすいです。
例えば、結婚を考えた時には、みなさん「過去分析」をしますよね?

これまでお付き合いしてきた人の中で、どんな人と長続きしたか、安定してお付き合いできたかを考えます。すると、食の好みが合う、生活リズムが合う、自分の意見を持っている、とか、いくつか共通項が出てきますよね。なので、それに当てはまる人を整理して探そう、絞り込んでいこうというのに近いと思います。

※まあ、そんな戦略的に結婚相手を見つけていける人は少ないか。。

手を繋ぐ

話を戻します。採用活動をしている企業は「コンピテンシー」を重視している、意識しているのですが、これは逆に言うと、『自分が受ける企業の「コンピテンシー」を理解していると、転職活動での通過率が高まる』ということでもあります。

もちろん、自分が全く興味を持てない、志向性もあっていない企業を受けて、その会社の「コンピテンシー」に合わせることはムダです。自己分析の上で、自分の転職軸をきちんと叶える企業をピックアップして、受ける企業をきちんと選定ができた上での話です。

そこで選定された企業については、自分の転職軸が叶う可能性が高いのであれば、まずは内定をもらうことは大切です。内定をもらった上で、最後に慎重に吟味すればいいのです。

では、内定を得るためにどうすればいいかというと、ここでのコンピテンシーの考え方がいきてきます。

つまり、その企業のコンピテンシーを調べて、その求められる人材像に自分を近づけていくことが大切です。

問題は、「コンピテンシーはこれです」という風に公開はされていないということです。
(ちなみに、近しいモノで「行動規範」とか「カルチャールール」みたいなのはHPに載っていたりしますが、あれはその会社の社員全員が共通して大事にしていこうね、というルールなのでちょっと異なります)

なので、コンピテンシーについては自分で調べ、考える必要があります。ステップは以下です。

①自分が受けるその企業の業界全体や会社、事業、求人の仕事内容を理解する
②その仕事で成果を上げる人のコンピテンシーを導き出す
③そのコンピテンシーに対して自分が重なる部分を、過去の経験や性格、行動特性から抽出して、話す内容を組み立てる

※多分、②が難しいと思うので、どうしても分からなかったり迷走してしまった時はお気軽にご連絡ください。

握手

面接では、あなたの100%を理解してもらいたい気持ち、100%を話して認めてもらった上で入社したい、という気持ちは分かります。

ですが、人間は、多様な側面を持っています。

面接という限られた時間の中で、全てを知ってもらうこと、全てを話すことは無理です。

なので、話す内容は「取捨選択する必要」があります。

その取捨選択する上で「何に厚みを持たせて話すのか」は、その企業のコンピテンシーを理解する、理解するために調べるということがとても大切になってきます。

「受ける求人に自分を合わせる」と聞くと、なんだか自分を捨てるみたいで嫌だと思った人もいたかもしれません。ですが、僕が伝えたいのは、決して自分自身を捨てるのではなく、自分自身のどの部分を見せるのかを選ぶことの大切さ、です。

あなたが一番アピールしたいことと、受ける企業のコンピテンシーが合致していたら問題はありません。ですが、そうではなかった場合、あなたが一番アピールしたいこととよりも、話した方がいいことは別にあります。それを見極めることなく、面接を受け続けてしまっても、時間とメンタルをどんどん削ってしまうことになりかねません。

是非、受ける企業が何を求めているかを考える視点を持ちながら、あなたらしさをきちんと伝えられるように、頑張ってください。

今後もこのnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。尚、このnoteで配信している情報は、YouTubeで先んじて配信しています。週に2回くらいの更新(月曜と木曜の夜)ですが、ぜひそちらもチャンネル登録いただけると嬉しいです。

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、お疲れ様でした!

サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。