弱い

 最近、また自分の弱さを目の当たりにせざるを得ない機会が多い。
 まぁそれは仕方ないし、当然だ。一人で出来る範囲に限界が見えてきているのだから。
 そうやって問題意識を持っていると、焦っていると、余裕がなくて他人を責めたくなる。

 世の中には沢山の問題がある。それを解決しようと声をあげる人が多くいる。それを見て俺は心がざわつく。
 期待するなと内心で毒づく。どうせ殆どの人は変わらない。考える力を手放して、餌をくれとピーピー泣いてる小鳥ばかりだ。俺はそんな人たちを心底軽蔑している。軽く見て、蔑ろにすることに抵抗がない。
 そんな人たちと話すのは可能だがさほど面白くない。だから話して面白い人を自分の周りに増やすために、考えろと言い続けて考えてる人を周囲に集めようとしているに過ぎない。
 とかなんとか傲慢なことを言っているのも、結局は俺がそうやって他人を下に見ることで自分が上だと思いたいだけの、浅ましく愚かな手法だ。
 社会全体を変えようとしている人を見るたびに、そんな浅ましい自分の弱さを見せつけられて気が滅入る。その弱さは否定するべきではない。未だ自身の自尊心は地に落ちたまま、自信が無いのだ。他人を尊敬したままでは自分を否定してしまう。方法論としては正しくはなくても適切なのだ。
 にしても、最近はあまりにも安易に他人を見下そうとしすぎている。余裕が更に減って、防衛のために攻撃を多用しているのが我ながら目に余る。こんなんじゃ誰も応援したいと思えない。分かっているけど止められない。
 止まらないんだ。飢えているんだ。
 俺を、俺を、俺を……

 俺は高尚な人間じゃない。ただ頭でっかちなだけの、平凡で下劣な人間だ。聖人君主のように振舞えるとは最初から思っていない。
 でも、それでも、もう少しなんとかならないのか。やはり落胆だ。俺自身への落胆だ。もどかしい。世の中思い通りにならないことだらけで、何より自分自身が思い通りにならないことが。流石にもうそれを「意志が弱いからだ」とは思わなくなった。でももどかしい。焦る。そして他人を攻撃しつつ、他人からの望外の幸運を願う。餌をねだる小鳥のように。
 はぁ…………

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