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背信者/第四の壁ENDはもはや……

背信者@オンライン劇場ZA

3月頭に配信にて観劇した感想を、振り返ってまとめてみました


舞台は、全ての記録と情報が失われてから三百年後の世界

アカデミックなものを受容しない大衆、報道と写真、そして演劇への批判と痛烈なアイロニーが詰まっており

私の大好きなディストピアモノでした✌️

ドストライクすぎて「そうそう、こういうやつだよこういうやつ〜!」と心中叫びながら感激(観劇)してました
こういうのをやってくれる劇団があること自体嬉しい限り🥹
※以下壮大なネタバレ&本作を見ていないと分かりにくい話が続きます


シュレディンガー、量子力学、世界は絶妙に設計されすぎている。どこかで聞いたことのある与太話のような真理のような話が盛り沢山

大筋としては、作中でも言及されてたように

バベルの塔かつ多元宇宙論を焼き直した箱庭の世界だった

ことに主人公が気付いて、生きる意味も報道の使命もどうでも良くなって耐えられなくなって

大衆に絶大な人気を誇るライバーの「中の人」として

耳触りのよい物語を紡ぐ役を引き継ぐ話

って書くと一気に三文芝居ぽくなるな🥹

これ以上の言及は避けますが
主人公の勤める出版社の編集長や相棒となる女性カメラマン等の他のキャラクターも含め、この作品の登場人物達あるいは作品世界それ自体が、幾重にもヴェールが重ねがけされた存在として観客の前に提示されます



展開としては、「お!こういう方向で進んでいくんやね!がんばれ主人公!」と思った途端、「いや、実は世界の真実ってそうではなくて〜」と何度も何度もハシゴを外され続けた印象


出版社の編集部が、大衆のことを見下しているくせして本当は彼らも同じ土俵に立ってゴシップに沸き立っていたり(やいのやいの〜)

世界のラスボスが空席であることを目の当たりにした時、そこに誰もい「ない」ことを写真に撮る意義であったり(何もないじゃない!→捏造然り写真は普段何かを〈ある〉状態にする媒体だと思われがち)

本当のラスボスがバーチャル配信者(複数人で運営されているパロという人格?)だったりするのも、時代へのアンチテーゼに溢れてて、実にアイロニカル

主人公が最後配信カメラに気付く所は、視聴者まで物語の一部に取り込まれてると感じられます

他にも配信という手段を演出に対して存分に活かしてて良かったです

ただ、第四の壁ENDがもはや手垢に塗れてきた感は否めない

背信者ってのは、配信を通じて世界を裏側で操ってたパロのことであり、自らの報道の使命から背いた編集長や主人公のことを皮肉ったタイトルなんだろうなと合点がいきました

以上、ざっくばらんに書き殴ってしまいましたが
言葉にし尽くせないほど面白くてめちゃくちゃ好きな作品でした〜!!!!!

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