はんぐりー

 また夜中の散歩に出ていた。2時間くらい歩きっぱなしで色々考えていた。

 確か考えていたのはこんな感じの事だ。

・たまに忘れかけるけど、やっぱりずっと飢えている。評価に、好意に、尊敬に
・パートナーが欲しい

 食事に関しては皆様のおかげ様でなんとか飢えずに済んだ。
(諸々の事情で今月来月が非常に厳しい事が確定している)
 お米やうどんのカップ麺をウィッシュリストで送ってくださった方、ギフティー経由で送ってくださった方、本当にありがとうございます。割と真面目にこれが無ければ1,2日は一日カップ麺一食で耐え忍ぶしかなくなるところだった。自立訓練施設の250円のカレーが無ければもっと厳しかったろう。わりと飢えた未来が現実的なのが困りものだ。

 まぁそういう意味で別に食事で飢える事は辛うじて回避出来たのだが、やはり俺は飢えているのだなと改めて思った。

 本当に傲慢だとは思うが正直言うと、俺はそれなりに能力の高い人間だと自分を認識している。
 論理的に解析し、それを言語化する能力。これは様々な分野において重宝される能力のはずだ。
 ただ、俺は仕事において重宝されなかった。俺の能力を十全に生かすには、俺に投資して重用して、裁量の大きい仕事を任せてもらう必要があった。
 だがそうはならなかった。それは別に運が悪かったとかではない。俺が悪いのだ。或いは相性が悪かったのだ。
 結局のところ、そこまで重用してもらうまでには、基本的にその前段階が必要になる。即ち指示を聞いて結果を出すという段階だ。上司にとって都合の良い人材である期間だ。
 しかし俺はそれが致命的にダメだった。いう事を聞かない、というつもりは無かった。だが言う事を聞いて理解した上で、要領が悪くミスが多く時間がかかった。その上俺自身の好き嫌いが激しすぎて本心の部分では選り好みをしていた。
 だれかに見出してもらって、大量の資金と手足となってくれる人員を与えて貰えば、もしかしたら俺は一角の人物になれるのかもしれない。そんな風に未だに心の根っこでは思っている。
 ただ、そんなことはあり得ないのだ。奇跡なんて無い。叫ばなければ誰も俺の事なんて気にも留めない。頑張ることで期待した半分程度しか、いい結果は帰ってこない。
 結局のところ、殆どの人が求めているのは自分にとって都合の良い人間だ。誰かを本心から応援したい人間なんて居ない。他人を応援する時は、大体が自分の都合の良い人間になってくれと応援する時だ。
 メリットを返さなければ、誰も俺のことなんて見てくれない。期待してはいけない。返さなければならない。そうしなければ評価して貰えない。それどころか、認識すらして貰えない。
 そう、分かっている。言い聞かせている。思い込もうとしている。
 それでも尚浅ましい俺が叫ぶのだ。
 俺を、俺を、俺を……
 期待してはいけない。それは弱さだ。自分の人生を他人に委ねる怠慢だ。
 分っている。分かっていて尚、やっぱり俺の人生は、一人で背負うには無駄に重すぎるんだ……

 そういう飢えもあるが、ここ暫くの一番の問題を考えたというのも含めて、パートナーが欲しいと思った。
 ここ暫くの一番の問題とは、即ち時間のなさである。いや、体力のなさという方が正確か。
 時間はある。ヒキニートなのだから。ただやりたい事の多さというか時間のかかり具合に比べて俺の体力が少なすぎるのだ。
 基本的に俺にとって現実とは水中と同じである。息苦しく長居するのは辛い世界だ。可能なら少しでも架空の世界(ゲームやアニメ)に居たい。
 最近の俺の起きている時間、14時間のうち平均9時間くらいはゲームやってるか動画を見ている。飯や風呂を除いてだ。やることをやる時間が無いと考えてみると、明らかにゲームとかの時間が長いのが問題なのだが、だからといってこの時間を減らせるかというと相当に難しい。息を止めて現実に向き合える時間にも限りがあるのだ。
 そうなるとベストは俺は考えると文字を書くだけに時間を割いて、他の諸々を外注することなのかなと思うのだが、当然のことながらそんな金は無い。具体的に言ったら家政婦を雇ったり動画編集者を雇ったりする金は無い。
 それに金があったとしても簡単に解決する問題では無いのだ。俺の考え方や生き方を理解して受け入れてくれる人でないと一緒にいてストレスになる。本末転倒だ。俺は普通から逸脱しすぎた。
 そう考えるとやはり欲しいのはパートナーなのだ。一致している必要は無い。でも俺の生き方に理解と共感をした上で諸々を手伝ってくれる人。スケジュールやメンタル、生活とかを管理してもらったり動画編集やってくれたりのサポートをしてくれる人。せっかくなら可愛い女の子が良い。俺の生き方に惚れてくれる嫁さんが欲しい。互いの人生を共有する契約をして欲しい。
 一言で言うと彼女が欲しい(笑) まぁ、彼女というには明らかに重すぎるし望み過ぎてるのは自覚しているけどね。
 でもまぁ、結局はそうなのだ。俺が欲しているのはそういう存在であって、一時の恋愛感情を楽しむ相手ではない。えっちできる相手ではない。いや、欲しいのは山々だがそれは所詮「くれるのなら」程度のものだ。その為に何かしら頑張ったりリソースを割くつもりには一切なれない。
 そして俺が望むものは、冷静に考えて有り得ない。明らかに分不相応の人を求めているからだ。別に飛び切り可愛い必要は無いが、普通に容姿がありなしの基準に入るし、同様に頭の良さや性格の良さも基準に入る。オール80点以上の人募集とか無職29歳ブサメン低身長が言っても、笑い話にしかならない。故にムリゲーなのだ。

 結局のところ、才能だけでは生きていけない。他人に都合の良いだけの人も生きていけない。ある程度そつなくこなしある程度強みを持つ人間しか今の日本というのは生きる事を許されないのだ。死ぬことも許されないが。
 ゆえに得意不得意が尖り過ぎの俺は、そして先立つ元手も無い俺は、無理やりにでも全部自分でやっていくしか無いのだ。無いものねだりでしかない。
 分っている。わかっている。わかっている。
 でも、俺を。俺を……

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