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水原一平氏も苦しんでいるギャンブル依存症を理解して、健康的な"ドパ活"をしよう

その行動を止めたくても止められないということになるんですねその点から見ても。これはもう自分の意思の問題ではなく脳という臓器の疾患だ

ギャンブル依存症を理解して、健康的な"ドパ活"をしよう

大谷選手の通訳水原氏、緊急解雇

先日。結婚を発表して大活躍中のドジャースの大谷翔平選手ですが、その通訳として長年サポートしてきた水原氏が球団から緊急解雇されたというニュースが飛び込んできました。どうも多額の借金をしてですね、そのお金をギャンブルにつぎ込んでいたということで、球団側もですね、ギャンブル依存症だったのではないかというふうに認めているという話です。

このギャンブル依存症なんですがよく、「意志が弱い」とか「甘やかされているとか」そういうふうに言われる、「気の持ちようの問題」だとよく言われることがあるんですが。実はこれも脳という臓器の疾患なんですね。なので今日はギャンブル依存症について脳科学の観点から説明していきたいと思います。

ギャンブルにハマる脳の学習方法

ギャンブル依存症を説明していくために、まず脳の中の学習というところから話を始めていきたいんですが。我々例えば電気を押せば点く、みたいなふうに、自分のした行動が何か結果に結びつくということを学習していますよね。これをオペラント学習というわけです。自分がした結果が良い行動が得られたら、その行動は強化されるというふうに言います。これを正の強化って言うわけですね。スイッチを押してもいくら押しても電気が点かなければ、もうその行動は止めてしまうということになりますね。自分がした行動が良い結果を生み出せば、その行動を何回も何回もしたくなるわけです。ちゃんと自分のしたことが、自分の思い通りになるっていうことが報酬になるんですね。

でこの報酬ってのは実は、与えるタイミングが重要でして。確かにですね、押した後に1時間ぐらい待ってから電気が点いてもそれは報酬にならないわけですね。なので自分のした行動が即座に結果に反映されるってのが大事なんですが。例えば一定間隔で強化が起きるスケジュール。例えばスマホのログインボーナスみたいなものですと、それは確かに習慣化はするんだけど、あんまり長続きしないかもしれないですね。あんまりハマらないですね。必ずもらえるわけですね。そこに行けば一定ではなくて、変動するっていうこともありますね。例えば、魚釣りなんかがその例に当たりますが。いつ来るか分からないけど、とにかく当たるっていうことですね。で今「間隔」の話をしましたが「比率」っていうこともあります。例えば比率が一定だっていうのは、ポイントカードみたいなものですが。1点2点とだんだん貯まっていくと、10点たまれば必ず何かいいことが起きる。コーヒー1杯無料で飲めるとか、そういうのは比率が一定だということになります。が、問題はこの比率が変動するっていうところにあるんですが、これがギャンブルなんですね。これは最も人をハマらせる報酬の与え方だっていうふうに言われています。

ギャンブルの快楽を司る脳の部位

面白い実験がありまして。脳の中には「側坐核」と呼ばれている部分があります。ここは報酬を受け取って快楽を生み出す中枢だと言われていますが、ネズミでも側坐核に電極を刺してですね、自分でレバーを押すとそこに電気が発生して、その脳部位が活性化するって実験行われたんですけども。そうするとどうなるかというと。そのネズミはですね、狂ったようにそのボタンを押しまくるんですね。最終的には死んでしまうんですが、どうして死んでしまったと思いますか?

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